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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!
山梨市駅
富士を望む山梨市で、絶景温泉と地酒にほっとひと息
空気が澄み渡る冬季こそ、山梨市は出かけどき。希少な酒蔵では酒造りが佳境で、搾りたての新酒がお目見え。晴天率も高く、富士山が拝めるチャンスもぐっと高い。心とろける絶景と味を満喫しに出かけよう。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
新宿駅から特急かいじで約1時間30分、立川駅から約1時間の中央本線山梨市駅へ。
特急かいじに乗るなら、便利でおトクな「在来線チケットレス特急券サービス」がおすすめ! スマートフォンから予約ができ、駅での特急券の受取不要でそのまま乗車することができる。
https://www.eki-net.com/top/ticketless
山梨市駅から、標高700mの高台にある「ほったらかし温泉」へは、タクシーが便利。ただし、降雪・積雪のみならず、残雪による路面凍結などで走行できないこともあるので、天気予報の確認を忘れずに。また、温泉からタクシーを呼ぶ場合、平日は約15分、週末は約30分要するのでご注意を。駅から「フルーツ公園」までは、バスが1日3本運行。そこから徒歩約25分で温泉に着くが、坂道なので滑りにくい靴の装備が必至。防寒対策も万全に。
▼山梨市の観光情報はこちら(山梨市観光協会)
https://www.yamanashishi-kankou.com/
ほったらかし温泉[山梨市駅/温泉]
温泉に身を浸し、霊峰富士と甲府の街に見惚れる
棚山の標高700m地点に、1999年に開湯した「こっちの湯」と、4年後にその2倍の広さで湯舟を新設した「あっちの湯」が点在する。
富士山を眺めるなら、手造り感あふれる素朴な「こっちの湯」から攻めたい。
「冬はすぐに露天風呂に行くのではなく、まずは内湯で体を温めて、水分補給をしながら露天風呂に入るといいですよ」と、スタッフの小池さん。
入り口近くで、地下200mから汲み上げた天然水を水筒やペットボトルに入れて持参するといい。
傾斜を活かした2段の露天風呂から湯煙が上がり、野趣満載。御坂山塊(みさかさんかい)から顔を出す富士がどーんと真正面に鎮座し、目を奪う。さらに、やわらかな強アルカリ性単純温泉で肌のツルスベを実感。
ちなみに、「あっちの湯」では日の出や、甲府盆地の夜景が見られ、うっとり。
はしご湯するのも楽しみだ。
サクサクの衣の中から、温泉水で作った温玉がとろ〜。ほどよい塩味が風呂上がりの体に沁みるぅ。
DATA
大井俣窪八幡神社(おおいまたくぼ はちまんじんじゃ)[山梨市駅/神社]
重要文化財の宝庫! 武田家父子が崇敬した里の社
参道の先の石橋、檜皮葺(ひわだぶき)の古式ゆかしき神門を超えると、神聖な気配が濃厚になる。
雑木の森に包まれた境内には武田家が造り替えた建築物が数多く、長大な外観が流麗な木造拝殿は、天文3(1534)年に信虎によって造立された。さらに、奥に秘された日本最大の十一間社流造(じゅういっけんしゃ ながれづくり)の本殿など、9棟11件が国の重要文化財に指定されている。
時代ごとに手を入れ、約500年前の姿を今に伝えている。
神仏分離令が発せられる前まで北隣に大きな寺を擁し、宮司と住職が共に祭祀を行っていたという。神仏習合の形をとどめた、まことに貴重な神社なのだ。
格式高き社は静かに里を守り、人々に守り継がれている。
養老酒造・槽(ふね)・酒蔵 櫂(かい)[山梨市駅/酒蔵・カフェ・食事処]
山梨県では希少な酒蔵! 地酒と蔵元料理を堪能
5日ほど酒粕に漬けた鮭は風味深く濃く、「養老」を加えて2日間煮込んだ豚の角煮はほろほろ。あっさり仕立ての粕汁には旬野菜がゴロゴロ。
「鮭はこの家に伝わるまかない料理で、豚の角煮は義母のレシピです」と尚子さん。
蔵元ならばこその味尽くしに加え、酒のアイスに、地元フルーツのスムージーなど、デザートも手抜かりなしだ。
隣接する酒蔵に向かうと、屋根の上に福々しい恵比寿様が出迎える。
秩父山系の超軟水の笛吹川伏流水を用い、和釜で米を蒸し、仕込み、槽と呼ぶ木枠で、もろみをやさしくゆっくり2日かけて搾る。機械化された工房と異なり、蔵に棲む菌を活かし、手間と時間をかけた昔ながらの手法ゆえ、ふくよかな旨味が特徴的だ。
見学に応じられないタイミングもあるが、「2月の第2日曜日に行う蔵開きがおすすめです」。
小さな蔵ゆえ、滅多に市場に出回らない逸品揃い。胸にかき抱いて持ち帰りたい。
山梨市の冬の風物詩を味わう
酔い覚ましに徒歩で山梨市駅を目指せば、川沿いに万力公園・万葉の森が広がる。万葉集に詠われた150種の植物のうち、110種余りが季節を謳歌。夏の道、秋の道もあるが、春の道は早春から梅が芳香を放ち、ツバキの森が愛らしく咲き誇る。清冽な空気の中、のんびり歩いて季節を愛でたい。
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2024年12月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
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