
友人や家族など大切な方と会うときは、中央線沿線ならではの手みやげを持っていこう。
地元の素材を取り入れていたり、その土地の個性が表れていたりと、中央線の手みやげには地域の話題がたくさん詰まっている。そんな一品を持参すれば、あなたが暮らす街の話題で盛り上がるかも。
中央線沿線にお住まいの方、中央線をよく利用される方必見の連載。

八王子駅
八王子で手みやげを買うなら、70年愛される名物まんじゅうやバラエティに富んだシフォンケーキはいかが?
中央線沿線の中でも大きなターミナル駅の一つ、八王子駅。その利便性に加え、商業施設や商店街の充実、歴史的背景、自然環境など、さまざまな要因が重なり、人気があるエリアだ。この街のおみやげといえば、地元で長年愛されてきた超定番「都まんじゅう」は外せない。そしてショーケースにずらりと並んだふわふわしっとりのシフォンケーキにも注目したい。どちらもたくさんの話題を提供してくれる、会話が弾む手みやげだ。
この記事の目次
愛され続けて70年。八王子市民のソウルフードといえばコレ
つるや製菓 [和菓子]
八王子ユーロード西放射線通り商店街の一角。ガシャンガシャンと鳴り続ける機械の音と、ほんのり漂う甘い香りに誘われ、ひとり、またひとりと足を止める。1955年の創業以来70年間、販売する商品は「都まんじゅう」ただ一つ。
八王子市民にとっては地元の名物としての印象が強い都まんじゅうだが、実はつるや製菓は平塚本店や沼津にも店舗を持つ。さらにはつるや製菓以外にも上野や京都をはじめ、都まんじゅうは全国に点在しているそうだ。共通点は回転式の「キノ式自動製菓機」を使用していること。形はほぼ一緒だが、生地にハチミツを使うなど、店によって若干の個性があるという。
つるや製菓の都まんじゅうは、小麦粉と卵、砂糖とふくらし粉のみで作るシンプルなカステラ生地の中に、インゲン豆の白餡がたっぷり。合成添加物は使用していないため、老若男女が安心して口にできる。また、パクッと一口で食べられるサイズ感、表面に描かれた“都まん”の文字や女の子のキャラクターも愛らしい。さらには1個50円という良心的な価格もうれしい。「10個入り包み1つ。それとバラで2つね!」“おみやげ用に1包み”のつもりがついつい出来立てを頬張りたくなる。これがソウルフードたる所以だろう。
DATA
推しシフォンが見つかるかも⁉︎ フレーバーは常時約30種!
シフォンカフェ Bon・mu (ボン・ムー)[シフォンケーキ・焼き菓子]
ふわふわしっとりのシフォンケーキが常時約30種。開業から10年も経てば売れ筋に絞って展開しそうなものだが、店主・浦田千枝子さんの発想はユニークだ。「元々は自宅で数種類ずつ販売していたのですが、作りためたレシピで焼いたシフォンケーキを、全部ショーケースに並べたくなって。それがこの店の始まりなんです(笑)」。確かに、大きなショーケースに並んだ多彩なシフォンケーキは壮観だ。バニラやアールグレイなどの定番はもちろん、とうふ、西京みそなどの個性派も。
毎週、群馬県から届くのは約150kgの平飼い有精卵。濃厚で力強い白身が特徴的だ。卵のコクとフレーバーの素材感を最大限に引き出すため、小麦粉や砂糖、サラダ油はクセのないものを選び、添加物は不使用。合わせる素材によって生地の膨らみ方などが違うため、レシピはフレーバーごとに細かく調整。食感の違いなども楽しめる。
創業のきっかけになったのが、実はシフォンケーキではなくフィナンシェだというのもおもしろい。ラム酒漬けのドライフルーツを生地に混ぜ、バラを模したフォルム。個性的でおしゃれなスタイルが評判になり、店を開く自信になったという思い入れの深い一品だ。焼き菓子はバラのフィナンシェ(ハーフサイズ)350円以外にも、紅茶のクッキー330円、アーモンドクッキー350円、シフォンのラスク350円、ムラング(メレンゲの焼き菓子)300円などがある。
文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2025年7月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。