天気や季節で変わるニュアンスも楽しみ
長坂駅
清春(きよはる)芸術村 [長坂駅]
小学校跡の村内は、さながら野外美術館だ。ここは1977年、故・吉井長三氏が、小林秀雄、白洲正子、東山魁夷夫妻など、錚々たる文化人を連れて桜を見に訪れた地。武者小路実篤、志賀直哉など、白樺派同人たちと親交があり、その頃彼らの美術館構想の実現を模索していた。小林秀雄がいたくここの桜を気に入ったことから、アーティストたちの創作・交流の場として1981年に創設した。
シンボルは『ラ・リューシュ』。シャガールやモジリアニなど、パリの画家たちが暮らしたアトリエ兼住居を再現したもので、現在もアーティストたちのアトリエとして活用されている。白樺林の向こうにはスタイリッシュな『ルオー礼拝堂』、笹の小径に分け入れば、吉田五十八が設計した画家・梅原龍三郎のアトリエがあり、藤森照信氏設計のツリーハウスのような『茶室 徹(てつ)』、自然光による陰影が刻々と変わる安藤忠雄氏設計の『光の美術館』などなど、今なお拡充中。志賀直哉コレクション、白樺派が愛したルオー、岸田劉生、バーナード・リーチなどの作品を展示する『清春白樺美術館』も見逃せない。
四季、天候、時間帯ごとに表情を変え「自由に歩き回って発見を楽しんでください」と、スタッフ。4月には、樹齢約100年のサクラの大木が咲き誇る。倒木からも枝木を伸ばす生命力にも感服だ。
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DATA
JR中央本線長坂駅から徒歩32分。
10時〜17時(入館は16時30分まで)、月(祝の場合は翌平日)・年末年始休。
入館料1500円(大学・高校生1000円、小・中学生無料)
山梨県北杜市長坂町中丸2072 ☎0551-32-4865
https://www.kiyoharu-art.com
https://www.instagram.com/kiyoharu.art.colony
取材・文=林 さゆり 撮影=原 幹和
※上記の情報は2023年10月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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