プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!

武蔵五日市駅

アジサイの名所に昔ながらの街並み。武蔵五日市駅から女子ひとり自転車さんぽ

四方を山に囲まれ、街を横断するように秋川が流れる五日市。6月にこの街へ降り立つなら、「現代の花咲か爺さん」なる人物が作り上げたアジサイの名所に足を運びたい。ほかにも、豊かな自然が育てた神秘的な風景や昭和の風情が残るごはん処など、見るべき場所は数知れず。せっかくなのでレンタサイクルを借りて、山あり谷ありの街を軽快に走り抜けよう。

この記事の目次

目的地までのアクセスと歩き方

JR中央線新宿駅から約1時間5分・立川駅から約35分で武蔵五日市駅に到着。駅を出てすぐの『東京裏山ベース』でレンタサイクルを借りて、山中や街を巡る。舗装はされているものの、全体的にアップダウンのある道なので、水分補給は欠かさずに。また、山中を歩く場面もあるので履き慣れた靴で出かけよう。

1.

東京裏山ベース [武蔵五日市駅/案内所&レンタサイクル]

街の入り口たる案内所。旅の情報はここで仕入れよう!

武蔵五日市駅を出たら、まずは『東京裏山ベース』へ。ここは、武蔵五日市のアウトドア情報や街の歩き方、イベント開催など、この界隈を楽しむための情報を発信している案内所。レンタサイクル(1日2200円~)も用意している。

電動式自転車もレンタル可能。

武蔵五日市~秋川渓谷エリアを「東京裏山ワンダーランド」と称する店主の神野ケンジさん。通称ジンケンさんは、街全体をまるでテーマパークのように見立てながらスポットを紹介。「手ぶらで来ても楽しんでもらえるよう、いろいろな遊び方を提案しています」。自転車旅の見どころを聞けば、雄弁に答えてくれるのが心強い!

DATA


ZiZi[武蔵五日市駅/街なかアート]

五日市の守り神?

『東京裏山ベース』を後にしたら、本日のお目当てである『南沢あじさい山』を目指して山道を疾走。舗装されていて走りやすいが、勾配もなかなか……。疲れたら、無理せず歩いて体力を温存するのもあり。
ふと道の脇に目を向けると、優しい表情の木像が。これはあきる野市に『深沢小さな美術館』を建てた彫刻家・友永詔三(あきみつ)さん作の「森の妖精ZiZi」。木陰や川べり、果ては民家の庭など至る所に佇み、道行く人々を見守っている。その数は100体以上になるのだとか。今日の旅では、何体見つけられるかな?

2.

南沢あじさい山 [武蔵五日市駅/アジサイ園]

1万5000株ものアジサイが咲き誇る山道

『東京裏山ベース』から走ること約20分、『南沢あじさい山』に到着。駐車場に自転車を止め、山道に入っていくと、目に映る色とりどりのアジサイに感動!
もとは南澤忠一さんが1971年(昭和46)に、先祖代々伝わるこの地に2株のアジサイを植えたことが始まり。以来、少しずつ山を開き、さらにアジサイを植え続け、今や1万5000株ものアジサイが咲き誇る名所に。いつしか南澤さんは、この界隈で「現代の花咲か爺さん」と呼ばれるようになったそう。
今年からドライフラワー工房をオープン。販売も始めた!

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3.

山抱きの大樫 [武蔵五日市駅]

岩に根を張る不思議な巨木

アジサイを堪能したら、次に目指すは「山抱きの大樫(やまだきのおおかし)」だ。これまた、自転車を山道の入り口に停め、細く急な道を10分ほど歩く。ふと、眼前に現れた巨大な岩を見上げると、その岩を抱えるように上に立つカシの大木に圧倒される。さらに登って近づいて見れば、岩に根がしっかり張っていることがわかる。幹回りが約6.5m、高さ約20mのこの巨木は、あきる野市指定天然記念物。静かに鎮座する姿は神秘的で、ため息がこぼれる。

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4.

洋食キッチン シオン [武蔵五日市駅/洋食]

地元で愛される老舗のオリジナルメニュー

右からシェフの大野則章(のりあき)さんと2代目の陽一さん。

山を降りたらお昼時。すっかりお腹が空いたところで『洋食キッチン シオン』へ。1976年(昭和51)に創業した武蔵五日市駅界隈初の洋食店で、ハンバーグ、シーフードミックスフライ、カレー、スパゲティと、定番の洋食がメニューに並ぶ。

サルべニア1188円、ミニサラダとスープ付き。

なかでも、人気の品はサルべニア。シェフの大野則章さんが修業時代、先輩から「こんな料理があるらしい」と聞いた噂話から、想像を膨らませて発明したオリジナルだ。
ドライカレーに豚ロースの焼肉がドドンと乗っている、豪快な一品。手ごろな大きさにカットした肉と一緒にドライカレーを頬張れば、スパイスの香りとほのかな辛味が口中を包み、次のひと口を誘う。

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5.

きれ屋 [武蔵五日市駅/手ぬぐい]

土産におひとつ、手ぬぐいはいかが?

店主の安藤諭さん。店舗は明治築の古民家だ。

食事を終えて街道を駅方面へ少し行くと、風情ある古民家が目に入る。
ここ『きれ屋』はもともと呉服店だったが、4代目を継いだ安藤諭さんは「新しいスタイルでアプローチをかけよう!」と、2004年に手ぬぐい専門店へと路線変更した。

『きれ屋』オリジナルブランド「三布三用」の手ぬぐい各1320円。

店内に並ぶ色とりどりの手ぬぐいに見とれていると、「こんなのもあるよ」と、安藤さんは店内にかかっている前掛けを指差した。よく見ると、帆布と手ぬぐいを合わせて作られているではないか! なかなかお目にかかれないお洒落手ぬぐいアイテムだ。

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秋川[武蔵五日市駅]

せせらぎに耳を澄ませながら、駅へと向かう

このまま街道に沿って駅に戻るのもいいけれど、街の象徴たる秋川も見て帰りたい。『きれ屋』の向かいの細路地に入り5分ほど走れば、すぐさま川沿いの道に出る。のどかな雰囲気に癒やされながら、少しずつ駅へと近づいていきたい。

雄大な自然の中で出会える、のどかな人々に癒やされる

山あり谷ありの道を行き、雄大な自然や昔ながらの街並みに触れてきた自転車旅。出会う人々はどこかのんきで人懐っこく、ウェルカムな雰囲気に心がほっこり温まる。
また、今回紹介したスポットの一部を巡るウォーキングイベント「武蔵五日市 駅からハイキング」や、武蔵五日市駅前で「五市マルシェ」が開催されることも。武蔵五日市の魅力的なスポットはきっとまだたくさんある! 今回未踏だったスポットに再挑戦するのもアリかも?

武蔵五日市 駅からハイキング
https://www.jreast.co.jp/ekihai/evdetail.aspx?EvCd=0321014

五市マルシェ
https://imatama.jp/contents/goichi/

取材・文=高橋健太(teamまめ) 撮影=オカダタカオ

上記の情報は2021年6月現在のものです。
※料金・営業時間・休園(館)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。

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