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とっておきのグルメを公園で。食べたいもので選ぶ、中央線ピクニック
中央線沿線はグルメ激戦区でもあり、少し歩くと緑あふれる公園に行き当たる駅もたくさんある。それならば、晴れた日にあの味をテイクアウトして公園でピクニック! パンにおにぎりに焼き菓子など、食べたいものを目指して駅へ降り立とう。テイクアウトグルメを片手にお散歩しながら公園へ向かえば、ウキウキが止まらない。
この記事の目次
ひのベイク(焼き菓子とケーキ)×仲田の森蚕糸(さんし)公園[日野駅]
おやつタイムがとびきりのご褒美になる焼き菓子たち
ひのベイク(焼き菓子とケーキ)
30年以上お菓子作りを続ける店主の念願叶って、2019年にオープンしたカフェ。焼き菓子や生菓子がテイクアウトでき、パウンドケーキやスコーンは根強い人気。なかでもパウンドケーキは10年以上前からレシピが完成していた逸品だ。チーズレモン180円は自家製リモンチェッロを使用し、クリームチーズとレモンの風味が爽やか。ポカポカ陽気の晴れた日に似合う味わいだ。米粉パウンドケーキ180円はドライフルーツやナッツがぎっしり入っていて、食感が楽しく食べ応え抜群。スコーンは無糖のものもあり、酵母で発酵させた生地で作り上げる。
店内で過ごすなら、酵母で発酵させた特製クレープをブランチでいただいたり、こだわりのコーヒーとケーキでひと休みしたりするのもおすすめ。どのメニューもなるべく添加物を使用せず、体にやさしい食材を選んでいるのもうれしい。
好きなものをチョイスしてテイクアウト。ベンチでドリンク片手におやつを食べる時間は、まさに至福だ。
雑木林の中に小川が流れ、カフェも併設する公園
仲田の森蚕糸(さんし)公園
日野駅から徒歩12分ほど、井上源三郎資料館や日野用水などを通った先にある公園。日野は昭和の時代に養蚕で栄えた地域で、その研究施設や桑園があった跡地に作られたという。公園内には、国の登録有形文化財である「第一蚕室」が修復して保存され、桑の木が植えられた畑も。雑木林の中には日野用水下堰(しもぜき)から引いた小川が流れていて、自然がいっぱい。子どもたちが泥んこになって、楽しそうに遊んでいる様子が見られる。
お隣は小学校や陸上競技場、ふれあいホール。定期的にイベントが行われ、曜日によって子ども向けのスポーツ教室が開催されるなど、地域のコミュニティの場にもなっている。ふれあいホールにはカフェが併設されているので、ドリンクを調達して広場のベンチでテイクアウトグルメを味わうひとときも楽しいもの。
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パン屋Lingkaran(リンカラン)×武蔵国分寺公園[国分寺駅]
ホップ酵母で作る小麦のうまさを感じるパン
パン屋Lingkaran(リンカラン)
国分寺駅から徒歩約6分。自家製酵母と国産小麦にこだわる「パン屋Lingkaran」は、賑やかな駅から少し離れた、カフェスローの隣にある。2019年にオープンした店で、店主の山口さんは写真学校を卒業後、映画『魔女の宅急便』の影響を受けてパンの道に。都内数店舗で修業を積み、店では自身で研究を重ねたホップ酵母を使用している。
ハード系のパンは中がむっちりとしていて、かみしめれば小麦のうまさにハッとする。公園でガブリと食べるなら、ブルーベリーとクリームチーズ324円のパンや、きまぐれオーガニックショコラ388円などの甘いパンもおすすめ。ジャムやクリームチーズを持参して、いちじくとくるみのパンに塗っていただくのも◎ お土産には、山口さんが「食パン専門店にする予定だった」ほどの自信作、食パンの山パン291円を抱えて帰るべし。
パンはオープン時間にあわせて焼き上げ、売り切れ次第終了となるので、いろんな種類を味わいたいならお早めに。紙袋に入ったパンの香りを嗅ぎながら、公園へ向かう幸せがここにある!
自然豊かな公園の空気を吸い込んで、史跡も探索
武蔵国分寺公園
国分寺駅より歩いて10分、「パン屋Lingkaran」からも10分ほどの場所にある都立公園。旧国鉄の中央鉄道学園跡地に作られ、園内は多喜窪通りを挟んで、円形広場とこもれび広場の2つのエリアに分かれている。北側の円形の芝生広場はピクニックだけでなく、体を動かすのにも十分の広さ。南側のこもれび広場は木々に囲まれていて、木陰でゆったり過ごせる。それぞれの広場は、噴水や滝、野鳥や野草を観察できる森などに囲まれていて、四季折々の自然も堪能できる。犬を散歩させる人、広場でバドミントンをする人、花にカメラをむける人。休日は老若男女が思い思いに過ごし、不定期でイベントが行われていることもある。
公園の周辺には、奈良時代に建立された国分寺跡や、湧水が注ぐ小川の小径「お鷹の道」も。ピクニックでのんびりしたあとは、散策に繰り出して街ののどかな空気を吸い込んで。
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握飯屋(にぎりめしや・おにぎり)×野川公園[東小金井駅]
真心が形になった丸くて艶々のおにぎり
握飯屋(にぎりめしや)
東小金井駅から歩いて10分ほどの場所にある、地元民に愛されるおにぎり店。夫婦仲良く切り盛りし、忙しい日は2人で500個以上のおにぎりを握る。炊きたて、握りたてが信条で、米はまとめて炊かず、握るのも注文を受けてから。ランチタイムにはなるべく炊きたて30分以内に提供できるよう心がけているという。「握るのがすごく熱い」と語る夫婦の手から生み出されるのは、艶めく丸いおにぎり。わずかに湯気が残り、詰めてもらうとパックがほんのり温かく、今すぐほおばりたい気持ちになる。
実は大将は元ラーメン店店主で、開店当初からの看板メニューはチャーシュー175円のおにぎり。やわらかくほぐされタレがしみたチャーシューが、米に合わないわけがない。そのほかシャケ175円やゴマ145円などの定番も国産食材にこだわり、腕によりをかける。地元の常連さんが決まって注文するのは、月替わりと週替わりのおにぎり。迷いに迷ってたくさん買いこみ、公園でおにぎりパーティが開かれるのだ。
野川が流れる憩いの場でうららかな季節を堪能
野川公園
東小金井駅から歩いて約17分。調布市、小金井市、三鷹市の3つの市をまたぎ、真ん中に東八道路が通る広大な公園。園内の北側には国分寺から多摩川に注ぐ野川が流れている。神代植物公園、武蔵野公園などと同じく、自然を守り緑を豊かにする「武蔵野の森構想」で作られただけあって、緑にあふれ、晴れた日はうららかな陽気に浸れる。野川に沿って、植物や昆虫が観察できる自然観察センター(2023年3月末まで工事予定)があり、自然を体感しながら学ぶこともできる。
広い敷地内はほかにも、ひなたぼっこやピクニックにぴったりの広々とした大芝生の広場や、ファミリーやグループで楽しめるバーベキュー場もある。売店もあるので手ぶらで訪れても気ままに過ごせそう。桜と銀杏の木が植えてあり、春と秋は美しい景色の中を歩け、何度訪れても飽きることがない。
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Lupi 32(ルーピトレンタドゥエ・ピザ)×善福寺川緑地[阿佐ケ谷駅]
華やかな本格ピッツァを囲んで心ときめく
Lupi 32(ルーピトレンタドゥエ)
阿佐ケ谷駅前からケヤキ並木を南へ4分ほど歩いて右折すると、薪の焼ける香りが漂う一角が。香りのもとはここ「Lupi32」。四季折々の国内外の素材で作るイタリアンが評判で、シェフの志賀和真さんは数々のピッツァ職人コンテストで優勝を獲得している人物。それならばと、事前にピザを注文しておいた。クールド エ ルッコラ2640円は、モッツアレラチーズの生地に自分たちでルッコラと生ハムなどを後からのせるタイプ。春らしい色合いに、歓声が上がること請け合いだ。
ほかには、イタリアのストリートフードをおすすめしてもらった。フリッタティーナ1個330円は、ナポリのグラタンコロッケで、ほおばれば、カリッとした衣のあとにトロッとしたベシャメルソースが口の中に広がる。アランチーニ1個330円は、ライスのコロッケでトマト味とサフラン味の2種類ある。
「みんなで食べると盛り上がりますよ」と志賀さんが教えてくれたとおり、青空の下でワイワイ食べたらきっと楽しい!
心地よい川沿いを歩いて小さな冒険へ
善福寺川緑地
阿佐ケ谷駅から徒歩約25分、ご紹介した「Lupi32」からは徒歩20分弱で到着する。善福寺川沿いに広がり和田堀公園へ続く公園で、2つの公園を合わせた全長は約4.2kmにもなる。
川沿いを歩くと途中にいくつかの広場があり、遊具のある広場も点在していて、子どもたちが元気いっぱいに遊んでいる。自然豊かで川ではカルガモなどの水鳥も観察でき、都心では珍しくカワセミが見られる。約400本の桜が植えられた花見の名所としても親しまれ、時期によっては歩道がピンク色の絨毯のようになることも。春以外も、紅葉の時期が見頃の銀杏や楓、花をつける金木犀や椿などが植えられていて、四季折々で違った表情を見ることができる。いたるところにベンチがあるので、好きな場所でテイクアウトグルメを堪能。さあ、お散歩に繰り出そう。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、園内での飲食ルールについては、公園の公式Webサイトを確認してください。
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志乃多寿司(いなり寿司とかんぴょう巻き)×外濠公園[四ツ谷駅]
ジュワッと甘く、思い出がしみる老舗の味を行楽で
志乃多寿司
四ツ谷駅からしんみち通りを抜けた先にある、創業100年を超える老舗。神田志乃多寿司で働いていた祖父が暖簾分けを受けてはじまり、現在は3代目が切り盛りする。暖簾をくぐると、入り口横の水槽に亀のメカくんが人懐っこくお出迎えしてくれる。「人気者で、大人に連れられたお子さまが待っている間も一緒に遊んでくれます」と店主。
お品書きはいなり寿司とかんぴょう巻きのみで、注文すると手慣れた様子でサッと包んでくれる(いなり寿司3個とかんぴょう巻き3個の折詰め610円)。いなり寿司は甘めのコク深いつゆがジュワッとあふれ、かんぴょう巻きは口に放り込むとほんのり甘い。昔からのレシピをなるべく守っており、「懐かしい味」の一言では片付けられない奥深さがあるのだ。子どもの頃に運動会で食べた思い出や、手みやげでもらったこの味が忘れられずに訪れる人も少なくないのが、おいしさの証拠。また、外濠公園で食べるのも格別で、花見や紅葉をはじめ、季節ごとのイベントで引っ張りだこなのにも納得。100年前の人々も、行楽で志乃多寿司をほおばったりしたんだろうか。
都会の真ん中でひと休み。ふらりと立ち寄れる公園
外濠公園
中央線、総武線の隣に広がる公園。飯田橋駅、市ケ谷駅、四ツ谷駅からそれぞれ5分ほどで、江戸城の外濠に沿うように約2kmに渡って遊歩道が続く。都内屈指の花見スポットとしても知られ、並木には多くの桜が植えられている。見頃にはライトアップが行われていて、毎年多くの花見客が訪れる。
お濠をのぞいたり、電車が走る様子を眺めたり。ふらりと立ち寄って、リフレッシュタイム。周辺に大学やオフィスがあるエリアなので、学生やビジネスマンが公園でひと休みしている光景もよく見られる。市ケ谷駅近くには釣り堀もあるので、散歩がてら釣りにチャレンジしてみるのもいいだろう。都会の中にありながら、ゆるやかな空気が流れていて、心が軽やかになるスポットだ。
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あたたかな陽射しがグルメをもっと美味しく
ご紹介したテイクアウトグルメのお味は中央線をこよなく愛する編集部のお墨付きだが、青空の下で食べるとその美味しさはさらに増すはず。天気予報が晴れマークなら、ドリンクやウェットティッシュなどを持って準備万端で出かけよう。
取材・文・撮影=福井 晶
上記の情報は2022年4月現在のものです。
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