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街おこしにあふれている
「中央線が好きだ。」では、今まで数々の地域コミュニティを紹介してきた。そこで思うのは、なんて地元を愛する人々が多いんだろう、ということ。
シャッター商店街の廃業した店舗を再利用したシェアキッチン付きの食堂、使わなくなった椅子を寄贈してもらい赤く塗って街のあちこちに休憩場所として置くプロジェクト、はたまた、子どもから年配者まで世代を超えてともに遊べる駄菓子店など。
みんなの楽しそうな顔を見たい、街を盛り上げたい、暮らしやすい地域にしたい……。自分の街が好きだからこそ浮かんだ思いを胸に、発起人となって行動を起こす頼もしさといったら。たとえ始めは一人だったとしても、その背中を見て心動かされた人が、一人、二人と仲間に加わり、アイデアや知恵を絞り合う。小さなきっかけが、やがて大きな渦となって、地域のためのプロジェクトとして動き出すのだ。
「隣は何をする人ぞ」と囁かれる都会だが、中央線沿線には人と人との縁を大切にするコミュニティが現代もしっかり息づいている。それは、昔から脈々とあるものではない。新旧の住人が、異なる世代・文化を認め合い、改めて築き、街の魅力を再発見する楽しいきっかけとなっている。
その一つが三鷹界隈の「まちなか農家プロジェクト」。その活動を、ここで紹介しよう。
農家と駅近の住民をつなぐ 三鷹・武蔵野農家応援団
まちなか農家プロジェクト [三鷹駅]
都心に隣接しながらも、三鷹周辺では農家が健在だ。「でも、住民たちにはあまり知られていないんです」と残念がるのは、IT関連企業に勤める傍ら「まちなか農家プロジェクト」を主催している苔口昭一さんだ。三鷹市が主催する「ITを活用した市民参加支援」シンポジウムへの参加をきっかけに有志10名で発足。観光協会職員、デザイナーなどが名を連ね、休日に活動している。
「最初は直売情報のアプリを考えたんです。でも、農家さんたちは、販売場所ではなく、まちなかにある畑の大切さを感じてもらいたいと望んでいました」
そこで立ち上げたのが、農家情報発信サイトだ。JA東京むさし三鷹地区青壮年部の若手農家70〜80名、そして武蔵野市へと縁が広がり、彼らの思い、こだわりを一人ずつ聞き取り。畑の様子を撮影した記事を載せている。また、地産地消レストランや直売所などの情報を交換できる場をSNSに開設。さらに、「実際に味を知ってもらうことが大切」と、朝に農家を回って集荷した穫れたてを、午後、ファンクラブ会員の特典として手渡しする活動を月に一度、実施している。
次々に広がる農家と消費者のつながりの輪
そこで作り手と畑の様子を伝えるうち、雑談からアイデアが生まれ、畑イベントも誕生。災害時に農家の畑がいかに役立つかを学ぶ「農家がつくる炊き出し『のっぺい汁』を食べる会」や、三鷹キウイの試食会などが催されている。
「僕たち自身がまちなか農家のファン。地元野菜のすごさに驚き、農家さんと話せるのが、ものすごく楽しみなんです」と苔口さん。
ゆっくりじわじわ、地域に農家愛の根を伸ばしている。
INFORMATION
まちなか農家プロジェクト
三鷹市・武蔵野市の「まちなか」で、代々生産している農家さんの思いを伝えるべく、市民有志が集まって2016年に発足。ホームページやSNSで情報発信・情報交換するほか、会員制ファンクラブも運営。旬の三鷹・武蔵野野菜の受け渡し場所は『キズナ・バー』(三鷹市下連雀3-22-13)にて。
HP https://machino.tokyo/
Facebook https://www.facebook.com/groups/machinakaagri/
Twitter https://twitter.com/machi_noka
Instagram https://www.instagram.com/machi_noka/
取材・文=teamまめ(佐藤さゆり)
撮影=オカダタカオ
上記の情報は2021年2月現在のものです。
※表記されている料金は税込価格です。
※料金・営業時間・休園(館)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。