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斬新さに驚き! 新鋭のラーメン
中央線沿線には、ラーメンの常識を覆す“変化球”の名店が点在している。炭火の香ばしさが際立つ濃厚中華そば、つけ麺に芸術性を宿す一杯、そしてラーメンだけでなく外観にもオリジナリティあふれる店まで——その一杯には、店主のこだわりと遊び心が詰まっている。食べるたびに驚きと発見をもたらす、そんな個性派ラーメンを求めて、中央線の駅をひとつずつ巡ってみよう。定番とは一線を画す、記憶に残る味がきっと見つかるはずだ。
この記事の目次
唯一無二のウマさ! 最後までアツアツなつけ麺
UMA TSUKEMEN(ユーエムエー つけめん)[立川]


ウッドデッキを備えた特注のトレーラーハウス。店内は調理動線や柱位置まで計算されつくしている。
「つけ麺のスープはどんどん冷えてくるでしょう? それがイヤで。そこで浮かんだのがパイ包みシチューだったんです」と話すのは、店主の皆川富士雄さんだ。

提供まで15〜20分かかるので、その間に食べ方を予習しておこう。「生地はスープの中に入れないように」と注意が書いてある。

器ごとオーブンで焼くから最後までスープがアツアツ! まずはチーズとエビが香ばしい生地の上から食べよう。ちなみに“パイ”と呼ぶが実際はピザ生地だ。

「その日の気温と手の感覚で麺の状態が分かります」。ホテルやレストランで洋食を中心に修業してきた皆川さん。さまざまな経験が現在のメニューに生かされている。
「本当にこの周りは何もなかったんです。ここ数年はすっかりにぎやかになったことに驚いています」

夜は皆川さん自慢の一品料理を提供し、ラーメンやつけ麺以外でも楽しませてくれる。
まるで炭火の焼き魚を飲んでいるような濃厚スープ
炭火焼濃厚中華そば 倫道[市ケ谷]

これぞ『炭火焼濃厚中華そば 倫道』の真骨頂、看板メニューの中華そば「鯖」1100円だ。炭火焼きにした素材を丸ごとスープに仕立てているのが特徴で、まるで焼きたてのサバを丸ごと飲み込んでいるかのような、凝縮した味わい。れんげでひとさじ飲んでみると、炭火の香ばしさが口いっぱいに広がり、次のひと口へと食欲をかき立てる。
「少しだけざらっとした舌触りなのは、身も骨も皮も素材丸ごとスープにしているからです」と話すのは店長の後藤祐喜さんだ。

アツアツのうちに味わってほしいという思いから、具材でスープが冷えないように別盛りで提供される。

つるりとした低加水の中細麺は、歯切れが良く、濃厚なスープに合う。

店内はカウンターのみ。タッチパネルでオーダーしよう。
今回紹介した中華そばにご飯と漬物が付いた「定食」や、スープと麺のみを提供し、トッピングは好みのものを選んで楽しむ「かけ中華」、もう少し食べたい人に好評の「餃子」も見逃せない。
DATA
鯛と牡蠣の凝縮だしが豆乳と合体。エスプリが香る一杯
ただいま、変身中。[中野]


おしゃれすぎる外観とメニューのビジュアルに、道ゆく人も足を止めていた。

丸尾さんは「中野は人情味のある街。地元のお客さまも多く、みなさん温かいですよ」と話す。

泡立てられたスープは、クリーミーで口当たりなめらか。最後の1滴まで飲み干したくなる。
また、トッピングも豪華だ。広島産の新鮮な牡蠣を焼き牡蠣にして濃厚な旨味を閉じ込め、豚肩ロースのチャーシューは68度で低温調理し鮮やかなピンク色に。そして鶏胸肉の鶏チャーシューは58度で仕上げ、しっとりとしてジューシーだ。

もちっとした太麺で、クリーミーなスープにぴったり。

客席はカウンターのみ。店内にはこれまで掲載された雑誌の切り抜きが貼られている。
DATA
文・撮影(炭火焼濃厚中華そば 倫道、ただいま、変身中。)=パンチ広沢
撮影(UMA TSUKEMEN)=逢坂聡
上記の情報は2025年10月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。











