頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
高円寺駅
プチ贅沢な時間を過ごすなら、ワインとの相性抜群な高円寺のビストロ料理で
高円寺パル商店街に並行して伸びる細い路地。小さな店が軒を連ねる中、『フランス食堂 ビストロ ラポムドパン』のウッドテラスが目に入る。賑わいを見せる高円寺の夜、一人ふらりと入るなら、アットホームな風情が嬉しいもの。職人気質のシェフの料理と、ギャルソンのさりげない気配りに、徐々に気分が上がってくる。
路地裏の灯りに誘われ、小さなビストロへ
野方で2007年に創業したビストロが、高円寺に店を移したのは2018年。温かな灯りに浮かぶウッドテラスがオープンな雰囲気だ。
店内は木造りの小粋な風情。テーブル席のほか、カウンター席もある。
のっけからワインが進む前菜のスターたち
メニューを開くと、気になる前菜がずらり。迷ったら、ビストロ前菜盛り合わせがいい。通常2人前2200円だが、ハーフ1210円もある。また、ワインはフランス産ナチュールを中心に揃え、グラスワインは825円〜。
「最初は、スパークリングなんてどうですか?」
ギャルソンの勧めに応じて、弾ける泡を楽しんでいると、ほどなく前菜が登場した。木皿の上には、ラタトゥイユ、季節のキッシュ、やさしい酸味のイカとセロリのレモンマリネ、まろやかなサツマイモとリンゴ、ブルーチーズのサラダなど、目が喜ぶ料理の数々。フォアグラを取り出したマグレ鴨の自家製生ハムやパテドカンパーニュは、ワインと合わせると深みのある旨味が口中に広がっていく。
「最初は、スパークリングなんてどうですか?」
ギャルソンの勧めに応じて、弾ける泡を楽しんでいると、ほどなく前菜が登場した。木皿の上には、ラタトゥイユ、季節のキッシュ、やさしい酸味のイカとセロリのレモンマリネ、まろやかなサツマイモとリンゴ、ブルーチーズのサラダなど、目が喜ぶ料理の数々。フォアグラを取り出したマグレ鴨の自家製生ハムやパテドカンパーニュは、ワインと合わせると深みのある旨味が口中に広がっていく。
名物ハンバーグの贅沢っぷりを堪能!
メインには、その名も「フォワグラがとろーり溶け出す黒毛和牛ハンバーグ トリュフ赤ワインソース」2640円を。ハンバーグがなぜビストロに? と思うが、「ステック・アッシェ、ビトックなど、ハンバーグ的な料理もフランスにあるんです。こちらは赤ワインを合わせてみてください」。
シェフの布施哲郎さんは、ホテルやハンバーグ専門店で腕を磨いた職人肌。牛肉7:豚肉3の朝挽き合挽き肉を塩としっかり練り上げて肉の旨味を凝縮させ、何度も温度を確かめながらじっくり焼き上げている。
シェフの布施哲郎さんは、ホテルやハンバーグ専門店で腕を磨いた職人肌。牛肉7:豚肉3の朝挽き合挽き肉を塩としっかり練り上げて肉の旨味を凝縮させ、何度も温度を確かめながらじっくり焼き上げている。
ナイフを入れた途端、肉汁が溢れ、中に忍ばせたフォアグラがお目見えした。口に運べば、粗挽き肉がほろりとほどけ、飴色タマネギの甘みとまろやかなコクに恍惚とする。さらに、トリュフの赤ワインソースと肉のエキスが揚げナスとマッシュポテトに染み込み、旨味が重奏的だ。
「フランス各地の煮込み料理も看板なんですよ」とは、フレンチ歴25年のオーナー・松本陽介さん。ブルゴーニュ地方の料理・牛ほほ肉の赤ワイン煮のほか、冬は南西部の豆料理・カスレ、春はアルザス地方のシュークルートなど、季節ごとの味も楽しみだ。
締めのスイーツ、何と合わせる?
ふと、レジ脇で出番を待つバスクチーズケーキ660円に目が釘付けになり、思わず注文。とろ〜りなめらかな口どけの後、ほのかな酸味をまとった濃厚さは、ワインとも相性抜群。コーヒーと締めようと思っていたが、もう一杯、いただいてしまおうか。
心温まる料理と風情に、また出かけたくなる。
濃厚なソースやチーズケーキはしつこさがなく、料理はどれもやさしい後味に驚かされる。ナチュールワインとともに味わえば、香りはふくらむばかり。また、絶妙なタイミングで話しかけてくれるギャルソンの気配りにも脱帽。プチ贅沢な心地を楽しみたい。
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=オカダタカオ
DATA
上記の情報は2021年11月現在のものです。
※年末年始の休業日は省略しています。
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※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。