頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
国分寺駅
玄米と野菜中心の「実家ごはん」で、心も体もリセット
仕事が忙しかったり、家事に疲れてしまったりした時に、ソロ飯で気分転換はいかが? でも、外食が増えると野菜不足になりがちなのが悩ましいところ。それにヘルシーな外食ディナーって、体にいいけれど薄味だったり量が少なかったり、ちょっと物足りなく感じるイメージがあるかも。そんな時におすすめなのが、今回ご紹介する『でめてる』。野菜中心の家庭料理だけど、なんと副菜が5〜6種類。バランスよく多くの食材を摂れるので、満足度も満腹度も高いはず。もしかしたら、自炊より健康的かも!?
創業40年以上の“ソロ飯歓迎”レストラン
国分寺駅北口の駅前通り「本町二丁目」の交差点周辺は、個性豊かな飲食店やバーが集まるエリア。型にはまらない国分寺らしさが残る一角に店を構えているのが『でめてる』だ。店頭には植木鉢が並び、ナチュラルな雰囲気が漂っている。
「女性ひとりでも安心して食事ができる店を」との思いで、店を立ち上げたのが1982年。40年以上前のことだ。「今でこそ女性ひとりでも入りやすい店は増えたけれど、開店した頃は『女性がひとりで外食なんて』という雰囲気があってね。こういう店がほとんどなかったの」と教えてくれたのはこの店を切り盛りする女性オーナーだ。
店の中央には大きな8人掛けのテーブルがあり、他にも4人掛けが2つ。大テーブルは椅子の間隔もゆったりと取られているので、ひとりで訪ねても気兼ねなく食事を楽しむことができそうだ。店の歴史をそのまま表現したようなレトロな雰囲気が温かい。
大テーブルの奥にはさまざまなジャンルの書籍が並ぶ本棚。混雑時でなければ、のんびりとひとり時間を楽しむことができるだろう。
おかずの量が変動する多彩な定食メニュー
メニューを見ると複数の定食が並んでいる。日替わりのおかず5品と漬物、玄米ご飯と味噌汁のセット「でめてる定食」が1300円。1品少ないのが「玄米定食」1100円。このあたりが定番人気のラインナップだ。
軽く済ませたいなら、玄米ご飯と味噌汁に、ひじき煮と漬物がついたシンプルセット550円もある。ここから味噌汁を大きくしたり、納豆をつけたり。お腹の空き具合に合わせてチョイスできる。
軽く済ませたいなら、玄米ご飯と味噌汁に、ひじき煮と漬物がついたシンプルセット550円もある。ここから味噌汁を大きくしたり、納豆をつけたり。お腹の空き具合に合わせてチョイスできる。
日替わりのおかずは店頭と店内の黒板に記されている。野菜だけでなく、こんにゃくや大豆(おから)、ひじきなど、バランスよくさまざまな種類の食材が摂れるのが嬉しい。
今回オーダーしたのは「でめてる定食」。これだけのおかずを自宅で一度に作ろうと思ったらちょっと大変。そう考えると、外食でこの品数を頂ける機会はとても貴重だ。
この日の「車麩のフライ」のように、メインは揚げ物などボリュームのあるメニュー。しっかりとお腹を満たしてくれる。
使用している野菜は、主に山梨、茨城、東京など、知り合いの生産者から直接取り寄せているという。野菜は泥付きの新鮮なものを仕入れているのだとか。ひと手間をかけることが、料理の味をより引き立てるスパイスになっているのだ。
使用している野菜は、主に山梨、茨城、東京など、知り合いの生産者から直接取り寄せているという。野菜は泥付きの新鮮なものを仕入れているのだとか。ひと手間をかけることが、料理の味をより引き立てるスパイスになっているのだ。
「でめてる定食」だけについてくる5品目のおかず。この日のメニューは「おからのマヨネーズサラダ」。マヨネーズを使いながらもさっぱりとした一品だった。
「うちで提供しているのは家庭料理の延長。旬の野菜を取り入れて、化学調味料や添加物など余計なものは一切入れずに手作りしています」
「うちで提供しているのは家庭料理の延長。旬の野菜を取り入れて、化学調味料や添加物など余計なものは一切入れずに手作りしています」
玄米は山形県酒田市で有機無農薬のアイガモ農法で生産されたもの。プチリプチリと食感がよく、香ばしさも格別だ。
味噌は特別栽培の国産大豆と天日塩を原料としたもの。この日使われていたのは玄米味噌だった。
「お客様はほとんどが1名か2名でいらっしゃいます。女性ひとりでも安心して食事ができる店というコンセプトは、開店当初から変わらない思い。安心な食材を使った料理を用意していますから、気軽に食べに来ていただきたいですね」。
自然と向き合いながら丁寧に作られた定食は、素朴だけどバランスの良い家庭の味。故郷に帰った時の「実家ごはん」のような温かさにあふれていた。
「お客様はほとんどが1名か2名でいらっしゃいます。女性ひとりでも安心して食事ができる店というコンセプトは、開店当初から変わらない思い。安心な食材を使った料理を用意していますから、気軽に食べに来ていただきたいですね」。
自然と向き合いながら丁寧に作られた定食は、素朴だけどバランスの良い家庭の味。故郷に帰った時の「実家ごはん」のような温かさにあふれていた。
店名の由来は大地の母・豊穣の女神
店名の「でめてる」はギリシア神話の神・デメテルに由来。穀物の栽培を人間に教えたとされ、豊穣の女神としても知られている。店頭には女神をモチーフにしたイラストの看板が掲げられているので、こちらもぜひチェックしてみて。
DATA
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2023年5月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。