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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!
川井駅
手ぶらでさくっとアウトドア! 川井駅で紅葉デイキャンプを楽しもう
秋晴れが心地よく、木々が色づき始めるこの季節。紅葉を観に行くのもいいけれど、せっかくだからアクティブにアウトドアなんかもしてみたい。そんな願望を叶えてくれる場所が、実は川井駅周辺にはあるのだ! 今回は、キャンプ初心者のふたりを誘い、昼食を食べた後、午後の時間で「手ぶらで紅葉カフェキャンプ」に挑戦する。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
JR中央線新宿駅から約1時間30分・立川駅から約1時間で川井駅に到着。駅を出て「川井交差点」を北方向へ徒歩約30分で『釜めし なかい』へ。もしくは西東京バス「清東橋」もしくは「上日向」行き約5分の「南平」下車徒歩すぐで着くが、本数は少ないので注意が必要だ。食事を終えたら川井駅方面まで戻って奥多摩大橋を渡り、階段を下りて『川井キャンプ場』の受付へ。全体的に歩く道は舗装されているが、デイキャンプ場は河原があるので、スニーカーなどを履いていこう。また、帽子や羽織るもの、虫よけ、水分も忘れずに。お手軽キャンプなので、マイボトルでホットコーヒーなどを持参するのもおすすめ。飲み物はキャンプ場でも購入できる。
1.
釜めし なかい[川井駅/釜めし屋]
古民家の風情を感じながら、絶品釜めしに舌鼓
川井に着いたら、まずは昼食を。駅から大丹波川沿いに北上した山中に、立派な庭を備えた古民家が。この地で30年以上も商いを行っていて、開店時間前からお客が列を成す人気店だ。早めに着いておきたい。
「もとは、祖父・万次郎が戦後すぐに建てた家で、私にとっては生家です」とは、2代目店主の宮野啓一さん。店を開業したのは、初代である父・洋一さんと、その兄弟だ。「父はこの家の風情が好きで、どうしても店をやりたかったそう。祖父が入院した隙をみてお店にしてしまったんです」と、啓一さんは笑う。万次郎さんは退院後、たいそう驚きはしたものの、彼ももともとこの地でニジマス釣り場を切り盛りしていた商売人。しっかり洋一さんの兄弟とともに店をサポートし、店は口コミで徐々に軌道に乗っていったという。
定番や季節ものを合わせて数種類の釜めしが品書きに並ぶが、看板メニューはきのこ釜めし1650円だ。蓋を開けると、湯気とともにたっぷり入ったキノコのふくよかな香りがふわっ。口に運べば、出汁と醤油の風味がしっかり染み込んだもちもちのコシヒカリの風味に、思わず顔がほころぶ。また、アツアツの水炊きが付くのは、洋一さんが修業した奥多摩釜めしスタイル。レモンを搾ってすすると、凝縮された鶏肉と野菜の旨味にほっこり。プリップリの自家製こんにゃくのサッパリした後味も心地よく、次のひと口に誘われる。また、写真の甘味は夏季限定の抹茶プリンだが、秋以降は創業時から人気のゆで饅頭が付く。
季節の草花で彩られた庭を眺めながら、ゆったりとした昼のひと時を味わおう。
季節の草花で彩られた庭を眺めながら、ゆったりとした昼のひと時を味わおう。
DATA
大丹波川国際虹ます釣場[川井駅/釣り場]
渓流沿いでニジマス釣り&紅葉スポット
『釜めし なかい』を出たら、すぐ近くの『大丹波川国際虹ます釣場』へ。紅葉も楽しめるスポットで、毎年紅葉祭りを行っていて、今年は11月6日~8日に開催。渓流沿いを鮮やかな赤や黄色の葉が彩る。受付施設の隣のテラスは釣りをしない人でも使えるので、休憩がてら紅葉狩りを楽しむのもアリだ。
DATA
2.
川井キャンプ場[川井駅/キャンプ場]
手ぶらで来て、手ぶらで帰れるお手軽キャンプ!
渓流の音を聴きつつ再び川井駅方面に戻ったら、奥多摩大橋を渡り、橋の下にある『川井キャンプ場』へ。自然に囲まれたロッジ、ログハウス、バンガローでの宿泊も魅力的だが、今回は日帰りの河原デイキャンププラン1人1000円で、午後のひと時をゆったり楽しむ!
受付の奥にある売店では、鍋やフライパン、チェア、テーブルといった機材のレンタルや、薪、炭などの資材、食材、飲み物などの購入ができる。さらに、トイレやゴミ捨て場も完備しているので、手ぶらで来ても目いっぱいキャンプを楽しめる。今回は初心者でも簡単にできる(と、勝手に思っている)火おこしをして、マシュマロを串に刺して焼き、スモアをつくる!
入手したのは、スモアセット500円、薪1束600円、着火剤(小)200円、軍手一組10円、チャッカマン300円。さらに、アウトドアチェア500円、アウトドアテーブル1000円を1人ずつレンタル。本当に手ぶらで来ても、全て揃ってしまった。
いざ、火おこしのとき! 果たして、うまくいくのだろうか……。
いざ、火おこしのとき! 果たして、うまくいくのだろうか……。
四苦八苦しながら薪を組み、着火剤に点火! すると、薪にすぐ火が移り、すぐさまメラメラと大きな焚火に。もっと苦戦するかと思っていたので、ホッとひと息。マシュマロを焼くには強すぎるので、炭の状態になるまで、しばし様子見。
火が少し落ち着いたら、いよいよスモア開始だ。串に刺したマシュマロを焚火にそっと近づけると、じわじわと焦げ目が付き始めた。「やった!」と、喜びに顔がほころんだのも束の間。熱にやられてマシュマロが溶け始め、串から落ちそうに。すんでのところでクラッカーでキャッチし、なんとかスモアが完成。すぐさまかじりつけば、パリパリのクラッカーの合間から、トロトロのマシュマロが口中に飛び込んできて、甘~い!
持参したコーヒーを注いで、ゆったりチェアリング。時折薪をくべて火を眺めたり、マシュマロを焼いたりしながら、川のせせらぎや木々の葉擦れをBGMにゆったり過ごす。対岸の山肌に見える川井駅へ列車が滑り込む様も、なかなかどうして風情アリ。都会の喧騒を離れ、どこか広く感じる空の下、「何もしない時間」を満喫しよう。
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上記の情報は2021年9月現在のものです。
※料金・営業時間・休園(館)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。