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プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!
谷保駅
初めてでもどこか懐かしい早春の里。南武線谷保駅でタイムスリップ
国立駅から南に約2km。立川駅からは南武線で3駅の国立市谷保。
駅の北側には団地が立ち並び、南側には昔ながらの農家建築や畑、雑木林が点在している。平安時代に創建された天満宮を皮切りに、大正、昭和と、時代を行ったりきたりしながら、今なお残る都内の里めぐりを楽しみたい。
この記事の目次
目的地までのアクセスと歩き方
立川駅から川崎行き南武線に乗り換えて約6分。または、国立駅から府中・矢川・聖蹟桜ヶ丘行きバスに乗り換えて約6分の谷保駅下車。暖かい季節には、国立駅から歩いたり、シェアサイクルを使ったりして訪れるのもおすすめ。
駅の南北をのんびり散策するルートには、坂道や緑道があるので、歩き慣れた靴で出かける方がいい。
谷保(やぼ)天満宮[谷保駅/神社]
平安時代創建の天満宮で梅の香りをまとう
菅原道真公の第3子・道武公が、配流されたこの地で父・道真公の薨去(こうきょ)を知り、悼み、建立したと伝わる。関東に天神社が増えたため、地名の谷保(やぼ)村を冠し、谷保の天満宮として、親しまれている。
ちなみに、1908(明治41)年、有栖川宮様が遠乗会と称されて行われた日本初ドライブツアーの目的地になったことから、交通安全祈願発祥の地でもある。
道真公の死を牛車の牛までもが嘆き悲しみ動かなくなったと伝わり、学問成就に、体の悪い箇所と同じ部分を撫でることで治るという民間信仰も加わって、鼻先や頭を撫でていく人の多いこと。おかげでお顔がツルピカだ。
例年、2月下旬(2024年は2月24・25日)に梅まつりも開催。吟詠、お囃子などの催しが雅な風情を添える。
「夏は梅のシロップを使ったかき氷も人気ですよ」と、店主の小林恵美子さん。季節の甘味を手に、梅林でしばし、憩いたい。
DATA
雨水第二幹線緑道[谷保駅]
カワセミも憩うのどかな里さんぽ
ダイヤ街商店街[谷保駅]
住民自慢の名店が揃う昭和レトロなアーケード商店街
宵待月[谷保駅/喫茶店]
大正ロマンの風情で野菜満載のカレーとコーヒーを
店内は白壁と木を基調にした端正な風情だが、「大正ロマンが濃厚でしょ」と、ともよさんが胸を張るのは、まさかのトイレ。群青色に染まる壁に竹久夢二風の美人画がにこやかに微笑み、しばしうっとりと篭りたくなる。
食後は、自家焙煎のスペシャルティコーヒーをすすりたい。サイフォンで淹れる深煎りの夜更けブレンドは飲み心地するり。後から余韻が広がって、ほうっと肩の力が抜けていく。
ボーカリストでもあるともよさんが音楽仲間を招いて始めた日曜のライブイベントにも注目。「演奏する人たちも、この昭和の雰囲気漂う商店街に来ると、みんな好きになるみたい。ほかの方を紹介してくれたり、何度も演奏に来てくださったりするんです」と、ともよさん。
人気のライブは満席になることもしばしば。予約がベターだ。
DATA
小鳥書房[谷保駅/ブックカフェ・出版社]
小さな本屋さんで谷保カルチャーに沼る
DATA
のどかさが随所に漂い、ほっこりと心和むひととき
天満宮を参拝していても、国立市民に意外と知られていないという谷保の街。だが、一度出かけてしまえば、昭和の風情にハマる人が多く、レトロ感に惹かれて新しいお店も増えている。梅見がてらのんびり巡れば、温かな店主たちの人柄にもほっこり癒やされる。
取材・文=林 さゆり 撮影=加藤熊三
※上記の情報は2024年1月現在のものです。
※料金・営業時間・定休日などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。
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