頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
阿佐ケ谷駅
ソロ飯ビギナー必見! おひとり様メニューが充実のスペインバルでおいしいディナーとワインを満喫
今夜はおいしい料理と一緒にワインを飲みたい気分。だけど、ひとりでお酒を飲む外食は少し敷居が高くて……。そう感じる人は少なくないはず。ランチ営業をしている店なら、どんな雰囲気か確かめてみることもできるけれど、ディナー営業のみの店にはなかなか入る勇気が出ない。今回訪ねた『スペインバルKocco』は、まさにそんなソロ飯ビギナーのためのような店だ。一人客も多く、おひとり様メニューが充実しているので、安心していざソロ飯!
温かくて穏やか、ひとりでも居心地が良い空間
JR阿佐ケ谷駅の北口アーケード街を抜けてすぐ左手。温かな照明に照らされた赤いひさしが印象的だ。店頭のショーケースにはテイクアウト用の惣菜が並んでいる。
扉を開けると、スペインバルらしいタイルを施したカウンターがまっすぐに延びている。その奥には調理器具が整然と並んだオープンキッチンが目に入る。
店を切り盛りしているのはオーナーシェフの深澤高徳(たかのり)さんと妻の悠(ゆい)さん。ふたりの醸し出す雰囲気がとても穏やかで温かく、居心地の良い安心感を与えてくれる。
おひとり様に優しいメニューの数々
前菜のチョイスに迷っていると、「おひとり様には、前菜3種盛り合わせ(800円)をおすすめしていますよ」と悠さんが声をかけてくれた。あれこれ食べたい、でもひとりじゃ前菜を何皿も食べられない……、そんなときにうれしい一品だ。
10種類の前菜から焼きなすマリネとワカサギ南蛮漬け、鶏レバーパテを選択する。そして本日の1杯目はフルーティで飲みやすい自家製サングリアに決定!
マリネや南蛮漬けはさっぱりと口開けにちょうど良い味付けで、サングリアがよく進む。鶏レバーはシェリー酒に漬け込み臭みを消しているそう。丁寧に下処理されているのでとても食べやすく、レバーが苦手な人にもおすすめだ。
マリネや南蛮漬けはさっぱりと口開けにちょうど良い味付けで、サングリアがよく進む。鶏レバーはシェリー酒に漬け込み臭みを消しているそう。丁寧に下処理されているのでとても食べやすく、レバーが苦手な人にもおすすめだ。
前菜に続いてオーダーしたのは、スペインとフランスの国境近くにまたがるバスク地方の名物エビのブロチェッタ(2本680円)。店のオープン前、スペインに視察旅行に行った際に出合った本場の味を再現した料理だ。プリッとしたエビの上にトッピングしているソースは、タマネギやパプリカ、ニンジンなどの野菜にオリーブオイル、白ワインビネガーを加えてミキサーにかけ、ハチミツを隠し味にしているそう。
どうやって食べようかと思案していると「まずは串を召し上がっていただいて、その後にバゲットを楽しむのが本場のスタイルなんですよ」と悠さんからの助け船。そのさり気なさが嬉しい。早速、串を手にしてみると、バゲットにエビの旨味とソースが染み込んでいる。なるほど、アヒージョのような楽しみ方があるようだ。
今回は2本セットでオーダーしたが、お願いすれば1本での提供も可能だそう。また、他のメニューも少量での提供に対応できるものが多いそうなので、気になるメニューがあれば、ぜひご相談を。
どうやって食べようかと思案していると「まずは串を召し上がっていただいて、その後にバゲットを楽しむのが本場のスタイルなんですよ」と悠さんからの助け船。そのさり気なさが嬉しい。早速、串を手にしてみると、バゲットにエビの旨味とソースが染み込んでいる。なるほど、アヒージョのような楽しみ方があるようだ。
今回は2本セットでオーダーしたが、お願いすれば1本での提供も可能だそう。また、他のメニューも少量での提供に対応できるものが多いそうなので、気になるメニューがあれば、ぜひご相談を。
本格的なスペイン料理をワインと共に心ゆくまで
今夜メインに選んだのは、高徳さんが店に来て最初に仕込みを始めるという豚バラ肉のサングリア煮込み850円。赤ワイン煮込みの料理にはよく出合うけれど、サングリアで煮込む肉料理というのは珍しい。「昨日も女性ひとりのお客様が3名来られたのですが、そのうちのおふたりはこのサングリア煮込みを召し上がっていたんですよ」(高徳さん)というほどの人気メニューだ。
4時間ほど煮込んでトロトロに仕上げた豚バラ肉は、サングリアのベースとなる赤ワインの風味に加え、オレンジの酸味が利いていて爽やかな食後感が印象的。バラ肉の脂の甘みとも相性が良く、バランスの良い味わいだった。
今回は前菜盛り合わせからメインまでをグランドメニューの中から選んだが、実はひとりからオーダーできる2000円のミニコースも用意されているのだとか。どこまでおひとり様に優しい店なのか! ここに来れば「ひとりだと心細い……」、そんな気持ちもきっと吹き飛んでしまうだろう。
リーズナブルなミニコースもおすすめ!
ミニコース「Koccoのひととおり」は、前菜2種からメインの煮込みまで、全6品で2000円と良心的。Koccoの味を知って欲しいという思いから、店の代表的なメニューで構成している。メニューに迷ったら、まずはこのコースから始めてみるのもおすすめだ。
DATA
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2023年2月現在のものです。
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