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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!

府中本町駅
府中本町駅から行く、魅惑の市場&工場探検!
府中本町駅から今回目指すのは、仲良く並ぶ二大巨大施設。『大東京綜合卸売センター』(通称・府中市場)と、『サントリー<天然水のビール工場>東京・武蔵野』だ。じっくり見て回れば、府中の底力を実感できるに違いない!
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
新宿駅から中央線で約35分の西国分寺駅から武蔵野線に、または中央特快で約30分の立川駅で南武線に乗り換え、府中本町駅で下車。改札を出たら、左手の階段を下り、線路沿いを南下すれば徒歩約15分で目的地に到着。履き慣れた靴で出かけよう。
大東京綜合卸売センター(府中市場)[府中本町駅/地方卸売市場]
水産、青果だけにとどまらないワンダーランド


豊洲仕入れの後、そのまま朝6時ごろには店を開け、随時、売り切れごめん。

広報の守本夏美さんによると、市場を満喫するなら朝8時頃からの来場がおすすめだそう。
「店じまいが始まる10時までに生鮮品を見終えて、その後から店が開く雑貨店や飲食店を巡れば、ひと通り見られますよ」。
確かに水産・青果以外の店も魅力的で、珍しいスパイスを扱う『アジアンミール』、ユーズドデニムを扱う『GREEN DOOR』、日本で唯一出前機を製造販売する『マルシン』も健在。
「近年は、市場のレトロな雰囲気が好きな若者の出店が増えています」と守本さん。
魚料理のみならず、コーヒーショップ、自家製パンなど、飲食店も約20店舗に増え、市場さんぽの大きな魅力になっている。
チェケラ屋[府中本町駅/古道具]
和、アジア、欧米など、国境を超えた古道具にキュン

「古道具は生活のスパイス」と話す店主の緒形吏世子さん(右)は、実家が府中市場に近く、母がよく買い物に来ていたという。
「場内の『自然食品つちや』さんが、店先や空き店舗に古道具を並べていらして。聞けば、ご主人が古道具好き。その縁で」と、2022年より場内で骨董市「フチュウ フルドウグ マルシェ」を仲間と主催するように。
今では月に4日間、八百屋横の催事場で定例開催。
回を重ねるごとに客も仲間も増え、15店舗ほどがひしめく盛況ぶりだ。
そして、2024年に実店舗も開店。
「アジアを旅すると、雑多な市場の中に古道具店があるのを見かけますが、府中市場は雰囲気がよく似ているんです。この店の前には中華食材の店もあるし」と、にっこり。

相模原で染色作家をする古道具仲間のOGUさんやthe moonさんの貸し棚店もある。

DATA
おさかな食堂うおよし[府中本町駅/魚食堂]
市場仕入れの海鮮が丼に。朝呑みもウエルカム!

とはいえ、やはり市場らしく海鮮は外せない。

ところが「コロナ禍の時期、市場の元気がなくなってしまって」と、市場に活気を取り戻すべく、2021年に出店を決めた。
看板メニューはもちろん「市場といえば」の魚料理だ。
「卸売り店にはそれぞれに得意分野があるんです」と、マグロは『FK-FOODS』、大きな魚は『大省商店』など、各店を毎朝巡っているという。

ヒラメ&イナダ、マダイ&スズキなど、日替わりでお目見えし、刺し身がどどーんとご飯を埋め尽くす。
ツヤピカ鮮魚の香味をやさしく押し上げる名脇役は自家製ブレンド出汁醤油。
とどめはあら汁で、深い旨味で恍惚となる。
刺し身定食、焼き魚定食、さらには別売りの惣菜小鉢を付け足して、朝から呑む人も土曜は少なくないのだそう。
ここでは、市場ごはんで呑む習慣が根付いている。
サントリー<天然水のビール工場>東京・武蔵野[府中本町駅/工場見学]
プレモル発祥の聖地で、水とビールづくりのこだわりを実感

1963年開設のサントリー初のビール工場に府中の地が選ばれたのは、良質な天然地下水が豊富だったから。以来、ここで世界最高峰のビールづくりが始まり、府中の水で仕込まれたザ・プレミアム・モルツが2003年に誕生した。
工場では、事前予約制の見学ツアー「ザ・プレミアム・モルツ おいしさ発見ツアー」を日々開催。
案内係の藤山さんが「ザ・プレミアム・モルツは水、麦芽、ホップ、この3つのみのシンプルなつくりです」と胸を張るほど、原料へのこだわりは研究&追求の連続だ。

「食べてみてください」の声にならうと、ふくよかな香ばしさが口の中に広がった。これが、ビールの深いコクの素か。
ホップはファインアロマホップが選択され、嗅げば、華やかで清々しい苦味がスーッと鼻を抜け、あぁ、ビールが恋しや。
毎年、つくり手たちが欧州の農家の元へ飛び、今年の出来と次のつくりをディスカッションするというから、頭が下がる。

麦汁を煮出し、水と合わせて仕込み、煮沸を2度行うダブルデコクション製法でコクを引き出す。折しも煮沸釜が稼働中で、小窓から覗けばぐつぐつ煮出す様が迫力満点。
濾過後は、つくり手が見極めたタイミングでホップを加えるアロマリッチホッピング製法で、華やかな香りに仕上げ、発酵させている。

扉が開き、目の前に現れたトンネルは工場開設時から使われていた貯酒タンク。
巨大さに舌を巻くが、若いビールから時間をかけて黄金色へ変化する様子をライトで演出し、「ビールの気持ちなってお通りください」の声に思わず笑みがこぼれた。

まずは、ザ・プレミアム・モルツ(中)を手に、参加者一同で乾杯。
濃密&多重奏な味わいを実現したマスターズドリーム(右)、みずみずしい香りと豊かな味わいの余韻が続く〈ジャパニーズエール〉香るエール(左)の3種が味わえ、香りもコクも三者三様だ。
しかも、「ビールのうまさは泡にもあり」の言葉どおり、神泡がシルキーでうっとり。
10種から選べる工場限定の神泡アートにも心躍る。

ショップにはオリジナルTシャツやステーショナリー、限定ビールなどが用意されている。ゲットすることをお忘れなく。
まさかの発見が続々だった二大巨大施設
府中市場では、ほかにもユーズドデニムに目を奪われたり、場内で調達したスパイスで作るキャロットケーキに舌鼓を打ったり。また、プレモルがまさか府中の天然地下水で醸されていたとは、大きな驚きだ。美味さのヒミツは奥深く、工場見学のリピーターが多いという話にも納得。何度でも再訪したくなる。
取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
上記の情報は2026年8月現在のものです。
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