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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!
国立駅立川駅
中央線をくぐって行ったり来たり。立川駅から国立駅へ、雑貨店&カフェさんぽ
立川駅~国立駅間の中央線沿線には、個性的な商品を揃える雑貨店や、居心地のいいカフェが界隈に林立。高架をくぐったり、線路を渡ったりしながら、中央線沿いに立川駅から国立駅を目指そう。住宅街に、線路沿いに、ひょっこり素敵なオアシスが見つかるはずだ。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
JR立川駅南口から南東へ約1.3km、南武線の線路を越えて『Cafeなごみたま』、『和食器Sakura』へ。中央線の線路を越えて、約1.6km先の中央線北側の『ポッポみち』、『黄色い鳥器店』に立ち寄り、さらに線路を越えて、国立駅南エリアに向かえば『chuff』に到着。一駅歩きとはいえ寄り道が多いので、履き慣れた靴で出かけよう。
Cafeなごみたま[立川駅/カフェ]
体と心が喜ぶ、ひだまりのようなカフェタイム
古い商店が散在する長閑な通りに、愛らしい外観の店が立つ。木製扉を開ければ、小体な木造りながら天井が高く、包まれるような居心地の良さ。加えて、店主の歯朶尾淑日(しだお よしひ)さんと茶飲み話を楽しむ常連客の姿が牧歌的だ。
14時前なら、なごみたまランチをオーダーすべし。肉、魚など、主菜を選ぶスタイルで、有機自然農法サラダ、ドリンク付き。「この辺りの人は魚ファンが多いんです」と歯朶尾さんに勧められ、まいわしの南蛮漬け1450円をオーダーすると、徳島県産ゆず酢のやわらかな酸味が長崎県産マイワシの香味を際立たせるよう。そして何よりサラダが圧巻で、舟型の皿に約20種が盛られ、一つ一つがシャキッ、パリッとした歯触り、くっきりとした濃い香味で口中が賑やか。散らした炒りハトムギの香ばしさもいいアクセントだ。ドリンクにも驚く。徳島県伝統の阿波番茶の神田茶(じでんちゃ)は「手摘み、釜茹で、天日干しを繰り返した、手間のかかった乳酸発酵茶なんですよ」。益子の川尻製陶所のポットが、豊かな発酵香を引き出し、芳しい。
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和食器Sakura[立川駅/波佐見焼専門店]
手に馴染み、目が和む、長崎に伝わる日常食器
店を営む松田雅子さんは実家が長崎県にあり、「有田の陶器市に出店していた隣町の波佐見焼を見て、手彫り・手描きの温かみ、職人さんたちの人柄のよさに惹かれました」と話す。現在は5軒の窯元と卸店とお付き合いしている。
何十本ものカンナを使い分けて手彫りした雪のように白い一真窯のカップ1650円や、根強いファンをもつ一龍陶苑のしのぎシリーズの皿など、ラインナップは幅広く、「長崎では無鉛絵具が開発されたことで、かつては盛り付けられなかった酢の物などにも安心して使えるようになり、さらにカラフルになったんですよ」と松田さんは笑う。
他に、「レンジ、食洗機対応はもちろん、オーブン対応や繊細な陶器も増えてきました」。リーズナブルで愛らしい日常使いの食器を集めたくなる。
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ポッポみち[国立駅]
ゆるいカーブがミソ。抜け道の遊歩道は鉄道遺産だ
じつはここ、廃線の総研線跡地を生かした緑道なのだ。
総研線とは、中央線の国立駅から分岐し、鉄道技術の研究・開発を行う鉄道総合技術研究所に至った旧引き込み線。その記憶を残すため、公募による「ポッポ」の愛称をつけて、2015年に整備されたという。
黄色い鳥器店[国立駅/雑貨店]
暮らしが楽しくなる手仕事の道具たち
階段を上ると、日差しがたっぷり入る木造りの空間に、各地の作家が丹精込めた暮らしの道具類が並ぶ。
さらには、英国のイラストレーター、ローラ・カーリンの絵本、イラスト、陶芸作品なども扱い、その目利きは国内にとどまらない。しかも、訪れるたびに商品の顔ぶれが変わるので、足繁く通いたくなる。
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chuff(シャフ)[国立駅/トートバッグ店&カフェ]
展示やバッグを眺めながら、甘いおやつタイムを
2015年、トートバッグ店が移転オープン。「本屋さんや肉屋さんなど、アメリカではいろんなお店でオリジナルのエコバッグを作っているんですよ」と、山田光輝さん・朋子さん夫妻。海外に出かけるたびに発掘したクールなデザインに心が躍る。
見渡せば、壁は写真が主体の月替わりギャラリー。お茶を飲みながら、ゆっくりバッグや展示を眺めたい。スクリーンを下ろしてミニシアターと化すイベントも時折、催されている。
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感度の高い店に夢中になる一駅さんぽ
今回紹介したスポット以外にも、住宅街に紛れるように潜む雑貨店やカフェが点在し、遠回りするほど、新たなスポットにも出合える。温かいドリンクと甘味でひと心地つきながら、のんびり巡ろう。
取材・文=佐藤さゆり 撮影=加藤熊三
上記の情報は2022年12月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。
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