お酒と料理 えいよう

　やわらかな灯りが引き立てるのは、L字に置いた古材のカウンター席。席に着けば、積み重なる食器の向こうで、店主の清水峰夫さんが支度に取りかかる。メニューは日替わりの旬菜揃い。基本２人前の量だが、たいてい２００円引きで１人前に変更可能だ。迷ったら、おひとりさまだけが頼める３種盛り合わせを。「苦手なものを教えていただければ、こちらで見立てますよ」　
　西荻窪『たべごと屋のらぼう』思わず頬が緩む旬菜の数々と古木のカウンターで和むひとときから独立して４年前に開業。近隣で仕入れる食材の香りや風味をシンプル＆丁寧に引き出し、サツマイモとブルーチーズなど、意外な組み合わせ、調理法にもうなる。なかでも、白味噌を用いた酢味噌は角の取れたまろやかさで、ホタテの刺し身にコクを足すだけでなく、イチジクの天ぷらと味わうとカスタードのごとく甘みを際立たす。萬古焼（ばんこやき）の土鍋で炊く農家直送米はしっかり粒が立ち、ふっくら。締めに最強だ。