ダイヤ街商店街の一角に、2017年に開店した喫茶店が立つ。「大正期～昭和初期が好き」と話す大津夫妻が営み、アーチを描く明かりとり、ステンドグラスのランプが優美だ。店内は白壁と木を基調にした端正な風情だが、「大正ロマンが濃厚でしょ」と、ともよさんが胸を張るのは、まさかのトイレ。群青色に染まる壁に竹久夢二風の美人画がにこやかに微笑み、しばしうっとりと篭りたくなる。

ここでは、油・小麦粉不使用のチキンキーマカレー（ミニサラダ、プチデザート付き）750円を。「煮るというより、蒸し焼き。野菜と果実がどんどん増えていって、今は9種類かな」と、博道さん。やさしい旨味が体に染み入るようだ。
食後は、自家焙煎のスペシャルティコーヒーをすすりたい。サイフォンで淹れる深煎りの夜更けブレンドは飲み心地するり。後から余韻が広がって、ほうっと肩の力が抜けていく。

見逃せないのが、日本酒１合700円～だ。利き酒師でもある博道さんが、めでたい名前シリーズ、気になるラベルシリーズ、石川の酒蔵シリーズなど、都度仕入れ。
また、日曜の不定期ライブイベントにも注目だ。