頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
立川駅
見た目もパッと華やかに。ナチュールワインを片手に、立川野菜が主役の逸品を楽しむバル
東京都を横断するように走る中央線。なかでも沿線西側は、意外と農業が盛んなエリアが多い。東京都内にいながら地元野菜を使ったダイニングやカフェを巡れるのも、中央線沿線ユーザーの楽しみのひとつといえるだろう。
今回訪ねた『立川野菜とナチュラルワインの専門店 T.A.G.』も、その名のとおり地元・立川市の野菜をふんだんに使った料理が魅力のカウンターバーだ。フレッシュな野菜を主役に据え、手間ひまをかけて仕上げる一皿をナチュールワインとともに召し上がれ!
この記事の目次
シックな空間で、イタリアン&フレンチベースの料理を楽しむ
立川駅から徒歩5分ほど、北口の賑やかな商店街から路地に入った隠れ家ダイニング『T.A.G.』。店頭に置かれたワイン樽と大きなガラスの扉が目印だ。
扉を開けると、漆喰の壁に古材が効果的にあしらわれた、カジュアルだけどシックな空間が目に入る。手前にはテーブル席もあるが、キッチンに面したカウンター席がずらりと並び、ソロ飯でも気兼ねなく過ごせる雰囲気が良い。
名店の技術とイタリアのママの味で立川野菜を調理
キッチンで腕を振るう店長の長谷川侑希シェフは、六本木の人気イタリアン『アンディアーモ』(現在は閉店)などで腕を磨き、フレンチやイタリアンをベースにした野菜料理を得意としている。「イタリアで本場の料理を学びたくて、現地の農家さんの家に何カ所か滞在して、彼らが作る料理を教えてもらったんです」。長谷川さんが作る料理は、本格的なレストランの技術とイタリアのママの味が絶妙に掛け合わされているのが魅力だ。
メニューは野菜料理が中心。なかでも立川野菜は、2カ所の農園から直送される。当日届いた野菜を眺めながら、長谷川さんがメニューを決めているそうだ。もちろん、立川産の野菜だけでは賄いきれないものもあるが、1年を通して半数程度は立川野菜を使用しているという。
1品目は白ナスが主役のステーキ!
この日最初にオーダーしたのは、立川で採れた白ナスのステーキ エストラゴンソース(ハーフサイズ600円)。時間をかけてローストしたジューシーな白ナスがセロリにも似たハーブ・エストラゴンのバターソースをしっかり含み、少し酸味があるトマトやチーズとの相性も際立つ一皿だ。バターソースにはクルミやガーリックも使用し、立体的な味わいに仕上げている。
合わせるワインは、今宵のディナーの幕開けを感じさせる泡。コクのあるバターソースの後味をすっと流してくれる飲み口だ。
ワインのセレクトにも注目を! 2品目はズッキーニのロースト
実は、こちらで提供されるワインはすべてナチュールワイン。できるだけ添加物を使用せずに醸造されており、ブドウ本来のおいしさ、造り手の個性と、ワインが生まれ育った土地の香りを感じさせてくれる。
「ワインは自分の趣味」という長谷川さんがこだわり抜いてセレクトしたものを出している。料理との相性も良く、この店のお客さんたちは大半がワインをオーダーするそうだ。ワインセラーは2台あり、「ワインの回転率がものすごく高いんです」と話す。
「ワインは自分の趣味」という長谷川さんがこだわり抜いてセレクトしたものを出している。料理との相性も良く、この店のお客さんたちは大半がワインをオーダーするそうだ。ワインセラーは2台あり、「ワインの回転率がものすごく高いんです」と話す。
2品目はズッキーニロースト チーズのムース、ケッパーバター(ハーフサイズ600円)をオーダーした。ズッキーニはローストして焼き目をつけ、ケッパーバターは生ハムを揚げて塩気と旨みを引き出すなど、丁寧にひと手間を加えている。仕上げには立川産の食べられる花・エディブルフラワーを添えて、パッと華やかに。目にも楽しい一品だ。
〆のパスタには立川産のカボチャをたっぷり
そして〆にはパスタ。今回は立川産のカボチャをぜいたくに使ったベーコンとカボチャのクリームパスタ バルサミコソース(ハーフサイズ1100円)。
ベーコンの塩気とカボチャの甘みのバランスが絶妙で、バルサミコソースが全体を引き締めている。ふわりと香るローズマリーも隠し味に効いている。
ベーコンの塩気とカボチャの甘みのバランスが絶妙で、バルサミコソースが全体を引き締めている。ふわりと香るローズマリーも隠し味に効いている。
ちなみに、パスタにはオレンジワインを合わせた。白ブドウを原料に、赤ワインの製法で皮ごと絞るオレンジワインは、どんな料理にも合うことで人気が高い一杯だ。
今回オーダーしたのはどれも野菜がメインのメニューばかり。それでも食後には肉や魚をほとんど摂っていないことを忘れてしまうほどの満腹感があった。
多くの料理がハーフ対応してもらえる点も、ソロ飯派には嬉しいポイント。おひとり様だって、いろいろ食べたい! そんな願望もしっかりと満たしてくれた。
こだわりのナチュールワインと地元・立川野菜。満足度の高いディナーに再訪を誓った。
多くの料理がハーフ対応してもらえる点も、ソロ飯派には嬉しいポイント。おひとり様だって、いろいろ食べたい! そんな願望もしっかりと満たしてくれた。
こだわりのナチュールワインと地元・立川野菜。満足度の高いディナーに再訪を誓った。
フレッシュな立川野菜が主役の料理とナチュールワインに歓喜!
地元立川の農園から直送された旬野菜を味わうことができるのは、中央線沿線の店舗ならでは。甘み・旨みが濃いのが特徴で、長谷川シェフが手掛ける料理は、その素材の味を存分に引き出す工夫が満載だ。ワインは世界各国から選び抜いたナチュールワインを中心に、さまざまな種類をグラスワインで気軽に楽しむことができる。
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2024年8月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。