「nonowaマーケット」と同時開催でコーヒーフェスティバルを初開催、20店参加、来場者数2000人
2017年に始まった「中央線コーヒーフェスティバル」。中央線の高架下に設けられた「コミュニティステーション東小金井」に、 中央線沿線の店舗を中心に個性派コーヒー店が集結。参加店、来場者ともに増え続け、中央線沿線の代表するイベントへと成長を続けています。
これまでの 「中央線コーヒーフェスティバル」を振り返りながら、コーヒーと中央線の地域コミュニティとの関係についてご紹介します。
※2023年9月現在の情報です。
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コーヒーの心地よい香りに
誘われて人が集う
沿線密着型のコーヒーイベント
高架下は地域コミュニティづくりの発信基地
「中央線コーヒーフェスティバル」の会場は、JR中央線東小金井駅から東に100メートルほど歩いた中央線高架下に広がるコミュニティスペース「コミュニティステーション東小金井」。2014年にオープンしたこの場所は、物販や飲食店などの店舗が集うだけでなく、地域の人たちの憩いの場となっています。
主催である東日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR中央線コミュニティデザインとともに、第1回から「中央線コーヒーフェスティバル」の運営に携わる株式会社JINフードビジネスコンサルティングが経営する『珈琲や 東小金井工房』もこの一角にあり、2014年のオープン以来、 200種類以上もの生豆からお客さまの好みをうかがい、一人ひとりに合わせて焙煎するコーヒーを提供しています。
ある時、「コミュニティステーション東小金井」の地域貢献のイベントとして、中央線に特化したコーヒーのイベントの企画が持ち上がり、コーヒーに精通する株式会社JINフードビジネスコンサルティングの代表である前田諭史さんとともに具体化していきました。
「コミュニティステーション東小金井」では、高架下に並ぶ店舗などが主体となり、地域コミュニティを盛り上げようという想いを形にしたイベントをたびたび開催しています。
「そうした実例が身近にあったので、この場所を生かし、コーヒーをテーマに地域コミュニティを盛り上げられたらと考えていました。イベントが開催されるごとに、テナント同士も協力し合い、お互いによい刺激を受けています」と前田さん。
沿線に点在する個性派コーヒー店を強みに
中央線沿線には自家焙煎やスペシャルティコーヒーにこだわりを持つなど、店主の個性が際立つコーヒー店が点在しています。それを強みに、前田さんは中野や三鷹をはじめ中央線沿線に店舗を展開する中で得た、コーヒー店同士の横のつながりをベースにイベントへの出店の声がけをしました。次第に出店者同士のつながりも広がり、コーヒースタンドから喫茶店、キッチンカーなど、バラエティ豊かな顔ぶれが集まってのスタートとなりました。
2017年11月の第1回は「nonowaマーケット」と同時開催となりましたが、紙コップを片手にコーヒーの飲み比べを楽しむ人で賑わい、イベントは大盛況。来場者は中央線沿線の中でも三鷹~立川エリアからの方が7割以上という、まさに中央線沿線に住む人たちが楽しむ地域密着型のイベントになりました。
「シンプルにコーヒーが好きな人が多いということに加え、実はファミリーでも楽しめるイベントなんですね。コーヒーのお供にぴったりな焼き菓子やベーカリーのお店も出店していますし、コーヒーを持って近くの公園でのんびりくつろぐ方も多かったですね」と前田さん。
翌年には、「nonowa coffee festival」として単独開催となり、そして2019年から、「中央線コーヒーフェスティバル」と名称を改め、現在に至ります。
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コミュニケーションツール
としてのコーヒー
コーヒーには未知の世界が広がっている
「中央線コーヒーフェスティバル」で楽しむことができるコーヒーの飲み比べには、「コーヒーの楽しさを伝えたい」という想いが込められています。それぞれの街に根差したこだわりのある店の味を、一か所で堪能できてしまうというのがこのフェスの醍醐味ですが、コーヒーを手に店主と会話をするのも楽しみの一つです。コーヒーを飲むだけでなく、コミュニケーションが成り立つようなイベントのあり方が楽しさを倍増させています。
コーヒーは私たちにとって身近な飲み物ですが、意外と知られていないことがたくさんあります。例えば、コーヒー豆の種類と産地、収穫時や焙煎する前の姿、さらに焙煎とはどういうことかなど。そんな奥深いコーヒーについて、こだわりを持った店主と会話を楽しむことで、理解が深まることでしょう。そして、コーヒーへの向き合い方が大きく変わり、より身近に感じられるようになるのです。
2023年4月に開催された第7回「中央線コーヒーフェスティバル2023 Spring」では、数少ないコーヒー豆の国内生産者である沖縄の『中山コーヒー園』が出店し、コーヒーの木から「コーヒーチェリー」と呼ばれる赤く完熟したコーヒーの実が収穫されるまでの話を聞ける貴重な機会も。コーヒーについてもっと知ってもらえるよう、さまざまな楽しみ方を発掘して形にし、少しでも伝えていけるような雰囲気作りも、大切にしていました。
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コーヒーを軸に生まれる
地域コミュニティ
一杯のコーヒーからつながるローカルの魅力との出会い
「中央線コーヒーフェスティバル」は回を重ねるごとに来場者が増え、リピーター率も高く、確実にファンを獲得しています。新しい参加店も増えており、中央線沿線の代表するイベントへと成長。そして、今や地域から必要とされる存在となっています。
中央線という路線をもっと好きになってもらえる伸び代はまだまだあるのですが、イベントの盛況ぶりを鑑みると、その一端をコーヒーが担えるのではないでしょうか。「コーヒーといえば中央線だよね」と広く認知される日がくるまで、地域に根差した息の長いイベントに育てたいと、前田さんをはじめとするイベントに関わった参加店の店主たちは未来を見据えています。
イベントは一過性のものではありますが、「中央線コーヒーフェスティバル」は一過性にとどまらず、波及効果もあります。それはイベント来場者にとって後のお楽しみである、コーヒー店巡りです。
実際に、イベントでは「店に行ってみたい」と店主に具体的な店舗の場所を聞いているお客さまも。
ふだん通り過ぎる駅で下車し、フェスで出会った店へ実際に足をのばしてみようと思うきっかけにもなっています。
第7回の「中央線コーヒーフェスティバル2023 Spring」の後には、参加したコーヒー店の店舗めぐりを楽しめるスタンプラリー「春の中央線コーヒー屋さん、まちめぐりスタンプラリー」を開催。
街を散策しながら地元の人々に愛されるコーヒー店を実際に訪れれば、また違った味わいを感じられるはず。そうした一つ一つの出会いが、コーヒーの楽しみ方と中央線沿線の暮らしをより一層豊かにしてくれそうです。
中央線コーヒーフェスティバル
歴史
2017年
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11月11・12日
2018年
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3月17・18日
「nonowa coffee festival 2018 spring」として、コーヒーフェスティバルを単独開催、25店参加、来場者数2000人
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10月13・14日
「nonowa coffee festival 2018 autumn」開催、20店参加、来場者数2500人
2019年
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3月9・10日
「nonowa coffee festival 2019 spring」開催、24店参加、来場者数3000人
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11月16・17日
「nonowa coffee festival」から名称を改め、「中央線コーヒーフェスティバル」として開催22店参加、来場者数3500人
2020年
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3月
「中央線コーヒーフェスティバル2020 Spring」は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言を受けて中止に
2021年
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3月
「中央線コーヒーフェスティバル2021 Spring」は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言を受けて中止に
2022年
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4月16・17日
「中央線コーヒーフェスティバル2022 Spring」を2年ぶりに開催、20店参加、来場者数4000人
中央線コーヒーフェスティバルの他、コーヒー関連の雑貨や焼き菓子等を販売する「ものづくりのわ~コーヒー編~」や、イベント会場を謎解きで巡る「ミステリートレイン 珈琲急行の謎」など、エリア全体でコーヒーを丸ごと楽しめる企画も開催された。
2023年
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4月22・23日
「中央線コーヒーフェスティバル2023 Spring」を開催、25店参加、来場者数7000人
中央線コーヒーフェスティバルの他、イベント会場を謎解きで巡る「ミステリートレイン 珈琲急行の謎」など、エリア全体でコーヒーを丸ごと楽しめる企画も開催された。
中央線コーヒーフェスティバル期間終了後に、フェスに出店したコーヒー屋の店舗巡りを楽しめるスタンプラリー「春の中央線コーヒー屋さん、まちめぐりスタンプラリー」も開催された。