広大なる里山を2つのコースで堪能
箱根ケ崎駅
都立野山北・六道山公園
雑木林と、切り込むような谷間(谷戸)が折り重なる都市公園は都内最大の広さ。迷路のように張り巡らされた遊歩道の中から「展望台・山コース」と「里コース」に分けて巡りたい。まずは、山の頂にある瑞穂町立文化の森『六道山公園』へ。煉瓦造りの展望台に上れば、青き富士山が緑の海の先に鎮座する。雑木林の尾根道を経て赤坂谷戸に出れば、大きな木の下に木製デッキがあり、清水が注ぎ込む沼でカモがのんびり憩う姿にほのぼの。7月中旬から下旬にかけて、隣接する細田谷戸に白いウバユリが咲き誇るので、足を伸ばすのもいい。インフォメーションセンターにも立ち寄りを。詳細な散策マップ、動植物情報などが手に入るが、必見は小さな水槽。つぶらな瞳のいきものは環境省が定める特定第二種国内希少野生動植物種のトウキョウサンショウウオだ。
リサイクルセンターから大将山を経て里山民家へと続く「里コース」では、風が渡るたびにさわさわと揺れる涼やかな竹林の音に癒やされ、里を見晴らす大将山からの景観が清々しい。山を背にどっしり構えるのは、藁葺きの里山民家だ。江戸中後期の養蚕農家の図面を元に、ヒノキの腕木門、吉野杉を用いた蔵とともに新築再現され、夏でも虫除けのために火をくべる囲炉裏もある。裏手に回れば、岸田んぼが谷戸の合間に広がっている。多様な表情を見せる里山の息遣いを肌で感じられる場所だ。
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DATA
JR八高線箱根ケ崎駅東口から徒歩約25分。
箱根ケ崎駅東口から立川駅北口行き立川バス約5分の「殿ヶ谷」下車、徒歩6分。
里山民家は、9時〜17時(10〜2月は16時30分)、無休。
里山民家:武蔵村山市岸4-3
野山北・六道山公園インフォメーションセンター:武蔵村山市三ツ木4-2-2
☎042-531-2325
https://sayamaparks.com/kouen/noyama/
https://www.sayamaparks.com/common/images/noyamakitarokudouyama.gif
取材・文=林さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2023年6月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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