友人や家族など大切な方と会うときは、中央線沿線ならではの手みやげを持っていこう。
地元の素材を取り入れていたり、その土地の個性が表れていたりと、中央線の手みやげには地域の話題がたくさん詰まっている。そんな一品を持参すれば、あなたが暮らす街の話題で盛り上がるかも。
中央線沿線にお住まいの方、中央線をよく利用される方必見の連載。
豊田駅八王子駅
油揚げに包まれた小さな贅沢。八王子駅・豊田駅の味わい深きいなり寿司
油揚げの袋に、酢飯を詰めたいなり寿司。発祥は愛知県の豊川稲荷など諸説あり、地方によってその形、具はさまざまだ。関東は基本、具なしのオーソドックスなタイプが主流だが、中央線沿線では多彩な顔ぶれに出合うことができる。具を混ぜたタイプに、見た目にも華やかな具のっけ系など、思わず頬が緩む味わい揃いだ。
レンコンの歯触りとショウガの辛味がアクセント
和菓子 ひさごや[八王子駅/和菓子]
戦後に初台で創業した和菓子店が、2013年に八王子に移転。八王子特産のクワの葉を用いた八王子だんご108円や、大納言小豆が贅沢な鹿の子162円など、餡の風味を丁寧に引き出した和菓子がずらりと揃う。
その中で、八王子名物の一品がいなり寿司だ。甘辛い揚げの中には、季節で塩梅を変えている酢飯がぎっしり。手切りしてさっと茹でた酢蓮(すばす)の歯触り、ガリの爽やかな辛味、ゴマの風味が魅惑的で、つい手が伸びてしまう。6月にはシャキシャキ感が軽やかな新レンコン、夏には涼を呼ぶレモンの皮をしのばせる。季節限定の風味もお楽しみだ。
前日までに予約すれば、確実に手に入る。
DATA
シャリと具の相性を追求したゴージャス系いなり寿司
おいなり食堂[豊田駅/創作いなり・海鮮丼]
和食で腕を鳴らした店主の花澤克己さん。ある時、注文を受けたいなり寿司に「自分らしさを加えたら」とひらめき、2016年、持ち帰りもできる食堂を開業した。
油揚げからして手間暇を惜しまない。さっと油抜きした後、30分ほど甘辛く炊き、一晩かけてゆっくり煮汁を含ませる。中の具にはこの道45年の和食の技が炸裂。定番いなりや梅しらす、黒米いなりは酢飯で。鮭いくら、あさり五目、たこやわらか煮、とりきのこには、炊き込みの茶飯を合わせ、豚角煮はその煮汁をご飯に混ぜ込む。「おかず要らずの食事」を目指し、3種のご飯と多彩なトッピング具材で仕上げる様に脱帽だ。
頬張れば、ふくよかな香味が広がり、至福の顔に。
季節限定もあり「種類は増える一方です」と笑う。
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=鈴木奈保子
上記の情報は2021年5月現在のものです。
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※表記されている価格は税込みです。