- トップ
- 連載
- プチ旅コンシェルジュ
- 南武線分倍河原(ぶばいがわら)駅で愉悦のひとり時間を

プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!

分倍河原駅
南武線分倍河原(ぶばいがわら)駅で愉悦のひとり時間を
駅の北側には青果店や喫茶店もあるレトロな商店街「ハッピークロス分倍河原」が延び、南側には商業施設やオフィスがある分倍河原。コンパクトにスポットが集まるなか、駅近には隠れ家的な店が点在する。クエスト気分で巡るのが楽しい街だ。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
新宿駅から中央特快で約30分の立川駅で南武線に乗り換え、約10分で分倍河原駅に到着。駅周辺を巡るコースなので、気軽に出かけたい。
1.
森のカフェ[分倍河原駅/カフェ]
路地の向こうに現われる森のようなオアシス

分倍河原駅の至近ながら、踏切を渡った先の細い鉤型路(かぎがたろ)に潜むため、静けさをまとう。
自宅1階を改装したカフェを、2007年より営むのは本橋徳枝さんだ。
自宅1階を改装したカフェを、2007年より営むのは本橋徳枝さんだ。

南向き一面の大きな窓に等間隔でヒノキの柱が並び、その隙間から陽光が木漏れ日のように店内に落ちる。木造りの広いカウンターにはリスやネズミ、シカなどの森のいきもの雑貨が勢揃いし、見上げれば鳥のモビールがゆったり宙を飛ぶ。
まさに、森でお茶している気分だ。
まさに、森でお茶している気分だ。

そんな店を訪れるなら、ランチタイムを狙いたい。
「素人料理なのよ」と徳枝ママは謙遜するが、たっぷりのタマネギとひき肉にスパイスを加えたドライカレー1000円はやさしい旨味で、口に運ぶたび笑みがこぼれる。
しかも、ターメリックライスの小山にらっきょうや福神漬けがモニュメントのように飾られ、アーティスティックだ。
「素人料理なのよ」と徳枝ママは謙遜するが、たっぷりのタマネギとひき肉にスパイスを加えたドライカレー1000円はやさしい旨味で、口に運ぶたび笑みがこぼれる。
しかも、ターメリックライスの小山にらっきょうや福神漬けがモニュメントのように飾られ、アーティスティックだ。

ふと耳に届くのは、人々のざわめきと心地よいジャズの調べ。
2階へ誘う階段の壁には「夫のコレクション」というジャズのCDやレコードがぎっしり。1階の棚には本も置かれ、手にとってページをめくるのもいい。
また、年に2度ほどアコースティックライブも開催。その時ばかりは「弾けるようになりたくて買ったけれど、全然練習してないの」と話すアップライトピアノの出番到来で、シャンソンやジャズなどが奏でられる。
2階へ誘う階段の壁には「夫のコレクション」というジャズのCDやレコードがぎっしり。1階の棚には本も置かれ、手にとってページをめくるのもいい。
また、年に2度ほどアコースティックライブも開催。その時ばかりは「弾けるようになりたくて買ったけれど、全然練習してないの」と話すアップライトピアノの出番到来で、シャンソンやジャズなどが奏でられる。

ちょっと甘いものを、と思ったら珈琲500円と自家製の2種盛りケーキ300円を。
卵をたっぷり使い、しっとり軽やかに焼き上げたチーズケーキと、ビターなカカオが香るチョコレートケーキは、挽きたてのハンドドリップコーヒーにぴったり。
ウイスキーなどのお酒もあり、日暮れまでまったり過ごしたくなる。
卵をたっぷり使い、しっとり軽やかに焼き上げたチーズケーキと、ビターなカカオが香るチョコレートケーキは、挽きたてのハンドドリップコーヒーにぴったり。
ウイスキーなどのお酒もあり、日暮れまでまったり過ごしたくなる。
DATA
2.
Glücklich(グリュックリッヒ)[分倍河原駅/東欧ビンテージ雑貨]
表通りから奥へ。小さな木造平屋でビンテージ雑貨にときめく

今度は駅の南エリアへ。立ち並ぶ木造住宅を結ぶ石畳みを伝い歩くと、オリーブの木の下でビンテージのクマのぬいぐるみが出迎えてくれた。

縁側から上がれば、ノスタルジックで温かな空間だ。
営むのは宮内夫妻。
妻の紋子(あやこ)さんは「府中は夫の地元。近くに暮らしていて、ここはよく抜け道に使っていたんです」と微笑む。
以前からネットショップを開設していたが、「ゆっくり買い物できる空間を」と思った矢先、古い佇まいに惚れていた木造平屋が空き、実店舗を2021年に開店した。
営むのは宮内夫妻。
妻の紋子(あやこ)さんは「府中は夫の地元。近くに暮らしていて、ここはよく抜け道に使っていたんです」と微笑む。
以前からネットショップを開設していたが、「ゆっくり買い物できる空間を」と思った矢先、古い佇まいに惚れていた木造平屋が空き、実店舗を2021年に開店した。

扱うのは、ドイツ、ハンガリー、チェコで買い付けたビンテージ雑貨だ。
なかでも人気は、1900年代のチェコガラスのデッドストックボタンで、職人さん手製の絵付けや色使いがキュート。
「アクセサリーやブローチ、髪留めに仕立てる方が多いですよ」。
なかでも人気は、1900年代のチェコガラスのデッドストックボタンで、職人さん手製の絵付けや色使いがキュート。
「アクセサリーやブローチ、髪留めに仕立てる方が多いですよ」。

棚の上を見れば、とぼけた顔のぬいぐるみたちがこちらを見下ろしていた。
ドイツ最高級のテディベアで有名なシュタイフ製の黒ヤギもいて「一つ一つ表情が異なるなか、置いて帰れないと思ったコを連れてきました」と紋子さん。
ドイツ最高級のテディベアで有名なシュタイフ製の黒ヤギもいて「一つ一つ表情が異なるなか、置いて帰れないと思ったコを連れてきました」と紋子さん。

引き出しという引き出しにも、包装紙やデコパージュ用のペーパーなどが潜んでいて、1時間、2時間と、じっくり見て行く人ばかり。
落ち着いた色合いなのに温かみがある東欧雑貨は「色の力で元気になれる気がします。現地の空気感もろとも持って帰って、伝えていけたらなって思っています」。
一つ一つ手にとって、雑貨たちの物語を聞きながら、自宅に連れ帰る一品を探したい。
落ち着いた色合いなのに温かみがある東欧雑貨は「色の力で元気になれる気がします。現地の空気感もろとも持って帰って、伝えていけたらなって思っています」。
一つ一つ手にとって、雑貨たちの物語を聞きながら、自宅に連れ帰る一品を探したい。
3.
マルジナリア書店 byよはく舎[分倍河原駅/書店]
雑居ビルの3階に潜む、本と巡り合う場所

駅前雑居ビルの3階にエレベーターで上がると、小さな書店に灯りが点っている。
ここは、ひとり出版社『よはく舎』が運営する新刊書店。
哲学、料理、絵本など、作家別ではなくジャンル別に並べ、全国の独立系出版社の刊行物やZINEも含めて約2000種の本が揃う。
ここは、ひとり出版社『よはく舎』が運営する新刊書店。
哲学、料理、絵本など、作家別ではなくジャンル別に並べ、全国の独立系出版社の刊行物やZINEも含めて約2000種の本が揃う。

注目は面陳列の本。
店主の小林えみさんは「いろんな本に出合えるように」と、毎日置く場所を変えているそうで、訪れるたびに目に入る本が変わるのが楽しい。さらに、じっくり選べるように、本棚の隙間に子供も大人も腰掛けられるベンチがある。
店主の小林えみさんは「いろんな本に出合えるように」と、毎日置く場所を変えているそうで、訪れるたびに目に入る本が変わるのが楽しい。さらに、じっくり選べるように、本棚の隙間に子供も大人も腰掛けられるベンチがある。

また、小林さんは『夕凪文具店』として、自ら企画したオリジナル&セレクト文具も陳列。

そんななか、入り口にあるアヒルのカプセルトイは、よはく舎刊行の絵本『AHIRU LIFE.』に目をつけたカプセルトイメーカーが制作したものだ。
ユーモラスな世界観を絵本でもフィギュアでも楽しめるなんて、心が躍るばかりだ。
ユーモラスな世界観を絵本でもフィギュアでも楽しめるなんて、心が躍るばかりだ。

また、窓辺に設えたカフェだけの利用も可能で、天気が良ければ富士山が見える特等席でホットココア600円を飲みながらくつろぐのもいい。
ちなみに、パスタは階下の『Bistro on outdoor nature』からの出前。
他にも店内には、雑貨コーナーに『Glücklich』の東欧雑貨を並べたり、ドライフラワー教室『Rint-輪と』のドライフラワーを壁に飾ったり。はたまた、読書会「本とおしゃべりとトンカツと。」で、お気に入りの本について語りながら、駅前『とん駒』のとんかつを食べるなど、「近所のお店と交流できるアットホームさも、分倍河原のいいところ」と小林さんは笑う。
ちなみに、パスタは階下の『Bistro on outdoor nature』からの出前。
他にも店内には、雑貨コーナーに『Glücklich』の東欧雑貨を並べたり、ドライフラワー教室『Rint-輪と』のドライフラワーを壁に飾ったり。はたまた、読書会「本とおしゃべりとトンカツと。」で、お気に入りの本について語りながら、駅前『とん駒』のとんかつを食べるなど、「近所のお店と交流できるアットホームさも、分倍河原のいいところ」と小林さんは笑う。

読書会のみならず、多彩なイベントにも注目だ。
著者によるトークイベントが主だが、この日は『もういちど育てる庭図鑑』の著者・良原リエさんによる、スワッグ作りのワークショップが催された。庭木の多彩なユーカリを持ち込んで作るスワッグは、飾るだけでなく、防虫効果にも優れているとか。
わくわくのイベントはスケジュールを要チェックだ。
著者によるトークイベントが主だが、この日は『もういちど育てる庭図鑑』の著者・良原リエさんによる、スワッグ作りのワークショップが催された。庭木の多彩なユーカリを持ち込んで作るスワッグは、飾るだけでなく、防虫効果にも優れているとか。
わくわくのイベントはスケジュールを要チェックだ。
ひとり時間だからこそ、没入感を満喫
どの店も駅近ばかりだが、見落としそうな場所に潜んでいるため、発掘気分で心が躍る。しかも、小ぢんまりした空間なれど、時間を忘れてしまうほどの没入感が半端ない。店主の熱い想いをギュッと込めたクラフト感満載なスポットの数々は、冷たい風の吹く冬でも、温かな気持ちになれる場所ばかりだ。
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2026年1月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
- Tag











