- トップ
- 連載
- 晴れの日、中央線神社さんぽ
- ブレスレットタイプのお守りが人気、太陽の神様を祭る阿佐ヶ谷神明宮
御朱印やかわいらしいお守りが目当ての神社巡りが趣味という人が増加中。神社はそれぞれに伝わる由来があり、街の歴史との関係も深い場所だ。神社からお散歩をスタートすると、何度も訪れている駅も、初めて降りる駅も、これまでとは違う景色が見えてきそう。
気分も晴れ晴れ、中央線から神社さんぽに出かけよう!
阿佐ケ谷駅
ブレスレットタイプのお守りが人気、太陽の神様を祭る阿佐ヶ谷神明宮
阿佐ケ谷駅から徒歩でわずか2分とアクセスのいい阿佐ヶ谷神明宮。約3000坪という広い境内は巨木が作る日陰も清々しく、同時に整然とした雰囲気が漂う。鎌倉時代に創建された歴史の古い鎮守様は、厄除け祈願でも有名。ここ数年は遠方からもお参りに訪れる人が増えている。
屋根の装飾にも注目! 兄弟の神が祭られる拝殿奥の3つの社
伊勢神宮との関係が深い阿佐ヶ谷神明宮では、拝殿の奥には本殿があり、その左右にも社がある。祭られている神様は、中央の社が伊勢神宮と同じ太陽神の天照大御神(アマテラスオオミカミ)、右には月の神様、月読命(ツクヨミノミコト)、左には海の神様、須佐之男命(スサノオノミコト)の神々だ。
ご神体は伊勢神宮のそばを流れる宮川にあった霊石とされる。鎌倉時代に伊勢参りをした阿佐ヶ谷の村人が神の啓示を受けて持ち帰り、さらに古くからあった社に納めたのだとか。
ご神体は伊勢神宮のそばを流れる宮川にあった霊石とされる。鎌倉時代に伊勢参りをした阿佐ヶ谷の村人が神の啓示を受けて持ち帰り、さらに古くからあった社に納めたのだとか。
現在の建物は、1989(平成元)年から翌年にかけて建て直されたもの。その建物を2009(平成21)年に曳家(ひきや)という方法で敷地内を移動させる珍しい出来事を経て、現在の配置となっている。
参拝者が拝殿より奥に入る機会は、厄除け祈願、七五三など。外からでも本殿をよく観察すると、注目したくなるポイントがいくつかある。例えば月読命と須佐之男命を祭った社の屋根にある鰹木(かつおぎ)と呼ばれる部分だ。月読命の社には月の満ち欠け、須佐之男命の社には波の動きが表されている。中央の社にある擬宝珠(ぎぼし)と呼ばれるスライムのような装飾も、太陽の神様にちなんだ色合いが採用されている。どれも現在の宮司さんのアイデアが実現された。
阿佐ヶ谷神明宮を参拝すると、他にもデザイン性や遊び心が感じられるものがあちこちにあることに気づくはずだ。
阿佐ヶ谷神明宮を参拝すると、他にもデザイン性や遊び心が感じられるものがあちこちにあることに気づくはずだ。
かわいくて人気! ブレスレットタイプのお守り「神むすび」
阿佐ヶ谷神明宮といえば、SNSでも話題の「神(かん)むすび レースブレスレットお守り」。繊細な素材とモチーフを使ったお守りで、2015(平成27)年に6種類から頒布をスタートし、徐々に種類が増えた。
「神むすび」は、日常的に身につけても違和感がないお守りがあったら、と神職さんによって考えられたのだとか。付け心地のいい糸を使って日本国内で作られたパーツを、最終奉製と包装を巫女さんたちが行って、運気が上がるようにと祈願されている。
人気が急上昇したのは、阿佐ヶ谷神明宮がSNSを始めた2016(平成28)年のこと。新しい「神むすび」が写真とともに紹介されると大反響。繊細でかわいいお守りのファンが増え、日本国内はもちろん、外国からの観光客も阿佐ヶ谷神明宮を訪れるようになったのだ。
「神むすび」は、日常的に身につけても違和感がないお守りがあったら、と神職さんによって考えられたのだとか。付け心地のいい糸を使って日本国内で作られたパーツを、最終奉製と包装を巫女さんたちが行って、運気が上がるようにと祈願されている。
人気が急上昇したのは、阿佐ヶ谷神明宮がSNSを始めた2016(平成28)年のこと。新しい「神むすび」が写真とともに紹介されると大反響。繊細でかわいいお守りのファンが増え、日本国内はもちろん、外国からの観光客も阿佐ヶ谷神明宮を訪れるようになったのだ。
「神むすび」のデザインは、神社で奉仕する女性たちの意見が反映されている。桜や紫陽花など四季の花、七夕の時期には天の川をイメージして星のモチーフを取り入れ、お月見の時期には「月うさぎ」など、その季節だけの「神むすび」も頒布されている。
かわいらしさから大切に保存している人もいる「神むすび」。もちろんそれもアリだけれど、神職さんによれば「お守りは本来1年経ったら神社に返すもの」。すでに持っている人も、この機会に現在のものを神社に納めて、新しい神むすびを授かっては?
【立ち寄りスポット】自家製素材をふんだんに使ったかわいいパフェ
阿佐ヶ谷神明宮をお参りしたあとに訪ねてみたいのが、目にもお腹にも満足なパフェのお店『CAFE&BAR RIGID(カフェ&バー リジッド)』だ。夜はバーとして営業しているが、昼間のカフェタイムに提供しているパフェが看板メニューだ。
1~2カ月で変わるパフェは、店長の篠﨑鈴(しのざきりん)さんが季節に合わせて考案している。お店のインスタグラムには、新しいパフェが登場する少し前に、篠﨑さん手書きの図案がポストされて、かわいいもの好きの心をくすぐっている。
こだわりはデザインだけにとどまらない。食べに来てくれた人をガッカリさせたくないと、たくさんある素材のほとんどが自家製だ。自慢はアイスやソルベで、どのパフェにも2~3種類が使われている。
季節のフルーツのほか、ジュレ、チョコレート、ジェノワーズやクランブル、パイなど、20種類近くの素材を作ってパフェに組み合わせている。味はもちろん食感もバラエティ豊かで、ひとくちごとに違う味わいに大満足。
こだわりはデザインだけにとどまらない。食べに来てくれた人をガッカリさせたくないと、たくさんある素材のほとんどが自家製だ。自慢はアイスやソルベで、どのパフェにも2~3種類が使われている。
季節のフルーツのほか、ジュレ、チョコレート、ジェノワーズやクランブル、パイなど、20種類近くの素材を作ってパフェに組み合わせている。味はもちろん食感もバラエティ豊かで、ひとくちごとに違う味わいに大満足。
2024年春には、イースターをテーマに、ウサギやタマゴをモチーフにしたパフェが登場。いちばん上に置かれたチョコレートエッグを割ると、レアチーズムース、レモンコンフィなどが入っている。他にも食べなくてはわからないような仕掛けが隠れていて、グラスの中は楽しい驚きに満ちている。
パフェは完全予約制。90分ワンドリンク制で、パフェにはテーマに合わせたペアリングドリンクも用意されているので、合わせて味わいたい。
パフェは完全予約制。90分ワンドリンク制で、パフェにはテーマに合わせたペアリングドリンクも用意されているので、合わせて味わいたい。
晴れの日さんぽは、太陽の神様から
鎌倉時代にはすでに農村として人々の暮らしがあった阿佐ヶ谷で鎮守様として長く慕われてきた阿佐ヶ谷神明宮。現在でも境内にある能楽殿は、薪能や舞踊の披露など、神社の行事が行われる他、地域の人たちの発表の場としても使われているそう。太陽神の天照大御神が祭られた阿佐ヶ谷神明宮でお参りしてから散歩を始めると、その日のお天気にも恵まれそう。
DATA
取材・文・撮影=野崎さおり
上記の情報は2024年5月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです
- Tag