
毎日に、新しい楽しみをプラス。中央線沿線の街にちりばめられた、気軽に取り入れられる習慣や長く続けられる趣味など、その魅力をよく知る人たちの話をきっかけに、知らない世界へ一歩踏み出してみませんか?
あなたの暮らしをより豊かにする“エッセンス”を提案します。

御茶ノ水駅阿佐ケ谷駅
ミニシアターに通う|ひととき、知らなかった世界に飛びこもう。
「映画は好きだけれど、ミニシアターには入ったことがない」。そんな人は意外と多いのではないだろうか。小規模の映画館ならではの魅力、スクリーンでの映画鑑賞を習慣にする方法、作品の選び方……。暮らしのエッセンスにミニシアターを加えるためのアドバイスを、『Morc(モーク)阿佐ヶ谷』と『シネマリス』の2軒に聞いた。
映画館を日常的な存在にしてみたい

『シネマリス』のシアター1。
映画が好きと言っても、好きの程度や映画への向き合い方は人それぞれ。ネット配信で十分という人もいるだろうし、気になる作品があれば映画館に足を運ぶけれど、年に数回程度、という人が大半かもしれない。
特に独自の作品セレクトが魅力の小規模なミニシアターや旧作を上映する名画座となると、シネコンに比べてちょっぴりハードルが高いのも事実。ラインアップを眺めてみても知らない作品ばかりだし、映画に詳しくないと入っちゃいけない気がして、なかなか足を踏み入れられないのだ。
一方で、シネコンでは上映されないような作品を観るために足繁くミニシアターに通う“映画好き”も多い。中央線沿線には個性あるミニシアターがちらほらとあるし、「映画館に通う」「ミニシアターで映画を観る」という習慣を、中央線での日常にも取り入れてみたいけれど……。まずは何から始めたらいいんだろう?
特に独自の作品セレクトが魅力の小規模なミニシアターや旧作を上映する名画座となると、シネコンに比べてちょっぴりハードルが高いのも事実。ラインアップを眺めてみても知らない作品ばかりだし、映画に詳しくないと入っちゃいけない気がして、なかなか足を踏み入れられないのだ。
一方で、シネコンでは上映されないような作品を観るために足繁くミニシアターに通う“映画好き”も多い。中央線沿線には個性あるミニシアターがちらほらとあるし、「映画館に通う」「ミニシアターで映画を観る」という習慣を、中央線での日常にも取り入れてみたいけれど……。まずは何から始めたらいいんだろう?
『Morc阿佐ヶ谷』に聞く、ふらっと立ち寄る楽しみ

阿佐ケ谷駅前の飲み屋街より少し先、静かな住宅地へと続く道の一角にある。
まず向かったのは、『Morc阿佐ヶ谷』。2020年に閉館したミニシアター「ユジク阿佐ヶ谷」跡に2021年にオープンし、2024年にはロビーと同じ地下1階のスクリーンに加え、1階に2つ目のスクリーンができて2スクリーン体制になった。
「上映作品は、テーマにはこだわっていません。独断と偏見で、いいと思うものを選んでいます」と笑う、支配人の趙子男(チョウ シナン)さん。ロードショー作品ではなく旧作や準新作を中心に上映する、いわゆる「二番館」だ。そのラインアップは、インディーズ作品や海外のアート映画、ドキュメンタリー、リバイバル作品まで幅広い。
また『Morc阿佐ヶ谷』では入会金(年会費)1000円で料金が安くなる会員制度があり、さらに6回観ると招待券が1枚もらえる(つまり1回タダになる)という太っ腹な特典も! 「この招待券を取り入れているミニシアターは珍しいと思います」と趙さん。
「上映作品は、テーマにはこだわっていません。独断と偏見で、いいと思うものを選んでいます」と笑う、支配人の趙子男(チョウ シナン)さん。ロードショー作品ではなく旧作や準新作を中心に上映する、いわゆる「二番館」だ。そのラインアップは、インディーズ作品や海外のアート映画、ドキュメンタリー、リバイバル作品まで幅広い。
また『Morc阿佐ヶ谷』では入会金(年会費)1000円で料金が安くなる会員制度があり、さらに6回観ると招待券が1枚もらえる(つまり1回タダになる)という太っ腹な特典も! 「この招待券を取り入れているミニシアターは珍しいと思います」と趙さん。

趙さん。

物販もあるロビー。ここで上映時間をゆったりと待つ時間も一つの楽しみになる。
かねてからの映画好きというよりは、『Morc阿佐ヶ谷』に携わるようになって映画を観る機会が増えたという趙さん。そんな趙さんが思う映画の魅力は、スクリーンで観てこそわかるものだという。
「音の感じ方も、映像のディテールも、受け取る情報量がまったく違います。スクリーンで観る映画に慣れると、スマホやパソコンでは物足りなくなってしまいました」
「音の感じ方も、映像のディテールも、受け取る情報量がまったく違います。スクリーンで観る映画に慣れると、スマホやパソコンでは物足りなくなってしまいました」

スタッフ手作りのディスプレイが楽しい。

地下1階のスクリーン「Morcシタ」は41席。

黒板アートは「ユジク阿佐ヶ谷」の頃からの名物!
阿佐ヶ谷は文士村が形成されていた歴史もあり、界隈の文化拠点の一つともいえる。「そういうカルチャーが好きな人なら、ここを気に入ってもらえるんじゃないかと思います。まずは場所を知ることが第一歩。一度ロビーをのぞいてみて、空間感を気に入るかどうか試してみてから、映画を観るかどうか決めてもいいですよ」と趙さん。「映画館はまちの豆腐屋さんと一緒。お買い物のついでに、なんならお買い物と同じ感覚で、ふらっと来てみてほしいです」。
スクリーンには非日常的な世界が映るけれど、ミニシアターという場所は思っているよりもずっと身近で、日常の延長線上にある。そう考えると、気軽に立ち寄れる気がしてきた。
スクリーンには非日常的な世界が映るけれど、ミニシアターという場所は思っているよりもずっと身近で、日常の延長線上にある。そう考えると、気軽に立ち寄れる気がしてきた。
御茶ノ水『シネマリス』に教わる、作品の選び方

駿河台下の交差点の近くで、地下鉄神保町駅からもすぐ。
次に話を聞いたのは、2025年12月にオープンした御茶ノ水の『シネマリス』。こちらも2スクリーンあり、一方では新作ロードショーや特集上映、もう一方では準新作や旧作を上映する。そして、『シネマリス』の特徴はなんといってもサブスク会員制度。月額2500円もしくは年額2万2000円の会員になると、年間約50本の準新作や旧作が見放題になる。全作品を制覇すれば1作品あたり500円以下、さらに新作ロードショーも割引料金で観られるという破格っぷりなのだ。
「サブスク制にすることで、なじみのないジャンルの作品にチャレンジするハードルを下げられるのではないかと思ったんです」と話すのは、支配人の稲田良子さん。2022年に閉館した飯田橋の名画座「ギンレイホール」には年間パスポートがあり、常連だった稲田さんも愛用していたことから同様のシステムを導入した。
「サブスク制にすることで、なじみのないジャンルの作品にチャレンジするハードルを下げられるのではないかと思ったんです」と話すのは、支配人の稲田良子さん。2022年に閉館した飯田橋の名画座「ギンレイホール」には年間パスポートがあり、常連だった稲田さんも愛用していたことから同様のシステムを導入した。

入り口の螺旋階段が印象的。

ロビーでは、ドリンクやクッキーも販売している。
しかし、どんなに見放題でお得とはいえ、ミニシアター初心者には「何を観ればよいのかわからない」という心配もある。そこで稲田さんがおすすめするのは、観る映画を「ポスターで決める」ということ。いわゆる“ジャケ買い”だ。
「そのくらい直感で選んでもいいと思いますよ。また、『シネマリス』には映画好きのスタッフが多いので、おすすめを訊いてもらっても大丈夫。実際に、ふらりと入ってきては『これはどんな映画?』とたずねて、2〜3本観て帰る方もいらっしゃいます」
「そのくらい直感で選んでもいいと思いますよ。また、『シネマリス』には映画好きのスタッフが多いので、おすすめを訊いてもらっても大丈夫。実際に、ふらりと入ってきては『これはどんな映画?』とたずねて、2〜3本観て帰る方もいらっしゃいます」

青色が基調のシアター2。

上映中の作品のパンフレットも置いてあり、自由に読むことができる。
『シネマリス』では、1日の最後の上映回をたいてい20時半ごろのスタートにするなど、仕事帰りに寄ることも想定したスケジュールを設定している。「家と職場の往復のなかに映画鑑賞を一つ挟むだけで、気持ちをリセットできるんですよね」と稲田さん。
そして「もしその作品がよくわからなくて上映中に居眠りしてしまってもOK」という言葉も心強い!
「ちょっと休憩できたな、くらいに思っておけば大丈夫。わからなかったり好きじゃなかったりしても、残念に思う必要はないと思います。『なんかわからないけど、よかった』と思ったら、その『よかった』と思う気持ちを大切にしてほしいです」
そして「もしその作品がよくわからなくて上映中に居眠りしてしまってもOK」という言葉も心強い!
「ちょっと休憩できたな、くらいに思っておけば大丈夫。わからなかったり好きじゃなかったりしても、残念に思う必要はないと思います。『なんかわからないけど、よかった』と思ったら、その『よかった』と思う気持ちを大切にしてほしいです」

「御茶ノ水・神保町は散策が楽しい街」と稲田さん。
DATA
実は易しくて気軽な、ミニシアターという空間

『Morc阿佐ヶ谷』1階の「Morcウエ」は、潜水艦をテーマにしたデザイン。
ミニシアターは、施設ごとに作品のセレクトに個性がある。あれこれ試してみて、「ここは自分の好みと合うな」と感じるお気に入りの映画館を見つけられたら、おのずと足を運ぶようになりそうだ。
そして、特定の作品を目的にするのではなく、ミニシアターのセレクトを信頼してみるというのも醍醐味。『Morc阿佐ヶ谷』と『シネマリス』は、どちらも通えば通うほどお得になるシステムもある。まずは思いきって入会してしまって、空いている時間に立ち寄り、タイトルやジャンルにこだわらず上映されているものを観てみることで、わかってくる魅力があるかもしれない。
散策の途中や仕事帰りに、ミニシアターで新しい世界をのぞいてみる。日常にそんな時間が加われば、中央線での暮らしはさらに豊かになりそうだ。
そして、特定の作品を目的にするのではなく、ミニシアターのセレクトを信頼してみるというのも醍醐味。『Morc阿佐ヶ谷』と『シネマリス』は、どちらも通えば通うほどお得になるシステムもある。まずは思いきって入会してしまって、空いている時間に立ち寄り、タイトルやジャンルにこだわらず上映されているものを観てみることで、わかってくる魅力があるかもしれない。
散策の途中や仕事帰りに、ミニシアターで新しい世界をのぞいてみる。日常にそんな時間が加われば、中央線での暮らしはさらに豊かになりそうだ。
取材・文・撮影=中村 こより
上記の情報は2026年6月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
- Tag














