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長く愛される理由は愛らしさと独創性にあり
御茶ノ水駅
オザワ洋菓子店 [洋菓子店]
地元に住む人たちの特別な日を彩り続け、地域に根ざして58年。2代目オーナーシェフの小澤武志さんいわく「特別なことはしないよ、 うちは“町のお菓子屋さん”だからね」というこの店。だが、決定的に違うのは揺らぐことのない“金看板”がある点だ。創業まもない時期、初代が「ショートケーキ以外にもイチゴのお菓子を作りたい」と考案したのが「イチゴシャンデ」(小250円、大290円、特大380円)だ。
クッキー地の土台にイチゴをのせ、その上に生クリームを絞ってチョコレートでコーティング。その姿は森に生えるキノコのようで、半分に割ると真っ赤なイチゴが姿を現す。その形がシャンデリアのように見えたことから名付けられた名前も印象的だ。「最初の頃は、あんまり売れなかったのよ。お客様も見た目だけではどんなお菓子かわからなかったんでしょうね」と教えてくれたのは初代オーナーの妻 和子さんだ。そんな謎めいたお菓子の存在をガラリと変えたのは2000年頃、ある人気俳優がテレビで紹介したことがきっかけ。瞬く間に人気に火がつき、多くの著名人、タレントたちが愛する「楽屋みやげ」として定着した。
事前の予約枠は埋まってしまうことも少なくない。予約と別に店頭販売分があり、それを目指して訪れる人も後を絶たない。「今のお客様はグルメだから、チョコレートの品質には気を遣ってカカオの割合が高いものを使うようにしています」と小澤さん。あえて酸味のあるイチゴを使うのは昔ながらの味を守るため。初代の味を大切にしつつ、時代の変化にもしなやかに対応する。これこそが親子で紡ぐ愛されスイーツの所以なのだ。
DATA
JR中央線御茶ノ水駅御茶の水橋口から徒歩11分。
10時30分~18時、日・月休。
東京都文京区本郷3-22-9
☎03-3815-9554
https://www.instagram.com/ozawayougashiten/
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2024年4月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。