神田駅吉祥寺駅
スタイルを知るとビールがもっと楽しくなる! 東京屈指のビアエリアで推しのクラフトビールを見つけよう
“夢と情熱を持ったビール職人が、小さなブルワリーで、自由な発想でビール造りに挑む”
こうして醸造され完成するクラフトビール。造り手の想いがこもり、個性が光るスタイルは、まさに百花繚乱。多種多様な味に、香り……スタイルを知ることであなたにピッタリのビールに出合える。
一期一会のときめきが果てしなく広がるビアワールドへ、いざ!
この記事の目次
無限に進化するスタイル
世界には200種類近くのスタイルがあり、伝統的なスタイルをベースに枝葉を広げ、今この一瞬も進化し続けている。
発酵方法によって大きく「ラガー発酵(下面発酵)」「エール発酵(上面発酵)」「自然発酵」に分類される。
普段コンビニやスーパーで売られている大手メーカーの缶ビールや居酒屋で提供される生ビールは「ラガー発酵」がほとんどだが、クラフトビールにおいては「エール発酵」で造ることが多い。それは、他の発酵方法と比べ、香りが豊かで味が深いビール造りに向き、醸造期間が短く冷却の必要がないといった設備面からも小規模ブルワリーにとって好都合だからだ。
「ペールエール」のように「エール」が付けば、「エール発酵」だと思ってOK。
よく見かける「IPA(アイピーエー)」は「インディア ペールエール」の略。インドがイギリスの植民地だった時代に、ペールエール(イギリスはペールエールの本場)をインドに送る際、長い船旅に耐えるよう防腐効果があるホップを大量に入れたのがルーツ。ホップが多いため苦みや香りが強く、アルコール度数も高いがそれがクセになる。この「IPA」から派生して、「ダブルIPA」「トリプルIPA」なども誕生。ホップ量が2倍3倍になり、より苦く香り豊かなIPAとなる。昨今人気の「ヘイジーIPA」は、ヘイジー(Hazy=霞んでいる)の意味が表すように、にごりのあるIPAで、味わいは華やかでジューシー、苦みはおだやかだ。
スタイルがわからなくても心配ご無用。飲みたい味のイメージをお店のスタッフに伝えて一緒に選んだり、質問してOK! 自分好みのスタイルが見つかったら、次は同じスタイルの別のビールを飲んでみよう。
さあ、推しのクラフトビールを見つけに出かけよう。
ないスタイルはない! マニアも唸る品揃え
【閉店】びあマ 神田[神田駅/ビアバー]
スタイリッシュなタップ(樽詰めのビールの注ぎ口)は8つ。ヘイジーIPA、サワーエールなど流行りのスタイルを含め、苦み強め&おだやか、期間限定品などバランスよく揃う。
「クラフトビールにはゴクゴク飲めない喉ごし感がないものも。だからこそ、ゆっくりフレーバーを確かめてください。人それぞれ感じ方が違うので自由に楽しんでいいんです」と、店主の石田哲也さん。クラフトビールのハードルをぐっと下げてくれるビアバーなのだ。
ビアスタイル:フルーツIPA 400ml 1400円
『びあマ 神田』の5周年を記念して醸造。5周年だから「HI-FIVE!」って、自由なネーミングからもお店のカジュアルで楽しい雰囲気がわかる。フルーツIPAはIPAの一種であるものの、苦みは軽やかで、ホップとフルーツの両方の香りを楽しむことができる。うっすらとにごっているのは、福岡県産温州みかん果汁をたっぷり使っているから。ひと口含むとフルーティーで、ホップのフレッシュな苦みが追いかけてくる。合わせるフードは、ビーフバーガー780円、チキンナゲット550円がおすすめ。
ビアスタイル:サワーフルーツ ゴーゼ 265ml 1300円
「ゴーゼ」は、原材料に塩を加えて、乳酸発酵する酵母を使ったドイツ生まれのスタイル。さわやかな酸味とほのかに感じる塩味が特徴なのだが、ブラックベリー、ラズベリー、バナナを使ったこのビール、フルーツの風味が前面に広がる仕上がり。アルコール度数が4.4%と低めなので、今日の最初の1杯に選んで、キュートな色を愛でてから、乾杯!
ビアスタイル:ダークエール 400ml 1800円
ダークエールは焙煎した麦芽を使用した黒ビール。漆黒色の重いイメージそのままに、濃厚な味わいのエール。ブラウンシュガーを使っているのでまろやかでこっくりとした甘みが広がる。口に含むと広がるのはココア? いや、レーズンかも? 味覚の記憶をたどりつつフレーバーを楽しもう。そのまま味わっても、スモークチーズやチョコレートと合わせても。飲み応えがあるので、時間をかけてゆっくりどうぞ。
購入したら、そのまま2階で角打ちスタイルで飲んでも、1階に移動して料理と楽しんでもよし(抜栓料220円)。
DATA
国内醸造を中心に厳選した12タップ
P2B Haus[吉祥寺駅/ビアレストラン]
まずは、ずらりと並ぶ12のタップに注目を!
ブルワリーのロゴを目印に、以下、スタイル名、商品名、アルコール度数(ABV)、苦み指数(IBU)が一目瞭然。さらに色がわかるように少量のビールが見本として置かれていて、どんなビールかなんとなくわかる。ロゴと見本にピンときたら、トライしてみよう。
ビアスタイル:バルチックポーター 480ml 1550円
アイヌ文様がモチーフのロゴとチョコレート色にピンと来たこれは、北海道上富良野町にある小さなブルワリーから届いた限定品。バルチックポーターとは、バルト地方発祥のスタイル。麦芽をコーヒーのようにローストして使い、ラガー酵母で発酵させた濃厚な黒ビールだ。ラガー酵母由来のすっきり&シャープ感と、発酵後にゆっくり寝かせて生まれるまろやかさが魅惑。カカオの香ばしさとほのかな甘みが合わさって、まるで上質なコーヒーのよう。黒ビール初心者にもおすすめだ。
ビアスタイル:ミュニックヘレス 480ml 1450円
ドイツを代表するスタイルの1つで、ラガー酵母を使ったヘレス。ミュニックはミュンヘンの意。ふんわりモルトが香り、ラガーならではのクリアでスッキリ軽快な飲み心地は親しみやすく、ホップ感と苦みは控えめ。「『カンパイ! ブルーイング』さんのヘレスは、やわらかな甘みと酵母のフルーティーさを感じます」と、田中さんも好きなスタイル。
ビアスタイル:ヘイジーエール 480ml 1650円
苦みが控えめで優しい口当たりのヘイジーエール。ロゼワインのような色味。それもそのはず、カリフォルニアで日本人が営むマイクロワイナリー「SUNSET CELLARS」と、個性的なビール造りを続ける「Heretic Brewery」のコラボレーションで、赤ワイン用のブドウを使ったビール! 日本に数樽しか入荷しないうちの1樽がここに。目を閉じて味わうと、香りはワイン、喉越しはビールそのまま。
中央線ビールフェスティバル
2023 Summer
~過去最多の18出店!多摩地域のクラフトビールが武蔵境に大集合!!~
昨年3年ぶりに開催し、約4万人が来場した「中央線ビールフェスティバル」が今年も開催!出店数は過去最多の18ブルワリー、今回の特集で紹介したブルワリーも出店する。地域と一緒に創り上げる、中央線沿線のクラフトビール熱を体感しにいこう。
【開催日時】
2023年7⽉20⽇(⽊)~7⽉23⽇(⽇)
平⽇ 17:00〜21:00(L.O. 20:45)
⼟曜 11:00〜21:00(L.O. 20:45)
⽇曜 11:00〜20:00(L.O. 19:45)
※⼩⾬決⾏・荒天中⽌
【会場】
武蔵境駅 南口からすぐ!
メイン会場:境南ふれあい広場公園
サブ会場:nonowa Terrace武蔵境
【入場料】
無料
【特設サイト】
https://chuosuki.jp/event2/chuo-beer/
取材・文=松井一恵 写真=オカダタカオ 編集=加藤有子
上記の情報は2023年5月現在のものです。
※掲載ビールは取材時のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。