プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう！

高麗神社で不定期に公開される高句麗衣装。

高麗川駅

第8回

高句麗（こうくり）の王族と渡来人が切り拓いたのどかな里へ

コリアン香る里へ

朝鮮半島で将軍標（チャングンピョ）と呼ばれる魔除けの境界標が駅前でお出迎え。
高麗川流域を中心にコリアン文化が根付くのは、天智７年（６６８）の高句麗滅亡が発端。その２年前に高句麗は外交使節団を大和朝廷に派遣、そのなかには王族の若光（じゃっこう）もいたという。その後大和朝廷は現・埼玉県日高市を中心とした地域一帯に高麗郡を創設。朝廷より赴任した若光は初代郡長となり、関東平野より移住した高句麗人と共に高麗郡を開拓した。
まずは、若光を御祭神に祀り、末裔の高麗家が60代にわたり護り継ぐ高麗神社へ。皇族や政治家の参拝も多く、出世開運の評判も高し。年間行事も多彩で厄除うちわも見逃せない。また、聖天院は若光の菩提寺。本殿脇で若光像が今も高麗の穏やかな里を見守っている。高麗川へ向かえば遊歩道が伸び、清流橋近くに若き渋沢栄一が江戸を目指して歩いた古道も残る。ほっとひと息つくなら、川べりのテラス席が心地いい『阿里山カフェ』へ。米国と台湾出身の夫妻が営むオーガニックカフェでは香りと効能に癒やされるハーブティーや、旨味濃厚なベジバーグを。英気を養ったら巾着田（きんちゃくだ）、日和田山を巡るのもおすすめ。

聖天院の山門天井に龍・鳳凰が。

天保元年〜天保3年（1830〜1832）完成の聖天院山門は瓦葺総欅の木造二層楼閣。

高麗神社に韓国人彫刻家作のアートな将軍標が。

『阿里山カフェ』のベジバーガープレート1400円はナッツ、キノコ入り。お好み2種をブレンドしたハーブティー450円と。

『阿里山カフェ』の隣にはオーガニック食材を扱う店も。

高麗川沿いの遊歩道。

DATA

JR川越線・八高線高麗川駅から高麗神社･聖天院へは徒歩約25分、カワセミ街道を経て高岡橋まで約10分、高麗川遊歩道へ。
さらに西に向かえば巾着田、阿里山カフェに至る。スニーカー必須。少ない本数だが高麗川～巾着田のバスもあり。

高麗神社◎受付8時30分〜17時　
電話番号：042-989-1403

聖天院◎8時〜17時、拝観料300円。
電話番号：042-989-3425

阿里山カフェ◎11時30分〜17時30分
LO（月は15時30分食事LO）、火･水休。
電話番号：042-982-4823