鳩ノ巣駅から清夏のウォーキング・トレイル

　せせらぐ水音、水しぶき、緑からこぼれる陽光など、体感温度がググッと下がるスポットが奥多摩にある。「大多摩ウォーキング･トレイル」は、古里駅〜奥多摩駅の全長約８kmの行程だが、鳩ノ巣駅〜白丸駅の区間はかなりお手軽なコースだ。
　まずは鳩ノ巣駅すぐのカフェ『山鳩』で腹ごしらえを。青梅の無農薬栽培野菜を仕入れ、名物のハヤシライスのほか、クロワッサンサンドやケーキも用意。山荘も営む店主一家は地元情報にも精通し、頼りになる存在だ。
　歩き出すと間もなく鳩ノ巣小橋だ。吊り橋にテンションが上がり、ダイナミックな鳩ノ巣渓谷に見惚れ、龍に似た流木に心が躍る。ゴツゴツの岩場や急峻な坂道を越え、白丸ダムでは都内唯一で長さ約３３２mの魚道も望める。その先の白丸湖畔遊歩道は昨年の台風被害で整備中ゆえ、街道で白丸駅へ。駅近の『四季の家』も見逃せない。『奥多摩の風 はとのす荘』の料理長が丹精したピクルスの麗しいこと。ミニトマト、スイーツピクルスなど、奥多摩産旬味がすがすがしい酸味で、さらなる涼を呼ぶ。