重要文化財の宝庫! 武田家父子が崇敬した里の社
山梨市駅
大井俣窪八幡神社(おおいまたくぼ はちまんじんじゃ)[山梨市駅/神社]
集落に忽然と現れる風格漂う鳥居は、現存する日本最古の木造鳥居。しかも国指定の重要文化財。参道の先の石橋、檜皮葺(ひわだぶき)の古式ゆかしき神門を超えると、神聖な気配が濃厚だ。
貞観元(859)年創設の八幡神社を戦国時代、武田信虎・信玄の父子が厚く崇敬。雑木の森に包まれた境内には武田家が造り替えた建築物が数多く、長大な外観が流麗な木造拝殿は、天文3(1534)年に信虎によって造立された。さらに、奥に秘された日本最大の十一間社流造(じゅういっけんしゃ ながれづくり)の本殿など、9棟11件が国の重要文化財に指定されている。拝殿の柱など、ところどころに修繕の痕も残り、時代ごとに手を入れ、約500年前の姿を今に伝えている。
また、珍しいのが鐘楼など、寺社の様式も備えているところ。
神仏分離令が発せられる前まで北隣に大きな寺を擁し、宮司と住職が共に祭祀を行っていたという。神仏習合の形をとどめた、まことに貴重な神社なのだ。
格式高き社は静かに里を守り、人々に守り継がれている。
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DATA
JR中央本線山梨市駅から徒歩約40分。
または、山梨市駅から市営バス山梨循環線北回り約10分の「八幡神社」下車、すぐ。
閉門時間なし(社務所は土・日9時〜17時、不在もあるので要問い合わせ)、無休。
山梨県山梨市北654
☎ 0553-23-5390
公式サイト
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2024年12月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。