石畳と古木が織りなす川べりの小さな梅園
日向和田駅
日向和田 臨川庭園(りんせんていえん)[宮ノ平駅/日本庭園]
木の門を包むように梅が花開く。桜、ツツジ、紅葉と、季節の色をまとい、茶室が情緒を添えた庭園は、代議士として活躍した青梅出身の津雲國利氏が1934(昭和9)年に造営。没後、青梅市に寄贈され、無料開放されている。
なかでも早春は見逃せない。
石畳を伝い歩けば、手入れの行き届いた庭園が奥へと誘い、50本ほどの紅白の梅が早春を謳歌。「臨川梅園」と津雲氏が呼び愛したという逸話にも納得だ。
しかも、青梅を席巻したウメ輪紋ウイルスの感染を免がれ、くねくねと枝を伸ばす古木も健在。梅のトンネルを抜けるポイントもある。
美術品・骨董品の蒐集家でもあった津雲氏。コレクションは青梅駅近くの国登録有形文化財「津雲家住宅」に飾られているが、臨川庭園には木々に隠れるようにお地蔵様や石灯籠が配置されている。山里らしい侘の風景にも心が和む。
また、多摩川のほとりの断崖の上にあるため、木々の間からチラチラとせせらぎが顔を出す。
小さな庭園ながら、野趣にあふれ、目を移すたびに景色が変幻するよう。
ひと回りしたら、ベンチに腰かけて、風の音、鳥の声とともに梅の芳香をもじっくり堪能したい。
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DATA
JR青梅線宮ノ平駅から徒歩約5分。
9時〜16時、月休(祝日の場合は翌平日休)。
東京都青梅市日向和田2-271
☎0428-22-1111(青梅市役所公園緑地課)
※茶室利用希望は要問い合わせ。
https://www.omekanko.gr.jp/spot/81701/
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡 写真提供=青梅市観光協会
上記の情報は2025年1月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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