頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
日野駅
ちょい飲み派にもガッツリ肉派にも応える、日野駅のキッチン
『H.P.STYLE Kitchen(エイチ ピー スタイル キッチン)』は日野駅のすぐ目の前にありながら隠れ家感すら漂う。階段を上がれば、店内は外からの見た目以上に広く、ゆったりと席が設けられていて落ち着いた風情。ソムリエールと語らいながら、手の込んだお料理とお酒を楽しむひとときを、ゆるゆると味わいたくなる。
カウンターか、中央線ビューか
ここは、16時とちょっと早めに開くキッチン。入り口には控えめに木製の看板が掲げられ、階上へと誘われる。
ソロ客を出迎えるのは、アフリカ産木材・ブビンガの一枚板が贅沢なカウンターだ。店主・高田慶太さんの「ゆったりとお食事とお酒を楽しんでほしくて」という思い通り、座れば奥行きがあり、伸びやかな心地になれる。
中央線と駅舎が見える窓側席も人気。こちらは仲間と訪れた時の楽しみに取っておこうか。
最初の一杯に季節のフルーツカクテルを
手始めはビールもいいが、「季節のフルーツカクテルもオススメですよ」と、高田さん。夏が旬の、もものモヒート1430円にすれば、山梨県産のモモの甘みがみずみずしく、ミントが爽やか。喉の渇きをやさしく潤してくれる。
目も舌も喜ぶ前菜の盛り合わせ
さて、前菜を。種類豊富で迷うが、シェフのお任せ前菜5種盛ハーフサイズ1650円はソロ客にうれしい一品だ。シェフの四十物治勲(あいもの おさむ)さんは、フレンチ、スパニッシュで腕を磨き、手間と工夫が皿の上に盛り込まれている。例えばスペイン風オムレツ。キタアカリの旨味を閉じ込めるため、タマネギとともにコンフィにしてから焼き上げる。また、ナツメヤシのベーコン巻きは、取り除いた種の代わりにアーモンドを忍ばせ、香ばしさ、塩気、甘みが絶妙。風味まろやかなパテドカンパーニュ、野菜の旨味がやさしいラタトゥイユ、酸味が夏にうれしいヒシコイワシのマリネなど、どれも珠玉の一品だ。
力を注ぐ肉とワインに恍惚
「食べるとみんな笑顔になりますよね」と、高田さんは肉料理にも力を注ぐ。自家製ソーセージにも惹かれるが、今日は骨付き仔羊のロースト1本1320円(写真は2本)に。塩のみで焼き上げたやわらかな肉質から、上質な仔羊がもつ草原の香りが立ち上り、目を閉じて味わいたくなる。さらに、八王子『中西ファーム』産の旬野菜が彩りと歯触りの妙技でナイスアシスト。
肉料理には、ソムリエールの矢崎亜莉沙さんがセレクトした3種から選ぶグラスワイン720円〜を合わせたい。フランスやイタリアのワインを中心に揃え、ペアリングにも精通。料理とワインの相性研究を矢崎さんと始めたら、瞬く間に時間が過ぎていく。
肉料理には、ソムリエールの矢崎亜莉沙さんがセレクトした3種から選ぶグラスワイン720円〜を合わせたい。フランスやイタリアのワインを中心に揃え、ペアリングにも精通。料理とワインの相性研究を矢崎さんと始めたら、瞬く間に時間が過ぎていく。
スイーツや食後酒も揃える稀有な大人の店
駅前という好立地ゆえ、「いろんな人の交差点的な店でいたい」と話す高田さん。軽い一杯から夜遅くの食事まで、ご利用の幅は無限大だ。農家直送野菜やフルーツだけでなく、自家製生チョコなどのデザートもあり、女性ひとりでも安心して心豊かに過ごせる空間だ。
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=鈴木奈保子
上記の情報は2021年12月現在のものです。
※年末年始の休業日は省略しています。
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