めくるめく豪奢な西洋宮殿で夢心地
四ツ谷駅
国宝 迎賓館赤坂離宮[四ツ谷駅]
東宮御所として1909年(明治42)に建立され、日本唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築物。2009年、国宝に指定され、2016年より通年での一般公開が始まった。
両翼を前に張り出した優美な佇まいを設計したのは、片山東熊(かたやまとうくま)。
正面玄関の上に、阿吽の鎧武者が守り神の如く鎮座し、その両側では天球儀を囲む4羽の鳳凰が羽を広げ、和の意匠がちりばめられているのも特徴的だ。
本館はさらに、素晴らしき空間が待ち受ける。
賓客がまず通される正面玄関ホールは、白い天井が金の菊の御紋で彩られ、きらびやか。
晩餐会が催される「花鳥の間」、10枚の大鏡が広間を奥深く見せる「彩鸞(さいらん)の間」など、めくるめく世界の連続だ。
一番格式が高い「朝日の間」では、28人の修復師により鮮やかな色彩をとり戻した天井画の、朝日を背にした女神が神々しいこと。また、オーケストラボックスを備えた「羽衣の間」ではエラール社製のピアノの演奏会が不定期に催されているという。室内に響く音色も堪能したい。
建物の南に広がる主庭では噴水の意匠にも注目。
水盤を支えるイルカ、手を広げて空を仰ぐシャチなど、5種のいきものが飛沫と陽光を浴びて、つややかに光る。
振り返れば、雑木の森。都心とは思えぬ豊かな自然が息づいている。
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DATA
JR中央線四ツ谷駅赤坂口から徒歩7分。
10時〜17時(最終受付は16時、最終本館入館は16時30分)、水・不定休(公開日はホームページにて案内)。
料金:本館・庭園は1500円、庭園のみ300円
港区元赤坂2-1-1 ☎03-5728-7788(テレフォンサービス)
https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/
https://www.instagram.com/akasaka_geihinkan/
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2024年2月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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