登頂のご褒美に、体に沁みるなめこ汁を
高尾駅
城山茶屋 [高尾駅/峠の茶店]
小仏城山では2つの茶屋が背中合わせで登山客を出迎える。
その一つで、相模湖側にあるのが城山茶屋だ。
名物はなめこ汁350円。
各店、なめこ汁の趣向が異なるなか、城山茶屋は醤油仕立てで、麓の峰尾豆腐店で仕入れた木綿豆腐がたっぷり。
「豆腐を仕込む井戸水も分けてもらってるんですよ」と話すのは、3代目の尾嶋典善さんだ。
とろみの付いた汁が胃の腑をじんわり温め、啜った途端、声が出てしまうほど沁みる。
「お腹が空いてたら手作りおでん、お酒を飲むならモツ煮もおすすめ」と聞いて、両方注文。
しみしみのおでん600円をつまみつつ、味噌仕立てのモツ煮500円を口に入れると、思いのほかパンチのある味でビールが進む。
他にも、新潟県魚沼市出身のお母さん・かつみさんが郷里の玉川酒造から取り寄せた酒粕と酒で仕込むあま酒300円も人気。「井戸水で淹れています」というハンドドリップはコーヒー好きの先代こだわりの味だ。
かくいう尾嶋さんは夏場、フワッフワのてんこ盛りかき氷で登山客を喜ばす。
シロップ入れを客に渡して、思う存分かけてもらうスタイルで、「10月ぐらいまで続けますよ」。
2025年で創業100年。
今日も登山客の癒しの場になっている。
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DATA
JR中央線高尾駅北口から京王バス「小仏」行きで約21分の小仏下車、徒歩約62分。
9時〜15時30分ごろ、平日・雨天休(桜・GW・夏季・紅葉・正月シーズンは平日も営業)。
東京都八王子市裏高尾町1885-2
☎042-665-4933
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2025年9月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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