魅力的なパン屋にあちこちで出合える中央線だけど、どれもおいしそうで迷ってしまう! そんなときは、バリエーション豊富な具材が詰まったサンドに注目してみよう。いろんなパンを少しずつ楽しめたり、お店が考えるおいしい食べ方が提案されていたりすることも。美味しいパンに工夫を凝らした具材がプラスされれば、味わいがさらにアップすること間違いなし!
風味豊かなホテルパンがサンドイッチでさらにおいしく
MONSIEUR IVAN(ムッシュイワン)[立川駅]
朝8時のオープンから、ハムとトマトのカスクルート464円(写真左)、タンドリーチキンピタサンド442円(写真左奥)、ミックスサンド(写真右奥)などサンドイッチがずらりと並ぶ。なかでも、一番人気はハムトマトのペイザンサンド442円(写真右手前)。ペイザンは、数種の小麦粉と厨房に置かれた伝統的な海外製の石臼でひいた粉をブレンド。ふんわりもっちりとして、小麦の豊かな香りがふわっと口の中に広がる。
パンを焼き上げるのは、オープンキッチンでひと際目を引くオリジナルの石窯オーブン。一番下に設置されている石窯に蓄熱することで高温が保たれ、皮がパリッと中はふっくらと焼き上がるという。
オーナー・小倉孝樹さんの師匠である福田元吉さんは、日本初のホテルベーカリーが誕生した帝国ホテルで、初代ベーカリーシェフを務めたイワン・サゴヤン氏からパン作りを学んだ。まだ珍しかった低温長時間発酵を取り入れ、風味豊かなパンにこだわっていたという。その教えを受け継ぎ、オープン時から今も変わらず作られているのが、イギリスパン一斤340円(写真)だ。
看板商品のムッシュ・ブレッドのサンドイッチの種類も豊富。ハチミツが使われていて、まろやかな甘みが特徴だ。もちもちとした食感で、耳までしっとりやわらかい。
このほかサンドイッチは、ベーグル、ピタパン、ドッグパンなどがあり、全部で12~13種類。休日はさらに4~5種増える。食べたことのないパンのお試しや、具材の組み合わせのヒントにしてもらうことが狙いだとか。パンの持ち味が引き立つように、ハムやトマト、ツナといったシンプルな具材が使われているものが多いので、ぜひいろいろ試してみたい。
歯切れのいい自家製フランスパンが自慢
バインミー★サンドイッチ[吉祥寺駅]
具がたっぷりはさまれたボリューム満点のバインミー。その大きさに驚きながらかぶりつくと、なんとも爽快な歯切れ。でも、みっちり詰まったもちっとした生地で、噛むほどにパンの味わいがじわじわにじみ出る。
定番のサイゴンハム&豚パテ680円(写真右)は、キクラゲ入りの自家製ハムに、甘酸っぱいシャキシャキのなます、豚パテのうま味のバランスも絶妙! お店おすすめのピリ辛レモングラスひき肉・つくね・もち豚のカスタム3品(写真左)は800円。
具材の種類は定番が約15種類。バインミー専門店でも、ここまで揃っている店はそうない。さらに、好きな具を組み合わせられるカスタムのほか、トッピングの追加もできるので味わいは無限! 券売機のタッチパネルで商品を選ぶシステムで、オーダーを受けてから作ってくれる。
『バインミー★サンドイッチ』を立ち上げた店主の木坂幸子さんは、元パン職人。カナダで語学を学び、その後ニューヨークでベーグル修業するつもりが、カナダでベトナム人が作るバインミーにハマってしまい目標が変更に。帰国後、その味を再現したバインミー専門店を2010年に高田馬場で開業。一躍話題になり、ここ吉祥寺店は3店舗目として2021年にオープンした。
テイクアウト専門店だったが、2022年10月末にはお客様のリクエストが多かったイートインスペースが登場した。生春巻きやベトナムビールがあるほか、フォーも提供開始。ますます楽しみが広がりそう。
ユニークなアイデア光るコッペパンがずらり
惣菜ベーカリー&カフェ いなこっぺ[高尾駅]
「これすごい! 面白い! って楽しみながら選んでほしいって考えていたら、具がどんどんモリモリになっちゃって」。そう話すのは、この店を立ち上げた代表の落合俊哉さん。焼きそばもスクランブルエッグもコロッケもぎっしりはさまれて、コッペパンからこぼれ落ちそうなほど(各297円)。焼きそばは、弾力のある太麺で食べ応えも十分。
「他にはない具を作りたい!」と、と考えていたらどんどん増えて70種以上になったときもあったが、現在は厳選されて約30種類に。コッペパンのサイズも大き過ぎるという声が多く、ややコンパクトな丸い形に変わった。
コッペパンを焼くのは、落合さんと共に店を営む同級生の石川千晴さんの弟・純也さん。以前からいつか一緒にパン屋をやろうと話していて、『神戸屋』でパン作りの修業をしていたのだとか。目指したのは、いろんな惣菜がはさめて、誰もが食べやすいコッペパン。甘みがほんのり広がり、しっとりとした生地もおいしい!
入り口付近に『ONE DAY COFFEE STAND』が設けられていて、パンと一緒にコーヒーを飲むこともできる。このコーヒースタンドを営む林さんも落合さんの友人だ。店内に流れているBGMは、音楽関係の仕事もしているという石川千晴さんが作曲したオリジナルというのもすごい。
「知り合いにとんかつ屋がいるので、何か一緒にできたらいいねって話してるんです。コッペパン以外にも、食パンをくりぬいて焼きそばを詰めてカレーをのせても楽しそう」と笑う、落合さん。やりたいことがまだまだいっぱい頭の中に潜んでいるようで、アイデアは止まらない。
中央線パンまつり2022
~中央線沿線のベーカリーが大集合!おいしさも楽しさもテイクアウトしよう~
地元でおなじみのあのお店から行ってみたかった名店まで、中央線沿線のベーカリーが一同に集まる「中央線パンまつり」を今年も開催!4回目となる今回は、中央線沿線のベーカリーを中心に、ジャムや焼き菓子、キッチンカーなど約30店舗が日替わりで出店します。中央線の美味しい秋をみんなで楽しみましょう!
【開催日時】
2022年11⽉26⽇(土)~11⽉27⽇(⽇)
①部: 10:00~13:00
②部: 14:00~17:00
※通しで出店するお店は13:00~14:00も販売を行います。
※小雨決行・荒天中止
【販売メイン会場】
第一会場:武蔵境nonowa Terrace
第二会場:武蔵境ぽっぽ公園
第三会場:コミュニティステーション東小金井
【入場料】
無料
【特設サイト】
https://chuosuki.jp/event2/chuo_pan/
取材・文=篠原美帆 撮影=山田ミユキ・中村宗徳
上記の情報は2022年10月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
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※表記されている料金は税込価格です。