頑張った日の後には、仕事帰りにふらっと寄り道して晩ごはんはいかが?
1人でご飯って少しハードルが高い? 実は、中央線沿線にはソロ客歓迎のお店がたくさんある。メニューの内容だったり、お店の雰囲気も優しい気遣いがいっぱい詰まっている。
毎日の通勤は中央線、きっとそんなあなたに役立つ連載だ。
高尾駅
旬の魚介や地元野菜が満載! 高尾のとんかつ店は、小鉢までていねいな味尽くし
高尾の山に梅の香りが漂う季節。山帰りに腹ペコで立ち寄るなら、体を芯から温めてくれ、エネルギーをしっかり補給できる料理店がいい。高尾駅南口に構える『高尾 煉瓦屋(れんがや)』は、とんかつ自慢の店で、御膳を頼むと、嬉しい小鉢も百花繚乱だ。
単なるとんかつ屋じゃない⁉︎
ガード下の店は新しく見えるが、創業は1980年。看板メニューは、鹿児島県霧島産の熟成豚と純粋黒豚のとんかつだ。
しかし、店前に掲げられたメニューを見ると、アジフライ、刺し身、銀ダラなど、魚料理も充実。只者じゃない感がひしひしと伝わってくる。
しかし、店前に掲げられたメニューを見ると、アジフライ、刺し身、銀ダラなど、魚料理も充実。只者じゃない感がひしひしと伝わってくる。
酒を頼むと旬の酒肴が1品サービス
白暖簾をくぐると、こぢんまりとした和の風情。八王子の酒米で仕込んだ純米酒・八王子城1合1000円もあり、熱燗でまずは体を温めたい。すると、お酒とともに、すっと差し出されたのはエシャロット。「これ、サービスね。お酒の注文ごとに、何か見繕うから」と、女将の上島(かみしま)佐知子さん。
「市場でいいものが安く手に入ったら、サービスするようにしているんですよ」と、佐知子さん。その心意気に頭が下がる。
見よ、これがロースカツ御膳の全貌だ!
さて、メニューに悩みまくるが、ここはやはりとんかつを。真価を知るなら、定食ではなく御膳にすべし。ゆるゆる酒を飲みながら待つと、ほどなく、ロースカツ御膳200g 3100円が運ばれてきた。小鉢付きとは書いてあったが、小鉢が5〜6品とは、す、す、すごすぎる!
「白&黒ゴマをゴリゴリ擦ったすり鉢にとんかつソースを入れ、付けながら食べると、熱々でとんかつが食べられますよ」と勧められ、まずは、とんかつから。注文ごとに分厚く切る霧島産黒豚に生パン粉をまとわせ、ラード3:植物油7の140℃の低温油で揚げていて、衣がサクッと軽い。後から、ジューシーな肉の甘みが口いっぱいに広がっていく。
仕入れで変わる小鉢類も侮れない!
小鉢類も抜かりなし。“北野の市場”と地元で親しまれる「八王子総合卸売センター」で仕入れた魚は、イカ、イクラ、アジ、カキなど、旬モノがずらり。「2代目が市場でいいものを仕入れてくるんです」と、佐知子さん。カキはフライにしてとんかつを注文した人にサービスすることも。イカの刺し身はとろけるようだったり、地元野菜の煮物や白和えも心和むおいしさで、酒のお供にも、もち麦ごはんのおかずにも最高だ。プチケーキが付くこともあり、お腹ははちきれんばかり。
オーナーと女将さんの心尽くしに酔いしれたい
小鉢なしの定食(200円引き)や、単品オーダーにも対応するが、訪れるたび、小鉢のラインナップが変わるのは常連たちの大いなる楽しみ。「今日はないけど、大間のマグロや、イタリアンシェフ直伝のモッツァレラチーズを用意している日もあるんですよ」と佐知子さん。高尾のおふくろさんから、滋味にあふれるご馳走にあずかれば、活力がみるみるみなぎってくる。
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=オカダタカオ
上記の情報は2022年1月現在のものです。
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※表記されている価格は税込みです。