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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!

小淵沢駅
山麓の小淵沢駅から水の山のファクトリーをめぐる
南アルプスを南に、八ヶ岳連峰を北に望む北杜市。豊かな自然が造るミネラル豊富な天然水は、採水されて飲料水になり、酒の仕込みに使われ、野菜や果実をたわわに実らせる。清洌なる水の恵みによって豊かな味わいを造り出す現場をめぐった。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
新宿駅から特急あずさで約2時間の中央本線小淵沢駅下車。サントリー白州蒸溜所の見学は予約優先制なので事前にホームページから申し込みを。駅からはタクシー利用で約15分だが、本数限定の無料シャトルバスもあるので活用したい。八ヶ岳グランヴェール ヴィンヤードへは、駅から徒歩約25分。周辺は標高約900mの高原で都心より冷涼なので、羽織るものを持って出かけよう。
サントリー白州蒸溜所[小淵沢駅/工場見学・ミュージアム]
山麓の森が生む、天然水とウイスキー

受付を済ませてから、雪解け水の清らかな水音を耳に、オオルリやキジなどが暮らすバードサンクチュアリの木立を抜けると、サイロをイメージしたウイスキー博物館へと誘われた。
日本のウイスキー黎明期に用いられたポットスチル(蒸溜釜)の裏手には、ウイスキーの変遷、ブレンダーの技、熟成で変わる白州の色と香りの変化などを展示。2・3階では、世界と日本のウイスキー文化や歴史を紹介していて、じっくり見てまわりたい。
そしてここは、各種ツアーの集合場所。
場内には蒸溜所見学ツアー(有料・抽選制)の他に、サントリー天然水<南アルプス>ガイドツアー(無料・予約制)があり、いずれもウイスキー博物館から始まる。

国内に4カ所ある天然水工場のうちの一つで、フレーバーウォーターも製造している。

「今、飲んでいる水は20年前に降った雨や雪。皆さんはその頃、何をされていましたか?」
工場ごとに異なるラベルの絵柄や味わい、水の山の森づくり活動など、ジオラマやプロジェクションマッピングを駆使したレクチャーの後は、いよいよ工場見学だ。


見学した後だからか、清々しく、甘みのある水の味わいに改めて気付かされる。
さらにフレーバーウォーターや付箋のみやげ付きなのもうれしい。

ウイスキー約25種が揃うが、やはりここでつくられたシングルモルトウイスキー「白州」を試したい。白州熟成体感セット1600円は、白州、12年、18年熟成の3種飲み比べで、白州のフレッシュな香りが、12年の甘くやわらかなスモーキーさが、18年のまろやかな芳醇さが舌の上でゆっくり花開く。しかもその差、歴然。
「ピッチャーに入った水を少し垂らしてみてください」の言葉を実践すれば、より香りと味わいが際立ち、色、香り、味の変化にうっとりする。

ハイボールを飲むのにうってつけな白州うすづくりタンブラー1450円、ロゴチタンマグ7425円、樽材を活用したディップナイフ、スプーン、箸置き各1100円に加え、愛らしい天然水のメモパッド520円や地層えんぴつ94円も見逃せない。
MASAICHI本店/小淵沢駅展望デッキ[小淵沢駅/駅弁・みやげ]
限定駅弁を手に、絶景テラスでお昼をいかが?

運営は1918(大正7)年創業の老舗駅弁店『丸政』。
営業部長の仁科好喜さんは「自慢の駅弁から派生したオリジナル商品が増えていますよ」と胸を張る。
なかでも2024年12月より駅弁グッズが増殖中で、レトロな駅弁パッケージを印字したレコードコースター1000円や、駅弁手ぬぐい1300円はギフトに最適。八ヶ岳の野菜チップス560円、薄くてやわらか食感のかりんとう霜ふり480円など、おやつも万端揃う。


また、昭和の列車旅に欠かせなかったお茶土瓶(汽車土瓶)600円も国内の駅で唯一販売する。
お茶を入れてもらったら、駅屋上の展望デッキで弁当を広げよう。

八ヶ岳グランヴェール ヴィンヤード[小淵沢駅/ワイナリー・カフェ]
日々進化する、ニューフェイス・ワイナリー

韮崎市や白州町でワイン用ブドウを栽培する農業法人が、新たに標高約950mの小淵沢に畑を設け、牡蠣殻を畑にまいて土壌改良。2022年より、自社栽培ブドウによる自社醸造を開始した。


年代別、品種別の飲み比べもできるが、赤・ロゼ・白の3種1800円を、雄大な景色を眺めながら味わう至福感といったら。
ロゼの桜メルローはフレッシュなベリーの香りが特徴的で、赤の花菱メルロー&カベルネ・ソーヴィニヨンはほどよい渋みがありながら上品な味わい。白の宝結シャルドネは、やさしい口当たりで、飲み進めるごとに塩味やハチミツのニュアンスが広がる。スタッフの方が「全種試される方もいますよ」と話すのも納得だ。好みの1本(ボトル2750円〜)を手に入れたい。

本日のグラスワイン700円は、気に入ったらスタッフに声掛けを。ワインショップへ案内してくれる(ワインショップの予約状況による)。

写真提供=八ヶ岳グランヴェール ヴィンヤード
ワインを楽しんだ後は、ブドウ畑と南アルプスが見渡す限り広がる新設のウッドデッキへ。
「ここにもテーブルを置く予定です。将来的には見学ツアーも企画したいと考えているんですよ」。
訪れるたび新たな試みが体験できそうだ。
雄大な景色と味わう贅沢
目の前に広がる流麗な山々こそが水の生まれた場所。山の恵みたっぷりの水で丁寧に仕込まれたウイスキーや、山麓の畑で育ったブドウからつくられたワインは、香りも味わいも格別だ。造りの現場で知った、作り手たちの想いを胸に、自宅でじっくり旅の余韻に浸りたい。
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北杜市は名水の地であることから、ミネラルウォーターの生産はもちろんのこと、日本酒、ウイスキー、地ビール、焼酎、ワインが醸造されており、良質な水から育まれるお酒は、それぞれのカテゴリーにおいて世界的な賞を受賞しています。
日本の名水・新日本の名水百選に選ばれた南アルプス白州尾白川、八ヶ岳湧水群及び瑞牆山源流より流れる3つの名水と厳選された酒造好適米で醸す、日本酒の数々
標高1230mに位置する北杜市・清里高原のビール醸造所で、八ヶ岳南麓の清冽な天然水を使い、モルト(麦芽)に宿るコクとうまみをとことん引き出した飲み比べセット
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取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2025年3月現在のものです。
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