ほうとうだけじゃない! 甲州のソウルフード
甲府駅
昇仙峡 甲州郷土料理 わらじ[甲府駅/郷土料理店]
滝上エリアに立つのは、江戸末期築の古民家。移築した店内では、見事な梁、柱に目が和む。2020年に創業した店を仕切る依田亜希仁(よだあきひと)さんは「山梨には、ほうとう以外にもいろいろな郷土料理があるんですよ」と話す。
甲州名物の鳥もつ煮825円は砂肝、ハツ、レバーがこっくりと甘辛いタレと絡まり、テリッテリの光沢。針ショウガが風味を引き立て、「ごはんにもよく合うんですよ」との言葉にも納得だ。途中で甲州伝統の辛味・すりだねをかければ、酒が恋しくなってくる。
実は、うなぎもソウルフードだ。
江戸時代にはうなぎが昇仙峡の荒川で獲れ、末期には静岡から中道往還を通って運ばれ、養殖も盛んだったという。
静岡を中心に仕入れた活うなぎを店で捌き、蒸し、ていねいに焼き上げるのは、この道一筋の職人さんだ。うな重4400円(肝吸い、刺身こんにゃく、酢味噌、小鉢、きゃらぶき、漬物付き)を頬張れば、ふわっとろっ。40年間継ぎ足し続ける、甘さ控えめのあっさりしたタレが、うなぎの芳香を際立たせている。
サービスのうなぎの骨もまた心憎い。ポリポリサクサク、噛むほどに旨味が立ち上る。
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DATA
JR中央本線甲府駅南口から山梨交通バス「昇仙峡」行きで約50分の「昇仙峡滝上」下車、徒歩約3分。
10時30分〜16時LO、無休(雪、荒天など、天候により休みあり)。
山梨県甲府市猪狩町393 ☎055-287-2080
https://koshu-waraji.com/
取材・文=林 さゆり 撮影=オカダタカオ
上記の情報は2024年9月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
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