平安時代創建の天満宮で梅の香りをまとう
谷保駅
谷保(やぼ)天満宮 [谷保駅]
平安時代の903(延喜3)年に創建。菅原道真公の第3子・道武公が、配流されたこの地で父・道真公の薨去(こうきょ)を知り、悼み、建立したと伝わる。
ちなみに、1908(明治41)年に、有栖川宮様が遠乗会と称されて行われた日本初ドライブツアーの目的地となったことから、交通安全祈願発祥の地でもある。
江戸末期築と伝わる入母屋造りの拝殿前で出迎えるのは、撫で牛だ。道真公の死を牛車の牛までもが嘆き悲しみ動かなくなったと伝わり、学問成就に、体の悪い箇所と同じ部分を撫でることで治るという民間信仰も加わって、鼻先や頭を撫でていく人の多いこと。おかげでお顔がツルピカだ。
社務所の脇には、太宰府天満宮(福岡県)の梅の枝を接木した「飛梅」が枝を伸ばす。道真公が大宰府に左遷された際、梅を愛した道真公を追いかけ、太宰府まで飛んで行ったという伝説が心に沁みる。
境内には、梅林(香雪園)もあり、約350本もの紅白梅が楚々と春の芳香を放つ。
梅林の片隅に立つ売店『茶処てんてん』にも立ち寄りたい。米麹と粥だけで作られた甘酒350円は、砂糖・アルコール不使用で、やさしい甘み。また、梅林の完熟梅を用いた紅梅ゼリー350円は、梅の季節だけのお楽しみだ。
「夏は梅のシロップを使ったかき氷も人気ですよ」とは、店主の小林恵美子さん。季節の甘味を手に、梅林でしばし、憩いたい。
掲載されている記事
DATA
南武線谷保駅南口から徒歩3分。
9時~16時50分(社務所受付)、無休。
国立市谷保5209 ☎042-576-5123
https://www.yabotenmangu.or.jp
『茶処てんてん』
10時ごろ~16時ごろ、1月~3月は雨天休(4月~12月は平日不定休、土・日・祝は雨天休)。
https://www.instagram.com/tenten_bairin
取材・文=林 さゆり 撮影=加藤熊三
※上記の情報は2024年1月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
- Tag