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通い続けたい店がある
この記事の目次
中央線をこよなく愛し、沿線暮らしを謳歌している人ほど、地元店との距離が近い。お気に入りを見つけたら、とことん通って惚れ込んで、店主やスタッフと親しくなるからだ。気心知れた店がある街で暮らす醍醐味が、この沿線には息づいている。
例えば、栄養バランスのいい定食ならばここ、スパイシーなカレーはここ、お菓子を手土産に買うなら、どうしてもラーメンを食べたいときはと、通い続けたい店はジャンルごとにあり、日々の食生活を豊かにしてくれている。特筆すべきは、近所の農家や商店から食材を調達する店の多いこと。おいしく食べて地域貢献につながる手応えも魅力的。
扉を開ければ「いらっしゃい」と馴染みの顔。続けて、店内に漂うおいしいにおい、厨房から聞こえる調理音など、いつもの雰囲気に包まれて、「ほっ」。通い続けたい店には、ここでしか出合えない看板商品はもちろん、心和む温もりが潜み、通う人を元気にしてくれる。
お腹も心もたっぷりと満たしてくれる店へ。まずは気軽に訪ねてみよう。
おかずを自在に組み合わせた自分好みの定食
ゆず [荻窪駅]
もともと割烹だったが、1998年(平成10)頃、客の要望に応じて夜も定食を出すように。16種類ものおかずから、その日の気分で好きな2〜3品を選ぶスタイルだ。「特別なことはしていないよ」と、店主の佐藤秀雄さんは笑うが、白絞油で揚げるアジフライは歯ざわりサックリ、身はふっくらしっとり。舌に吸い付くようなマグロの刺し身は、マグロ納豆にすればご飯にのせてかっこみたくなる。また、思いつきで季節のメニューが登場することも。
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選りすぐりの国産食材を使う店主渾身の定食に脱帽
階段ノ上ノ食堂 [吉祥寺駅]
「僕自身が、少し高くてもおいしいものが食べたくて」と店主の浜名晃(あきら)さん。相模湾近海の天然魚、岩手県の短角牛、埼玉県小川町の有機野菜など、お眼鏡にかなう食材しか使わない徹底ぶりは、食べる人に喜んでもらいたい一心から。ある日は、ふんわりとした身のアジフライを中心に、チーズを散らしたサラダ、自家製お豆富など彩り豊かなおかずが並ぶ。蓄熱性が高いフランス製の鍋「ストウブ」で炊くご飯も魅惑で、春は畑より直送で届く極上のタケノコ入りご飯がお目見え。
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欧米定番の朝食を買いに出かけたい
Unicorn Bakery [国立駅]
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ツタが絡まる木造の家屋は、木枠の引き戸、柄ガラスの古びた風情が印象的。店主のあんじゅりさんが、アメリカ育ちの英国人の母・スーザンさんと始めた店で、オリジナルのレシピで焼かれたアメリカ定番のマフィンや、イギリス伝統の焼き菓子・スコーンなどが見目麗しく並ぶ。リッチな甘みは朝食にうってつけだ。また、バタークリームを絞りバラの花のように飾るローズカップケーキは食べるのが惜しくなる美しさ。
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立川産野菜も使う香り高きひと皿
Chichika(チチカ) [立川駅]
ガラムマサラとレッドペッパーをちりばめて仕上げる、スパイシーなカレー。ボリューミーでいささか大胆なビジュアルに目を奪われつつ、大きな皿から立つ香りにうっとりする。無類のカレー好きが高じ、独学でスパイスの世界を探求し続けている店主・藤本貴則さん。「とにかく香りが好きで、僕にとって一番大事」と力を込めて話す。タマネギやポテトの副菜と混ぜ合わせると、さらに別の香りがふわりと生まれる。“香りも味なり”を、五感を澄まして実感したい。近頃はテイクアウトも好評。蓋を開くときの香りが癖になる!
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圧倒的な支持「タマネギ多め」の八王子ラーメン
中華そば 吾衛門(ごえもん) [西八王子駅]
丼を埋め尽くすタマネギが圧巻。八王子ラーメンはタマネギが欠かせないが、ここまで特化する店は稀有だ。客からの要望に応え、通常の4倍のみじん切りを丼にオン。季節で変わる辛味や水分を考慮しながら刻み方を変え、「1日に12kg、40〜50玉を刻んでいます」と、店主の石川征之さんは笑う。豚の煮汁、煮干し、カツオ、サバから作るスープが低加水の特注ストレート麺に絡み、タマネギの食感が絶妙。やみつき必至だ。
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取材・文=teamまめ(佐藤さゆり 松井一恵)
撮影=原幹和 オカダタカオ 鈴木奈保子
上記の情報は2021年2月現在のものです。
※表記されている料金は税込価格です。
※料金・営業時間・休園(館)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。