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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!

武蔵五日市駅
武蔵五日市駅でせせらぎに誘われる水の里めぐり
清らかな秋川が流れるあきる野市。
なかでも、終点の武蔵五日市駅からなら、川のほとりはすぐそこだ。
せせらぎの音が耳に心地よく、木陰の小道も涼やか。ゆっくりのんびり川のほとりを辿りたい。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
新宿駅から青梅特快で約40分。拝島駅で五日市線に乗り換え、約17分の終点・武蔵五日市駅下車。檜原街道から秋川へ下り、川に沿って黒茶屋へ。帰路は檜原街道を歩いて駅に戻る約5.5kmのコースなので、履き慣れた靴がいい。虫除けがあると便利。
下田の田んぼ[武蔵五日市駅]
季節で色を着替えるのどかな里の情景

山里ながら、畑のみならず水田も広がり、カモは食事に大忙し、サギも羽を休めている。
ぐるりと回り込み、高台の内山安兵衛墓付近まで上がれば、田んぼ風景を見晴らすこともできる。
空を映す水田は、天気や時間、季節で色を変え、牧歌的な里風情に見惚れてしまう。
エンジェルドロップ[武蔵五日市駅/雑貨・多肉植物販売店]
川のほとりに立つ小さな雑貨店

店主の中島良江さんは1993年より隣町の日の出町で雑貨店を営んでいたが、「とても明るくておだやか」と、目の前の川景色に惚れて2023年にあきる野市へ移転。「屋上付きガレージを夫と二人でDIYしたんですよ」と、目尻を下げる。
まだ外壁まで辿り着けていないのはご愛嬌。モルタル造形を自力でする予定でいる。

テディベア、アンティークの食器、ミルクガラスのファイヤーキングのマグカップなど、どれも手に取ってみたくなるものばかり。
地元のクラフト作家手作りのアクセサリーや、着心地のよい衣料品も揃い、「私のほしいものばかり」と中島さんがセレクトしている。

何千とある品種の中でも、こぼれて根を生やすセダム属や、子株を増やすセンペルビウム属を主軸に、子株350円〜を育て、販売。
目を引くのはブリキ缶や陶器の鉢を用いた寄せ植え1500円〜で、ロゼッタ状の葉がブーケのようでキュートだ。

看板犬のウィンディを撫でながら、多肉愛が止まらない様子だ。
黒茶屋[武蔵五日市駅/茶房・カフェ・雑貨]
山里の味とともに、席ごとに変わる川の表情も堪能

くぐれば、そこは山里料理『黒茶屋』だ。

総支配人の乙訓(おとくに)康人さんは「散策路にも席を増やしていますので、お気に入りの場所を見つけて、おくつろぎください」と話す。




あきる野に暮らす野鳥・川魚のミニブローチ1210円やキーホルダー1320円が愛らしく、草木染めの手織り巾着や、五日市伝統の泥染め・黒八丈を復活させた絹織物も手に入る。

川床かと見紛うほど秋川が目の前に迫り、誰もがため息。
「春は、サクラに始まり、フジ、ヤマボウシが次々と花を咲かせ、夏の緑、秋の錦秋と、季節で風情が変わります。でも、冬枯れのもの寂しい風景もオツなんですよ」と、乙訓さん。
川に下りて、水と遊ぶ人あり、川辺の席で自然に抱かれる人あり。

天然氷のかき氷1800円、おやき150円の店も点在するので、気になるスイーツをいただきながら、思う存分、自然に身を委ねたい。
松村精肉店[武蔵五日市駅/精肉店・惣菜]
きれいな水で育った秋川牛をワンハンドグルメで

市内の『竹内牧場』で生産されたブランド牛・秋川牛目当てだ。ここはいつ訪れても秋川牛が手に入る稀有な店なのだ。

サシが美しく入った牛肉はもちろんのこと、牧場から一頭飼いをしているため内臓も販売している。夏のバーベキューにはうってつけだ。

いろんな部位の端肉が混ざり合う挽き肉に、ソテー、ペースト、みじん切りの3種のタマネギを加え、スパイスで味付けしたメンチカツは、あふれる肉汁が濃厚で、ソースがなくてもおいしい。
お腹に余裕があるなら、メンチカツバーガー600円を頬張るのもいい。シャキシャキタマネギが入ったタルタルソースがナイスアシスト。
コロッケも侮れない。
ゆでたジャガイモと挽き肉に割下を加え、一晩冷蔵庫で寝かせて味をなじませてから揚げていて、サックリ、ほっくり、とろり。素朴な甘みがクセになる。
店前でも食べられるが、「食べ歩きする人も多いですよ」。
道中のお供にサイコーだ。
DATA
目にも耳にも涼しく、豊かな味を生む清らかな水
水辺の風景を辿るだけでも気持ちいいのに、川べりの林を歩く庭園あり、水が育んだブランド牛あり。他にも、地下水で仕込む地酒の蔵元もあり、豊かな水の恵みを実感。四季折々に訪ねたくなる場所だ。
ここが東京であるサプライズ‼
青梅線・五日市線の旅とは
都心から約60分、東京でありながら自然豊かなエリアを走る青梅線(立川駅~奥多摩駅)・五日市線(拝島駅~武蔵五日市駅)沿線の観光やイベント情報を発信するサイト。
都心の喧騒に疲れた心と体を癒してくれる自然や食、アクティビティーなどのコンテンツを中心に地域の情報を発信しています。ぜひ、休日のお出かけスポットを見つけてください。
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取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2025年6月現在のものです。
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