立川で手みやげを買うなら、ユニークなどら焼き／本格的なシフォンケーキはいかが？

「伊勢屋」の名を冠した和菓子店は各地にあるが、こちらは立川で創業して70年近く。長く地域に根ざした和菓子店だ。現在は2代目となる小林毅成さんと、妻の文子さんが店を切り盛り。店頭には生菓子や名物の団子、本店限定の巻き寿司や稲荷寿司などが並んでいる。その中で一際目を引くのが、ウドラ焼き281円と名付けられたどら焼きだ。生地には一見、伝統の和菓子とは思えないようなインパクトのある怪獣の姿。「ウドラ」は立川名産のうどをモチーフにしたキャラクターだが、市民投票で2位に甘んじて立川市公認キャラクターになり損ねたというちょっと切ない身の上の持ち主だ。
 
生地には立川市内にある伊藤養鶏場の卵を使用。「たまたま地元の直売所で見つけて、試してみたら味が良かったのでそれからずっとこの卵を使っています。味が濃厚で、割った時に白身が締まっていて硬い。卵の風味がしっかりと強く出るのが特徴です」と毅成さん。卵感があり生地自体もずっしりと重厚、食べ応えがある。その生地の中には北海道産の小豆を炊いた餡がたっぷり。毅成さんの修業先・赤坂の老舗『塩野』で学んだ伝統の味をしっかりと受け継いでいる。
 
どら焼きはウドラ焼きの他に、立川の名を入れた「たちどら」や立川公認キャラクター・くるりんをあしらった「モチモチドラ焼き」も。また、立川市を舞台にしたアニメとコラボした商品開発にも積極的に取り組んでいる。インパクト抜群のウドラ焼きをはじめ、伝統的でありながらユニークで立川愛が詰まった立川伊勢屋の和菓子を手みやげにすれば、あふれる笑顔を見られるだろう。

『Silk Chiffon（シルクシフォン）』は、シフォンケーキとカヌレの専門店。店頭のショーケースには定番シフォンケーキ6品（プレーン、アールグレイ、ココアマーブル、宇治抹茶、完熟バナナ、ピスタチオ)に加え、シーズンごとに入れ替わる期間限定商品も並ぶ。ショーケースの奥でシフォンケーキを焼いているのは、オーナーの川澄正五さん。元々はパリでの修行経験も持つフレンチのシェフだ。「ふわふわと優しい味わいで老若男女嫌いな人がいないシフォンですが、シンプルゆえに素材の良さやその店の技量技術がはっきり分かる。それに色々なフレーバーを作ろうとすると、素材によって膨らみ方などが違って意外と難しいんです。でもそれがまた楽しくて」とシェフならではの目線で、その魅力を教えてくれた。バリエーションのあるシフォンケーキは選ぶ楽しさもあり、パーティなどで食べ比べるのも楽しそうだ。また、生クリームホイップも一緒に販売しているのも嬉しいポイントだ。
 
「実はシフォン以外、フランスの伝統菓子にも力を入れているんですよ。カヌレを作り始めたのは、ちょうどブームが始まる少し前でした。当時はまだ本格的なカヌレが少なく、本場の味を知って頂きたいなと思ったんです」と川澄さん。フランスでの修行時代、フランス人シェフの友人に教えてもらった店のカヌレに魅了され、何度も通い詰めたという。その味の記憶を頼りに試行錯誤しながら再現。バニラとラム酒の効いた本格的なカヌレ・ド・ボルドー。また、ショコラやコーヒー、抹茶、フルーツなど、フレーバーのカヌレもイベント時に販売。他にも濃厚なガトーショコラやチョコレートムースなども店頭に並ぶ。こちらもシフォンケーキと合わせてぜひ手みやげに。