
頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。

飯田橋駅
“火入れの1秒”にこだわる、究極のカルボナーラを召し上がれ!
美食の街として知られる飯田橋〜神楽坂エリア。たくさんのレストランや雑貨店が軒を連ね、にぎわいを見せるメインストリート・神楽坂通り以外にも、個性豊かでこだわりにあふれたグルメスポットが点在している。
今回訪ねたのは『カルボナーラ専門店HASEGAWA 神楽坂』。数あるパスタメニューの中でも、カルボナーラに特化したユニークな人気店だ。
風雅な街の裏路地に佇む大人空間

今回の目的地は神楽坂下の交差点から神楽坂通りの坂道を200mほど歩き、左手の路地に入って30mほど。

この辺りは昔からの伝統芸能が息づくエリア。道沿いには、花柳界の芸妓衆の手配やお稽古をする事務所「見番(けんばん)」があることから、見番横丁と呼ばれている。どこからか三味線のお稽古の音色が聞こえてきた。そんな趣のある雰囲気を楽しめるのもこのエリアの大きな魅力だ。


立て看板を目印に、階段を下りて地下1階へ。ガラスの扉を開けると、シックで落ち着いた雰囲気の店内につながっている。

オープンキッチンと対面するようにカウンター席も用意されている。料理を作るスタッフの姿を眺めながら、ディナータイムの始まりを待つのも楽しいひとときだ。
カルボナーラ愛にあふれ、専門店を開業!

店主を務めるのは、「日本で誰よりもカルボナーラにこだわり、食べて、作ってきた自信がある」と胸を張る長谷川浩平さん(写真左)。
「母の影響で、子供の頃からよくイタリアンの店に連れて行ってもらいました。その頃から、いつもカルボナーラを食べていましたね。それがこの店の原点なんです」。
元々イタリアンレストランで腕を振るっていた長谷川さん。縁あって吉祥寺で日曜のランチだけの営業を始めると、めずらしいカルボナーラの専門店は評判を呼び、多くのファンを獲得した。
その後、飯田橋に移転し、ランチ営業のみでスタートしたが、やがてディナーにも展開。グルメな大人が集まる街でも、カルボナーラ1本で勝負するこの店は話題になった。
「母の影響で、子供の頃からよくイタリアンの店に連れて行ってもらいました。その頃から、いつもカルボナーラを食べていましたね。それがこの店の原点なんです」。
元々イタリアンレストランで腕を振るっていた長谷川さん。縁あって吉祥寺で日曜のランチだけの営業を始めると、めずらしいカルボナーラの専門店は評判を呼び、多くのファンを獲得した。
その後、飯田橋に移転し、ランチ営業のみでスタートしたが、やがてディナーにも展開。グルメな大人が集まる街でも、カルボナーラ1本で勝負するこの店は話題になった。
実は超繊細⁉︎ カルボナーラの意外な一面

カルボナーラの主役はなんと言ってもまずは卵。完全にしっかりと火を通す料理ではないため、卵の鮮度には特にこだわっているという。鮮度に加え、サイズが大きくコクがあるものを厳選し、毎朝、専門業者から取り寄せている。平均でも200個、多い時には300個を超えることも! HASEGAWAの朝は、この大量の卵を割ることから始まるのだ。
チーズはイタリア産のハードチーズ「グラナ・パダーノ」を使用。パルミジャーノよりもまろやかで合わせやすく、最後まで重たくなりすぎない仕上がりになるという。そして、ベーコンはジューシーな豚バラで、ゴロッと豪快にトッピングされる。こちらも1日に20㎏近く仕入れるそうだ。また、パスタは生麺。最後まで重たくならないよう、もちもちし過ぎず、太すぎない麺を選んでいる。
日本ではカルボナーラに生クリームを用いることも多いが、この店では使用しない。そのうえ特徴的なのが、昆布や鰹節の出汁を隠し味に使っていることだ。ほんのり感じる出汁の旨味と香りは、イタリアンに日本の風合いを加えてくれる。
カルボナーラはとてもシンプルに見えるが、実はとても繊細だという。「火入れの時間が1秒、チーズの量が数g変わるだけで、味わいがまったく違ってしまう。このポイントを見極めるのが難しいんです」と長谷川さん。せっかく良い素材を集めていても、最後の1秒の判断ミスで台無しになってしまうのだとか。
チーズはイタリア産のハードチーズ「グラナ・パダーノ」を使用。パルミジャーノよりもまろやかで合わせやすく、最後まで重たくなりすぎない仕上がりになるという。そして、ベーコンはジューシーな豚バラで、ゴロッと豪快にトッピングされる。こちらも1日に20㎏近く仕入れるそうだ。また、パスタは生麺。最後まで重たくならないよう、もちもちし過ぎず、太すぎない麺を選んでいる。
日本ではカルボナーラに生クリームを用いることも多いが、この店では使用しない。そのうえ特徴的なのが、昆布や鰹節の出汁を隠し味に使っていることだ。ほんのり感じる出汁の旨味と香りは、イタリアンに日本の風合いを加えてくれる。
カルボナーラはとてもシンプルに見えるが、実はとても繊細だという。「火入れの時間が1秒、チーズの量が数g変わるだけで、味わいがまったく違ってしまう。このポイントを見極めるのが難しいんです」と長谷川さん。せっかく良い素材を集めていても、最後の1秒の判断ミスで台無しになってしまうのだとか。
こだわり抜いたカルボナーラをディナーコースで堪能

そんな究極のカルボナーラを堪能するなら、前菜とバゲット、ドルチェ、ドリンクがついたディナー限定の「HASEGAWAおすすめ選べるコース」3980円がおすすめだ。

まずは前菜。取材時には旬を迎えたカツオのカルパッチョをチョイスした。
他にもグラタンやガーリックオイル煮、カプレーゼなど、ラインナップも幅広い。中でも酸味や油を加えずに作ったオリジナルドレッシングで味わうサラダは、お酒のつまみにもなると好評だとか。
他にもグラタンやガーリックオイル煮、カプレーゼなど、ラインナップも幅広い。中でも酸味や油を加えずに作ったオリジナルドレッシングで味わうサラダは、お酒のつまみにもなると好評だとか。

カルパッチョはもちろん、カルボナーラとも相性のよい白ワインも同時にオーダー。

メインは初めての人におすすめの「王道ベーコンのカルボナーラ」。卵のコクにベーコンの塩気と出汁の旨味が合わさり、麺に滑らかに絡む。長谷川さんがこだわり抜き、1番美味しいと感じる瞬間を閉じ込めた究極のカルボナーラが堪能できる。

最後はすべて店内で丁寧に手作りしているというドルチェ。4種類の中から、今回は紅茶アールグレイのパンナコッタをチョイスした。アールグレイの爽やかさが心地よい食後感を演出してくれる。

普段、何気なく食べていた定番のパスタが、突き詰めればこんなにも繊細なのかと驚くばかり。店内に掲げられたカルボナーラへの想いを感じながら、ぜひ味わってみてほしい。
ユニークな素材を掛け合わせたカルボナーラメニュー
ベーシックな「王道ベーコンのカルボナーラ」以外のラインナップは5種類。「試していない素材はないんじゃないかと思うほど、さまざまな組み合わせで試作した」という中から厳選されたメニューは、トマトソース(ディナー限定)やジェノベーゼなどのイタリアンテイストのものから、隠し味の出汁との相性がよい山椒や生わさびといった和素材でアレンジしたものも。さっぱりとしたレモンも夏に食べたい一皿だ。
さらに、旬の素材などを取り入れ、季節感を演出するシーズン限定の「HASEGAWAの季節限定カルボナーラ」もラインナップ(「HASEGAWAおすすめ選べるコース」で季節限定カルボナーラを選ぶ場合は+200円)。
取材・文・撮影=篠原美帆
上記の情報は2025年6月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。