武蔵境駅
中央線文化に育まれた18軒のブルワリーが集結した「中央線ビールフェスティバル」へ! ~バラエティー豊かで心躍るクラフトビールの世界にどっぷり浸ってみた~
中央線沿線&多摩エリアのクラフトビールに出合える「中央線ビールフェスティバル2023 Summer」が、2023年7月20日(木)~7月23日(日)に開催された。
初開催の2018年以降、“中央線の夏の風物詩”として知られる大イベントだ。今年は過去最多の18ブルワリーが大集合し、さらに新しい企画もお目見えしてパワーアップ。そんなイベントのとある1日をレポートした。
行った人にはあの熱気をもう一度。行けなかった人にはイベントの雰囲気が伝わりますように。気になるビールがあれば、実際にブルワリーへ行ってみよう!
もしかしたら、そこでしか出合えないビールもあるかも。
この記事の目次
駅近の広場に、中央線沿線のブルワリーとビール好きが集結
全国的にもブルワリー数がどんどん増え、クラフトビールが日常の暮らしに根付きはじめている昨今、本イベントの注目度も昨年以上。中央沿線在住・在勤の人だけでなく、遠方から目指して来る人も少なくないのだろう。
最後尾につき、並びながら広場全体を見渡すと、思わず「おぉ〜!」。18のブルワリーがスクラムを組むように広場を囲んでいる光景は、圧巻だ。
回数券はお得にビールが飲めるだけでない、さらにお得な特典も。特設ブースに回数券の台紙を持って行き、アンケートに回答すると、武蔵境駅から帰りに使える当日のみ有効の乗車券(320円区間、各日数量限定)がもらえたのだ。
回数券利用でなくても各ブルワリーで1杯ずつ購入もでき(700円/275ml、 PayPay・現金も利用可能)、たくさん飲む人も、1杯だけサクッと飲みたい人も、それぞれのペースで過ごすことができる。
回数券を無事に入手し、お得な情報も頭に入れて、これで準備OK。
すぐに飲みたいところだが、会場全体を把握するべく東から順に看板をたどり、ひとまわり。リサーチを兼ねてウォーミングアップをする。各ブルワリー4〜6種類のビールを提供しているので、今飲む1杯を100種類近くから選ぶことになる。クラフトビールは一度に多くを造らないので、ここで飲まなければ二度と出会えないこともよくある話だ。なので、選ぶビールは、まさにこの夏の一期一会と言えるだろう。当然、チョイスに迷う。
そこで、中央線ビールフェスティバル初参加ブルワリーが3つあるというので、今日はそこに絞ってビールを味わうと決めた。
多摩川源流域の小菅村で醸造するビール
Far Yeast Brewing [大月駅]
最寄り駅は中央線大月駅。そこからバスで約60分の、山梨県小菅村にある「源流醸造所」で造られるビールが並ぶ。
「産業化で画一的な大量生産商品になってしまったビール本来の多様性と豊かさを、もう一度! というブルワリーのミッションなんです」と、教えてくださった。続けて、「今飲んでいただいているビールのように、もっと多様でいろんなビールがあることを伝えたいですね」。
このひと言で一瞬にしてクラフトビールの魅力に包まれた気持ちになった。
小さなブルワリーが多い北ヨーロッパと気候風土が似ている小菅村。「源流醸造所」に併設タップルームはないが、村内にある「道の駅こすげ」で購入ができる。道の駅近くには「小菅の湯」もあり、温泉の後の乾杯にももってこいだろう。
中央線のクラフトビールは旅心をくすぐってくれる。
ローカル超人気! 知る人ぞ知るブルワリー
Mountain River Brewery [西荻窪駅]
汗ばむ暑さの今、からだが求めているスタイルを発見した。高知県の中里自然農園の塩を使った「Kuroshio gose 黒潮ゴーゼ」(写真下・右)だ。ゴーゼとは、発酵に乳酸菌を、フレーバーに塩を使うスタイル。
迷うことなく醸造士の石川涼一さんに注いでもらった。塩味と酸味が思いのほかやわらかく、シトラス系のさわやかな香りが暑さを和らげてくれる。アルコール度数も4%と低めでゴクゴク飲めて、ミネラル補充も叶う。
ベルギースタイルの定番ビールや旬のフルーツを使った個性的なビールを、丁寧に造っている。
想像以上にビールに合う! ドイツ仕込みのソーセージ
ケーニッヒ [武蔵小金井駅]
会場にはビールに合うフードを提供する飲食店も出店している。そのなかから、到着した時から肉々しい香りを漂わせ気になっていた『ケーニッヒ』へ向かう。すでに行列ができているが、どんどん焼き上がっているので、並んで待つことにした。
手前から、肉本来の風味が伝わるあらびき550円、武蔵境産の唐辛子を使ったチョリソーチーズジャンボフランク650円、小金井市で育ったほうれん草がたっぷりのほうれん草チーズ650円。熱々を頬張って噛みしめたら、すかさずビールを。その繰り返しでボリューミーな3本を満喫、大満足だ。
飲むほどに笑顔になれるハートフルなビール
方南ローカルグッドブリュワーズ[高円寺駅]
設立は2022年3月。参加ブルワリーでもっとも新しく、障がいのある醸造士のみなさんが地元・方南町のためにビール醸造に取り組んでいる。「大切にしているのは、『人を中心に考える』ということです」と、責任者の白水良朋さん。
「ビールが苦手な方にもおすすめできる、うちの看板ビールです」と、スタッフの塩田剛裕さんが注ぎながら教えてくれた。
「ケーニッヒ」のソーセージにも合いそう。
本日の運試し。さて、何が当たるかな
「中央線ビアガチャ」にチャレンジ
「これはチャレンジするしかない」という熱いチャレンジ精神が芽生え、受付ブースで専用コイン1枚300円を買い、本体に投入する。ダイヤルをゆっくり「ガチャ ガチャ」回すと、カプセルが、コロン。オリジナル缶バッジが当たった。
ただ、同じようなものが重なったので、4回目の挑戦もしてみたいがどうしよう。まだ時間があるので、ビールを飲んでから決めるとしよう。
メイン会場周辺のケヤキから聞こえるセミの声、ビールを手に集う人の楽しそうなざわめき、「中央線ビアガチャ」の大当たりを告げるハンドベルをBGMに、心ゆくまでクラフトビールを楽しんだ。それにしても、中央線ビールフェスティバル初参加ブルワリーで味わったビールだけでも想像以上のバリエーションで、驚きの連続だった。クラフトビールはどこまで広がりを見せるのか、奥深さを実感した1日でもあった。
飲むほどにクラフトビールの深みにハマり、もっと飲みたいという思いが込み上げてくる。
帰り道、「来年の中央線ビールフェスティバルまでに、今回参加のブルワリーを訪ねよう」という目標が浮かんだ。
8月31日(木)までは「アプリde楽しむビールスタンプラリー」も開催しているので、さっそく出かけよう。記念の缶バッジを付けて。
★ビールスタンプラリー編に続く
取材・文=松井一恵 撮影(ビールフェスティバル会場)=逢坂聡 編集=加藤有子
上記の情報は2023年7月現在のものです。
※掲載ビールは取材時のものです。
※料金・営業時間・定休日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※表記されている価格は税込みです。