友人や家族など大切な方と会うときは、中央線沿線ならではの手みやげを持っていこう。
地元の素材を取り入れていたり、その土地の個性が表れていたりと、中央線の手みやげには地域の話題がたくさん詰まっている。そんな一品を持参すれば、あなたが暮らす街の話題で盛り上がるかも。
中央線沿線にお住まいの方、中央線をよく利用される方必見の連載。
国分寺駅
国分寺で手みやげを買うなら、旬の果物たっぷりフルーツタルト/昔ながらのかわいいたぬきケーキはいかが?
2021年に再開発事業が完了した国分寺駅北口エリア。駅前には交通広場も整備され、ベンチや東屋などの憩いのスペースも誕生した。新しく生まれ変わった印象のある国分寺駅北口だが、少し歩くと古くからこの地に根付いた商店も多く残っている。
人と集まる機会が多いこの時期。地元で長く愛される果物たっぷりのフルーツタルトや、ほっこりと笑顔になれる“たぬき”をお供に、親睦の時を深めよう。
贅沢に果物を使ったフルーツタルト
多根果実店 [フルーツパーラー]
1932(昭和7)年に果物店として創業。かつては国分寺駅北口駅前に店を構え、昔ながらの佇まいが印象的な果物店だったが、再開発を機に移転。移転後には2階にフルーツパーラーを併設し、ケーキや焼き菓子などの洋菓子販売が中心となった。オーナーシェフとして、店を切り盛りするのは3代目・延命(えんめい)真一郎さん。八王子の老舗「バーゼル洋菓子店」やヨーロッパでの修業を経て、パティシエとしてメニュー開発に取り組んでいる。
果物店ならではの手みやげには、季節のフルーツタルトがおすすめだ。みずみずしい旬のフルーツをふんだんに使用。甘さを抑えたタルト生地とクリームが、果物のフレッシュな味わいを引き立てている。訪問時は栃木産とちおとめの「苺のタルト」1080円(6月頃まで販売予定)。季節によって、シャインマスカットや国分寺産ブルーベリー、愛知のイチジクなど、旬のフルーツが使用される。高品質の果物を選ぶ目利きは、老舗果物店が営むフルーツパーラーとしての矜持だ。
また、日持ちする手みやげには「渋皮付和栗のケーキ」1944円を。アーモンド生地に丹波和栗をぜいたくにのせて焼き上げた人気商品だ。他にもデンマークの牛乳を用いたチーズが濃厚な味わいの「国分寺チーズケーキ」、ダークラムが効いた「ヴァローナ生チョコレート」等、ワインなどお酒とも相性が良いスイーツも揃っている。
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今や絶滅危惧種⁉︎ 昭和生まれのたぬきケーキ
ファンフル[洋菓子店]
1977(昭和52)年の創業以来、ずっと変わらずこの場所で営業を続けるこの店は、多くのファンがつくように、と願いを込めて「ファンフル」と名付けられた。店内のショーケースにはショートケーキやシュークリームなどの定番商品をはじめ、多彩なケーキが並ぶ。驚くのはその値段の安さだ。ほとんどのケーキが350〜380円前後。プリンは250円という良心的価格! ショーケースの上にはガレットやフィナンシェなどが1個130〜150円で売られている。「他の店もそんな感じじゃない? それにうちは夫婦二人だしね」と穏やかに笑う店主。修業時代を経ての開業、値段は安くても味は確かだ。
中でも特に人気なのが「たぬき」350円。顔の部分はバタークリーム、体はチョコスポンジで、アーモンドの耳がちょこん。仕上げにチョコレートでコーティングして顔を描く。タレ目だったり、寝ぼけ顔だったり、豊かな表情が心を和ませる。「昭和の頃はどこでも作っていたんだけどね。今は都内で5店舗くらいしかないらしいの」と奥様。遠くは北海道からこれを求めて訪ねてくる人がいるほど、根強い人気の“絶滅危惧種”なのだ。
また、優しい味わいでほろっと口溶けの良いクッキーは、お茶請けにぴったり。気の置けない友人とのティータイムに添えたい一品だ。
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取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2024年3月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。