路地の先に姿を現す小さな美術館は、洋書絵本や翻訳絵本に携わった望月氏により1993年に建てられ、絵本の原画、ポスター、版画などが壁を彩る。館内はおうちのような造りで、部屋ごとに作家を特集。ピアノを置いた部屋には、藤田三歩さんのメルヘン画をちりばめ、窓のある部屋ではアメリカの絵本作家、ターシャ・テューダーの作品世界をその珠玉の言葉とともに展示。花の妖精が出迎える階段、哀切と温かみを併せ持つ東欧の作家たちの作品を紹介する２階もあり、見どころ満載だ。１階の奥にある小部屋も見逃すまじ。押し花でファンタジーの世界を作る高田かねこさんの世界が待っている。さらに、姉とともに両親から館を引き継いだ望月愛さんが、欧米作家を中心にセレクト絵本を展示販売。月ごとに新作がお目見えし、絵本好きにはたまらない。ドリンクサービスのジュースを手に、南アルプスを一望するテラスで絵本のページをめくるのもいい。絵本の森ミニガーデンもあり、春から秋にかけて可憐な花が次々と咲き誇る。