堂々とした大看板の下の白暖簾と木の看板が粋さを醸す。上野原駅前に立つ食堂は、昭和31年（1956）に創業し、3月にリニューアルしたばかり。昔ながらの黄色いカレーライス、創業当初から続く澄んだ豚骨スープのラーメン600円、丁寧に下処理した柔らかく上品な旨味の牛のモツ煮600円など、目移り必至。なかでも、名物と呼ばれているのは、牡蠣のカレー焼き飯1000円だ。広島産カキがぷっくりツヤッツヤ。トロンとした濃厚な風味が、カレー焼き飯の芳香とともに口中に広がっていく。ボリュームがあるのに重すぎないのは、「バターではなく、オリーブオイルでソテーしているからですよ」と、3代目の関恵美さん。
また、客の要望に応えたのが、ワッフルアイス400円。焼きたてのサクサク感と香ばしさ、ミルクジェラートのなめらかさのハーモニーに、「山梨県人は、きな粉と黒蜜が大好きなので」と、２つの素朴な甘みをプラス。ペロリと平らげていく人が少なくない。