友人や家族など大切な方と会うときは、中央線沿線ならではの手みやげを持っていこう。
地元の素材を取り入れていたり、その土地の個性が表れていたりと、中央線の手みやげには地域の話題がたくさん詰まっている。そんな一品を持参すれば、あなたが暮らす街の話題で盛り上がるかも。
中央線沿線にお住まいの方、中央線をよく利用される方必見の連載。
中野駅
中野で手みやげを買うなら、まるごと一粒の栗まんじゅう/しっとりサクサクのアップルパイはいかが?
駅周辺には商業施設や商店街が充実していて、住みたい街としての人気の高い中野エリア。駅から少し歩けば、個性的な個人商店も点在している。今回ご紹介する手みやげは駅南口から青梅街道方面に向かってまっすぐ伸びる中野通り周辺にある和菓子店とベーカリーの看板商品。どちらも「中野の逸品グランプリ」を受賞した、地元が誇る銘品だ。
中野で生まれ、半世紀以上愛され続ける昔ながらの栗まんじゅう
虎月堂 [和菓子店]
1967年中野区南台にて創業。1978年に現在の場所に店を移し、現在は二代目夫婦が店を切り盛り。ひとつひとつ手作りする和菓子は昔ながらの味わいで、地元を代表する銘菓として長く愛され続けている。
店の看板は、ごろりとした大きな栗をまるまる一粒使った「黄玉満(こうぎょくまん)」。愛媛県から取り寄せた大きな栗に白餡をまとわせ、生地に包んで焼き上げた栗まんじゅうだ。断面を見ても分かる通り、餡と生地は必要最小限に抑えられ、ほっくりとした栗の存在感が際立つ。また、生地の上部にはしっかりと照りが施され、丁寧に作られていることが見てとれる。素朴ながらぜいたくな味わいの黄玉満は評判が高く、2009年には「中野の逸品グランプリ」最優秀逸品賞を受賞している。
また、栗もなかの「虎月燕山(こげつえんざん)」も、創業当初から変わらない味だ。香ばしい最中皮に、しっとりとした餡と栗がたっぷり。つぶ餡、こし餡が選べるのも嬉しいポイントだ。
趣のある商品の包装や包み紙もいい。これは画家であり、書家でもあった佐藤勝彦さんに依頼して描いてもらったという。ユニークで印象的なパッケージに包まれた銘菓は、まさに手みやげとして最適だ。
DATA
本場フランスのパン職人直伝のアップルパイ
【閉店】PINの店 [ベーカリー]
『PIN(パン)の店』の店主・松浦栄一さんは、三重県鈴鹿市にある『ドミニクドゥーセの店』での修業を経て独立。本場フランスのパン職人・ドミニクドゥーセ直伝のレシピで焼き上げるクロワッサンやカヌレ、デニッシュなどが人気のベーカリーだ。
中でも人気が高いのがドミニク特別レシピで焼き上げるアップルパイ。2015年に「中野の食の逸品グランプリ」おみやげ部門でグランプリを獲得した人気商品だ。
パイのフィリングには長野県千曲市産のふじりんごを使用。「ふじりんごはコンポートにしても煮崩れしにくいのが特徴です。また、年間を通して手に入りやすいことも大切な要因です」と松浦さん。アップルパイにはシナモンを使用することが多いが、ここでは使用していない。シナモンが苦手な人が意外と多く、その問い合わせも多いのだという。その代わりにポイントとなるのがクルミだ。食感を少し残して甘く煮たリンゴとの相性が良く、味のアクセントになっている。
リンゴのコンポートを包むのは、フランス産バターを使った香ばしくてサクッとしたパイ。こちらもドミニク直伝のレシピだ。サイズが大きく食べ応えもあり、老若男女に愛されるアップルパイ。誰にでも喜ばれる定番みやげとして覚えておきたい逸品だ。
DATA
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2023年5月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。