友人や家族など大切な方と会うときは、中央線沿線ならではの手みやげを持っていこう。
地元の素材を取り入れていたり、その土地の個性が表れていたりと、中央線の手みやげには地域の話題がたくさん詰まっている。そんな一品を持参すれば、あなたが暮らす街の話題で盛り上がるかも。
中央線沿線にお住まいの方、中央線をよく利用される方必見の連載。
高尾駅
高尾で手みやげを買うなら、サクサク感にこだわったパイ/高尾山の紅葉をモチーフにした瓦せんべいはいかが?
中央線快速や中央特快の終着駅である八王子市の高尾。街の象徴・高尾山は、ミシュランガイドで三つ星の観光地にも選ばれた登山の名所だ。でも高尾の魅力は、高尾山だけではない。駅周辺には飲食店や商業施設がそろい、少し歩けば自然豊かでのどかな街並みが広がっている。のんびり散策も楽しい街なのだ。しばらく会っていなかった友人の顔が浮かんだら、高尾の手みやげと一緒に高尾散策の思い出を届けにいこう。
どこから食べてもサクサク食感の手作りパイ
ことら [パイ専門店]
2023年5月にオープンしたパイの専門店。 「パイの醍醐味は何といっても生地のサクサク感。ホールをカットして販売されることも多いけれど、それだとサクッとした生地の食感を楽しめる部分が少なくて。だからうちでは食べきりサイズにしています」と話すのは、店主の中尾龍亮(りょうすけ)さん。小麦粉は薄力粉と強力粉を独自配合でブレンド。発酵バターを織り込んで、サクッとした口当たりや香ばしさが引き立つように焼き上げている。
カスタードパイ350円やボロネーゼパイ430円、一口サイズのチョコアーモンドクリームパイ390円は定番商品。他にも八王子の農家直送のイチゴで作ったジャムや北海道産のカボチャ、秋田から届くイチジクなど、季節の味覚を取り入れたパイが順次登場。冬期はアップルパイ(11月初旬より翌6月頃まで)も販売される。中に詰めるフィリングもほとんどを店内で手作り。素材のブランドにこだわることよりも、手間暇をかけて調理して素材のおいしさを引き出すことが信条だ。
『ことら』という店名は、ふたりの息子さんの名前から取ったという。店のキャラクターになっているのは息子さんが描いたトラの絵。軒先の看板には、ともに店に立つ奥さまが手がけたパイのイラスト。家族の温かさが詰まったパイは、友人とのひとときにも優しい時間を紡いでくれるだろう。
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一枚一枚手焼きする懐かしい味の瓦せんべい
有喜堂支店[和菓子]
1935年(昭和10)創業。現在は4代目を受け継ぐ米山敬司さんご夫婦が両親とともに店を切り盛り。代々続く町のお菓子屋さんとして、お団子や麩まんじゅう、練り切りなど日常の和菓子を中心に、お赤飯から、あげパン、ロールケーキまで幅広いラインナップが店頭に並ぶ。
手みやげに人気なのは、高尾せんべい1袋600円。高尾山の紅葉をモチーフにした瓦せんべいだ。一般的にイメージする瓦せんべいよりもソフトな歯触りでパリッとして食べやすい。頬張れば口の中にふわりと広がる甘い香りと卵の風味。どこか懐かしい味わいに、ついついもう一枚と手が伸びる。また、日持ちする一粒栗万頭250円もおすすめだ。その名の通り、栗の甘露煮がまるまる一粒。店内で炊き上げた白餡とともに生地に包まれている。
和菓子と並んでショーケースに陣取るあげパンも人気商品だ。数年前、店の掃除をしていた際にたまたま創業当初に記されたレシピが見つかったのだとか。そのレシピを使って再現。生地は焼かずにそのまま油で揚げるスタイルで、中にはホイップクリームがたっぷり。プレーンのほかに、コーヒーやチョコ、キャラメル風味のクリームなどもあるので1種類ずつ買って食べ比べるのも楽しそうだ。
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取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2023年10月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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