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昭和レトロな雰囲気に癒やされる老舗喫茶店
中央線沿線には、昭和から続く喫茶店が点在している。柔らかな色合いの照明器具、使い込まれた家具のつや、ドアベルや壁にかけられた時計の音など、目や耳からもタイムスリップしたような感覚が味わえる。もちろん、お店こだわりのコーヒーや、クリームソーダやナポリタンといった懐かしさたっぷりのメニューもレトロさを演出。中央線に乗って昭和レトロな雰囲気を味わう喫茶店巡りに出かけよう。
この記事の目次
ピンクの壁のある空間でブルーのクリームソーダを
gion [阿佐ケ谷]

お店の入り口は緑がいっぱい。
阿佐ヶ谷は学生時代に住んだ場所で、家庭教師をしていた教え子家族がビルの大家という縁もあり、現在の場所にお店を開くことに。

オープン当時にコンセントをたくさん用意したことで、どの席にもランプを設置できた。
オープン当初、装飾品は少なかったが、壁には絵画を掛け、ほぼすべてのテーブルにステンドグラスのランプを配置、店前に花壇を作ってブナの木を植えるなど、時間をかけてお店を育ててきた。

ワッフルは660円。飲み物を頼むと食べ物は100円引き。ソーダ水(ブルー)550円にプラス230円でアイスクリームのせに。
冷たい飲み物にはすべて、プラス230円でアイスをのせられる。グリーンとブルーがあるソーダ水のアイスのせは、今では爆発的な人気商品となっている。ステンドグラスのランプやテーブルの花と一緒に写真撮影する人も多い。

向かい合わせのブランコ席。
開店当初は白だった壁は、関口さんが定期的に塗り直していた。あるとき、いたずら心が芽生えて、ブルーやピンクに塗り替えてみたところ、『gion』は、ますますロマンチックな世界観に。

マスターの関口宗良さん。
普段は昼過ぎから店にいる関口さん。「お店を気に入ったといった表情で、ニコニコしているお客さんを見ると幸せな気持ちになります」と話す。
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ロマンチックなアイリッシュコーヒーと復刻プリン
珈琲専門店 憩 [八王子]

店を開いたのは現マスターの河野忠さんの両親で、八王子の地場産業である絹織物から商売替えをしたとのこと。忠さんは調理師専門学校を卒業後、しばらくホテルで働いたあと20代前半でお店に入った。妻の睦子さんも子育てや家事と両立させながら店に立ってきたという。
昭和54(1979)年に建てられた現在の店舗。近所に住む有名な宮大工が設計したもので、天井の曲線(アール)の美しさも特徴だ。

テーブルや椅子はカリモク製。
それは、アイリッシュコーヒーをつくるとき。温めたウイスキーに火を灯してからコーヒーを注ぐコーヒーカクテルの一種だ。
アイリッシュコーヒーがメニューに登場したのは開店から数年経ったころ。先代のマスターが百貨店のイギリスフェアを訪れたときに目にして、取り入れることを決断。ウイスキーや、専用の道具も仕入れ、まだ知名度がなかったアイリッシュコーヒーの提供が始まった。昭和のころは飲み会帰りの団体客が揃って注文することが多く、最高で37杯連続で提供したことがあるそうだ。

ウイスキーを熱して火をつける。

ホイップクリームで仕上げるアイリッシュコーヒーは1050円。カラメルもたっぷりの憩のプリン450円。
そのきっかけは、仕舞い込まれていた銀色の足付きのカップが見つかったこと。そしてちょうど世間で昔ながらの喫茶店プリンが注目されていたことから、睦子さんがメニューに加えませんか?と忠さんに提案。先代のレシピ帳を元に、忠さんが1年かけて当時の味を再現したのだ。

マスターの河野忠さんと妻の睦子さん。
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長屋の建物を40年以上前にリノベ。手作りにこだわる喫茶店
七つ森 [高円寺]

重厚な看板と瓦屋根にも興味をそそられる。

カウンターの椅子も形がいろいろ。
学生運動が盛んなころに大学時代を過ごしたマスターは、社会に出ると広告の制作会社でクライアントのジーンズショップなどを担当。広告に限らずお店作りのアドバイスも行ううちに、“町の要素”としての喫茶店に興味が湧いて、『七つ森』の開業につながったのだ。

開業当時から女性客がひとりで入れる雰囲気作りを心がけた。
今もメニューは、できる限り店で手作りして、米や一部の野菜は無農薬で栽培する長野県の生産者から取り寄せている。

オムごはん(スープ・サラダ付)1485円。
そのひとつが、オムごはんだ。牛肉のしぐれ煮を加えたごはんの上に、たまごを2つ使ってふんわり焼き上げたオムレツをのせ、刻みのりをトッピング。添えられる山椒の粉をひと振りすると風味が変わり、その味わいもどこか懐かしい。

「お客様とご縁がありますように」
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喫茶ファンの店主が喫茶店文化を未来に繋ぐ
村田商會 [西荻窪]

重厚感のあるドアも街に馴染む。

振り子時計の音が聞こえる店内。
引き取った備品を販売するようになって3年ほど経ったころ。40年以上営業していた西荻窪の「POT」が閉店すると耳にした。
大学時代から老舗喫茶店巡りが趣味だった村田さん。中央線沿線はよく訪れていて、この場所にあった「POT」もそんな喫茶店のひとつだった。

青いペアの招き猫は「POT」時代から。
悩んだ末に「お店が存続する方がうれしい」と、村田さん自身が喫茶店として場所と設備を引き継ごうと決心。『村田商會』の実店舗は、こうして誕生することに。
都内や近県の喫茶店から引き取った家具や食器などは、自宅用に購入していく人もいれば、稀に中央線沿いの喫茶店経営者が現れて、カップや備品を購入していくこともあるという。

スパゲティナポリタンは単品で950円。
喫茶店としてのメニューは懐かしい雰囲気のものが多く、壁掛け時計から聞こえるカチコチという音を耳にしながら食べていると、ノスタルジックな気分に浸れる。

店主の村田龍一さん。
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文・撮影(gion、七つ森、村田商會)=野崎さおり 撮影(珈琲専門店 憩)=逢坂聡
上記の情報は2026年10月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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