頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
荻窪駅
創作系の野菜料理が主役! フレンチ出身のシェフが手がける自然派ビストロ
野菜中心のディナーを探していると、つい和食系に頼りがち。でもたまには和食以外で野菜をしっかり摂れる店を選びたい。
そんな時に見つけたのが、荻窪の南口仲通りから脇道を東に曲がったところにあるビストロ『orq.』(オーク)。お昼は大きなプレートランチ、夜は独創的な野菜料理があるようだ。
賑やかな商店街のビル2階にあるオシャレなビストロ
賑やかな飲食店ゾーンにあるビルの2階が『orq.』。ひとりでのビストロはちょっぴり緊張感が漂うが、階段を上り、いざ入店。
店内はパーティや女子会にも使えそうな広いスペースだ。厨房の前にカウンター席と、大きなガラス窓に面して並んだ広々とした4人掛けのテーブル席。ここならひとりでも気兼ねなく、ゆっくりできそう。
店内はパーティや女子会にも使えそうな広いスペースだ。厨房の前にカウンター席と、大きなガラス窓に面して並んだ広々とした4人掛けのテーブル席。ここならひとりでも気兼ねなく、ゆっくりできそう。
「よかったらテーブル席にどうぞ」と、さっそく声をかけてくれたのは、店長を務める浦住拳斗さんだ。「時間帯やタイミングにもよりますが、お席に余裕があれば、おひとりさまでもテーブル席にご案内することも多いんですよ」と教えてくれた。穏やかなトーンで話す浦住さんの接客で緊張もほぐれてきた。
個性的な野菜料理のラインナップ
今日はヘルシーに食事だけと思っていたけれど、ドリンクメニューを開いたら、気になるメニューを見つけてしまった。「日本が誇る職人の技 〜野菜やフルーツ等の果実酒〜」とある。これを見たら前言撤回!
鳥取のモモ、九州産レモン、奈良のシソを使ったお酒など数種類あり、目移りしたが「静岡久保山酒店さんプロデュース“あらごし三ヶ日みかん酒”」580円をソーダ割で。甘酸っぱいみかんをギュッと絞ったジューシー感で飲みやすい。食前酒としても合う。
鳥取のモモ、九州産レモン、奈良のシソを使ったお酒など数種類あり、目移りしたが「静岡久保山酒店さんプロデュース“あらごし三ヶ日みかん酒”」580円をソーダ割で。甘酸っぱいみかんをギュッと絞ったジューシー感で飲みやすい。食前酒としても合う。
みかん酒をオーダーしたのには理由がある。1品目にオーダーしようと思った料理が「カンパチとカブのカルパッチョ 〜静岡みかんソース〜」1408円だったからだ。新鮮で脂の乗ったカンパチに纏う“みかんソース”が、さっぱりと爽やかに仕上げてくれる。みかん酒との相性は言わずもがな。
2品目はメニュー写真で気になった「玉ねぎのじっくりオーブン焼き 豚肉のラグーと牛蒡のもこもこ」858円だ。タマネギはオーブンで2時間かけてじっくりと焼きあげ、甘さを引き出している。上に載っているのはゴボウのエスプーマ。ムース状の泡になったゴボウがふんわりと香り、タマネギの甘い香りと程よく混ざり、食欲をそそる。下には豚ひき肉を煮込んだソースが敷かれている。
野菜が主役の料理だが、お肉のタンパク質も一緒に摂れるのがうれしい。普段ならタマネギを丸ごと一個食べることはあまりないけれど、長時間グリルされたとろっとやわらかな食感で、あっという間に食べてしまった。
野菜が主役の料理だが、お肉のタンパク質も一緒に摂れるのがうれしい。普段ならタマネギを丸ごと一個食べることはあまりないけれど、長時間グリルされたとろっとやわらかな食感で、あっという間に食べてしまった。
土作りからこだわった有機野菜が、見た目もユニークな一皿に
そしてもう一品、気になっていたのがこちら。「丸ごと人参の豚巻き 柚子胡椒の赤ワインソースと人参のピュレ」858円。約3時間、ニンジンに火を入れてから豚肉を巻いて焼き付けているそう。ニンジンの甘さと豚肉に施された塩味のバランスが絶妙。赤ワインソースとニンジンピュレが、さらに味を引き立てる。見た目も鮮やかで印象的なマストメニューだ。
見た目のユニークさだけではなく、しっかりと丁寧に時間をかけて野菜の個性を引き出した一皿に仕上げている。聞けば店長の浦住さんは、元々フレンチ出身なのだそう。そして、料理には『orq.』の本社がある静岡の食材を多く使用。土作りからこだわって育てた有機野菜など、厳選した野菜を使っているという。
見た目のユニークさだけではなく、しっかりと丁寧に時間をかけて野菜の個性を引き出した一皿に仕上げている。聞けば店長の浦住さんは、元々フレンチ出身なのだそう。そして、料理には『orq.』の本社がある静岡の食材を多く使用。土作りからこだわって育てた有機野菜など、厳選した野菜を使っているという。
食後にはスイーツもいくつか用意されている。「焼きブリュレのチーズケーキ」638円は、キャラメリーゼした表面がパリパリと香ばしく、チーズケーキはしっとり。スイーツも全て自家製だ。
窓から人の往来を眺めながら、デザートまで味わうことができるカフェのようなビストロ。ゆったりとバランスの良い野菜料理を味わえる店だった。
いろいろな楽しみ方ができる
カレーやパスタなどもあるので、食事メインのメニュー選びも可能。また、スイーツメニューはチーズケーキのほか、ボリュームもあり満足感も高いパフェやデザート盛り合わせなども。料理を軽く、デザートをメインに楽しむこともできそうだ。
DATA
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2024年3月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです