養蚕農家からワイナリーへ転じた国の登録有形文化財
勝沼ぶどう郷駅
原茂(はらも)ワイン
近隣農家がブドウを持ち寄り、自家用ワインを作る共同組合の醸造所として1924年(大正13)に開設、1974年に本格的に生産を始めた小さなワイナリーだ。明治期築の養蚕農家の母屋がワインショップとして活用され、重厚感ある襖、太い柱が風格を見せている。まずは、赤、白、ロゼの12種を存分に試飲したい。どれも1杯20cc100円。その中でも、「甲州をぜひ、試してみてください。勝沼の在来品種ですから」と、代表の古屋真太郎さん。甲州種は、シャルドネなどと同じルーツをもつワイン醸造に適した品種。「甲州樽熟成2020」2431円を試せば、華やかな酸味の後、やわらかな余韻が舌の上で広がる。「ほかにも、山梨で誕生した品種を栽培から試しています」と古屋さん。その一つが、ワイナリー限定販売の「アルモノワール2018」3850円だ。「アルモの綴りがHarmo。屋号に似ているので、うちが作らなくてどうするって思って」。そう笑う古屋さんは、勝沼ワイン協会で地域ブランド立ち上げを計画中。「山梨産と表記する“GI Yamanashi”はすでにありますが、新たに“GI Katsunuma”を作ろうとしています。勝沼のブドウを勝沼で醸造する勝沼産ワインのことを知ってもらえたら」。秋にはワイナリーイベントを企画。週末限定ガーデンカフェを開店し、ブドウ棚の下で勝沼ワインが味わえる趣向だ。とびっきりの休日を楽しみたい。
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DATA
JR中央本線勝沼ぶどう郷駅から徒歩20分。
9時〜17時、無休(年末年始休あり)。
9〜10月の土・日・祝限定のガーデンカフェは11時〜15時。
山梨県甲州市勝沼町勝沼3181 ☎0553-44-0121
http://www.haramo.com
取材・文=林 さゆり 撮影=オカダタカオ
※上記の情報は2023年8月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。